イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

雪山の帰りのラジオきっかけに今日からピランデッロ

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 昨日、1月27日土曜日の午前1時頃に『リーチ先生』を読み終えて、

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その1日が終わる真夜中頃から、今度はイタリアの作家、ルイージ・ピランデッロ(Luigi Pirandello、1867-1936)の小説、『Uno, nessuno e centomila』を読み始めました。

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20/1/2024

 先日、雪のシビッリーニ山脈(Monti Sibillini)をしばらく歩いたあと、車でペルージャへと向かっていると、

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ちょうど夕日が沈む頃に、コルフィオリート(Colfiorito)の高原に差しかかり、ピンクに染まる雲とオレンジがかった空が山の向こうにのぞいていてきれいでした。

 その後さらにアッシジを通り過ぎ、ポンテ・サンジョヴァンニあたりを走行中に、車内で聞いていたラジオで、登場人物のセリフから文学作品の題名を当てるというクイズがありました。その二つ目のセリフを聞いて、わたしはその答えが、今回読み始めた小説の題名だと分かったのですが、この二つのセリフを聞いて、わたしも夫も「おもしろそうだから読んでみたいなあ」と思いました。


 ピランデッロの作品はいくつか読んだことがあり、『Il fu Mattia Pascal』は、大学のイタリア文学の授業でも取り上げられて、かなり詳しく学習しました。おそらくその頃に、新聞を購入する際に少し上乗せした料金を払えば、文学全集をそろえていくことができるというキャンペーンがあったので買っていたのでしょう。うちに帰って確認すると、幸いラジオでセリフが読まれた『Uno, nessuno e centomila』を含む本も、購入してありました。

 主人公が朝、鼻が痛いなあと鏡で顔を見ていたら、妻がその様子を見て、「あなた、鼻がどちらに傾いているか見ているの」と質問し、その後の会話で、妻が主人公自身が思いもよらなかった顔や脚の問題点を指摘して、主人公がそれを聞いてすっかり考え込んでしまう。

 イタリアの文豪の小説の始まりとしては意外なほど、日常生活のさりげない一場面や何気ない夫婦のやりとり、ちょっとした心の葛藤が描かれているのがおもしろいと思いつつも、前夜遅くまで本を読んで寝不足だったので、すぐ眠気に襲われて、まあ後ろの注を読んだためでもあるのですが、3ページ目を読み終えないうちに眠くなったので本を閉じました。

 全142ページ、これからも続きが楽しみです。
 
Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by funfunniconico at 2024-01-29 12:38
本の画像やタイトルを拝見し、難しそうと思いましたが‥
記事の最後の方に少し書いてくださった本の内容を読み、
へぇ~、ちょっとおもしろいかもと私にも思えました。^^

2枚目の画像は先日の美しい雪景色の日ですね?
画像の真ん中のお花(?)は、雪に覆われてしまったのでしょうか?
それまたきれい!
パウダースノーなのでしょうね。
青空と真っ白な雪、ここをお二人で歩いて行くって・・・‥
素敵過ぎますねっ!!!
「旧友みたいに話しかける」というお返事にも、目尻が下がりました。^^
Commented by katananke05 at 2024-01-29 22:15 x
わたしも寝る目の読書(普通に昼間は読まないです)が欠かせず
今読んでるのは 養護施設や、孤児院のような 親が育てられない子などが 収容されてるところの話で いま 親の虐待で 逃れて入ってる子も多しという場所ですが
フィクションではあります〜

叔母は戦後 孤児院を経営?シスターだったので 働いていたというべきでしょうか
この本は現代の話ですが
たいへんだったろうなあと 今更におもいますよ〜
本は いろんな世界にも連れて行ってくれるから 楽しいですね〜
Commented by milletti_naoko at 2024-01-30 18:11
きゃふぁにこさん、わたしも難しそうだと思って、この小説は
読んだことがなかったのですが、今のところ「こういう小説って
ありなんだろうか」と思うほど、軽いけれども少し哲学的な主人公の
内省や考えと妻とのやりとりなどが書かれていて、楽しく読んでいます。

雪にすっかり覆われたこの植物、わたしはすっかりアザミだと思いこんでいて、
実際トスカーナやウンブリアでの俗名はアザミを意味するcardoなのですが、
今コメントをきっかけに調べてみて、実はアザミではないことを知りました!
今の季節は花がなくなり枯れてもなおすっくりと山や道端などに立っている
野草なのですが、雪をかぶってきれいだなあと思って撮影しました。
共感してくださったと知って、うれしいです♪
Commented by milletti_naoko at 2024-01-30 18:23
katananke05さんも寝しな日本を読まれるのですね!
赤毛のアンやあしながおじさんでも時々描写のある孤児院は
欧米の文学作品や映画では舞台となることも多く、あまりの
規律の厳しさについわたしは目を逸らして席を立つことも多い
のですが、なんと今もそんなに多くの子どもたちが!
フィクションではあってもそういう子どもたちがいるという
現状を踏まえてきっと描かれているのでしょうね。
孤児院で働くのもまた、おっしゃるようにきっと大変だったこと
と思います。

本当に、本を読むのって楽しいですよね♪
by milletti_naoko | 2024-01-28 23:45 | Film, Libri & Musica | Comments(4)