東方の三博士・ベファーナと霧と雨のラヴェルナ

　明日、１月６日は、カトリック教では、主の公現の祭日（Epifania）です。長いながい旅を終えて、東方の三博士がようやくベツレヘムに到着し、幼子イエスに会って拝み、贈り物を捧げたことを記念して祝う日で、イタリアでは国民の祝日でもあります。

La Beccia, Chiusi della Verna (AR), Toscana 30/12/2023
　というわけで、幼子イエスの生誕場面を再現したプレゼーペ（presepe）を飾るとき、厳密に考えて、１２月２５日になってから幼子イエス（Gesù bambino）を飾り、１月６日が来てから東方の三博士（tre Re Magi）の像を配置する場合もあるのですが、たいていの場合は、わたしたちが年末に霧の中、ラヴェルナ修道院を訪ねた帰りに参詣路で見かけたプレゼーペのように、最初からすべての人物を配置してあるように思います。
Basilica di Santa Maria degli Angeli, Assisi (PG), Umbria. 31/12/2023
　大晦日にお参りしたアッシジ郊外のサンタ・マリーア・デッリ・アンジェリ教会併設の修道院でも、境内に飾られたプレゼーペには、すでに東方の三博士が登場していました。こちらのポルトガルのプレゼーペをはじめ、

こちらのアフリカのジンバブエ、

そして南アフリカのプレゼーペにも、それぞれの地域の衣装や工芸品、文化を反映した東方の三博士たちが、贈り物を携えて、聖父母と共に幼子イエスの生誕を祝っています。

　イタリアでは、その１月６日の前夜に、ベファーナおばあさんがホウキに乗って空を飛び、子供たちの家を訪ねて、よい子にしていれば靴下の中にお菓子を、悪い子ならば木炭を入れていくと言われています。というわけで、６日には子供たちは、ベファーナからもらえるお菓子いっぱいの靴下を楽しみにしています。実は、このベファーナおばあさんが子供たちに贈り物を届けるようになったきっかけも、ベツレヘムへと向かう東方の三博士との出会いがきっかけです。興味がおありの方は、上のリンク先の記事をご覧ください。

Santuario della Verna, Chiusi della Verna (AR), Toscana 30/12/2023
　１２月３０日は、ミサのあと、ラヴェルナ修道院から参詣路を下って、ラベッチャの駐車場へと向かう途中に、冒頭の写真のプレゼーペに出会いました。

　ミサに参列している間に雨が降り始め、明かりがともり、

長い急な坂道を下っていくと、

霧が深いために、いつもであればこの木々の向こうに見えるラヴェルナ修道院をいただく岩壁も見えなかったのですが、

ラベッチャの集落が近づいてくると、

暖かな色の明かりが雨に濡れた路面をも照らしていて、風情があり、先のプレゼーペにも出会うことができました。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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