イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

粉物大好き夫 しょうゆ飛び跳ね事件とうっかり紙を食べたわたし

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 さて農家が抗議の声を上げてのトラクター行進のために、店まであと1.5kmほどという地点から、さっぱり前に進むことができず、

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Orvieto (TR), Umbria 3/2/2024

渋滞で車が動けなくなってから1時間後にようやく日本料理店に着くことができたというお話はすでにしていますが、実はこの日の昼食では、いつもとは違うことがありました。

 決められた前菜・プリモ・セコンドの中から一品ずつ選んで、水半リットルもついて14ユーロというランチメニューがお得でおいしいので、わたしたちは昼食時には、ずっとこのメニューを選んできました。けれども、夫は以前から、焼きそばと裏巻き寿司など、炭水化物の多いものを重ねて頼むことが多かったためもあり、量が多くて食べきれずに、残りを箱に詰めてもらうということが時々ありました。

 かつてはこのランチメニューにコーヒーもついて12ユーロだったのが、最近ではコーヒー抜きで14ユーロと値上がりしたこともあり、「それなら単品でおいしそうなものを頼んでも、値段がそれほど変わらないはず」と、この日は夫が朝から店のサイトでメニューを勉強して、到着前に頼む料理を決めていました。

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 植物繊維も取ろうということで、まずはワカメサラダを食べていました。ただし、このサラダは、ランチメニューの前菜にも入っているため、夫はすでに食べたことがあります。

 わたしたちがお気に入りのこのオルヴィエート郊外の日本料理店、Nihoriを経営する若者は中国の人なので、寿司や刺身は新鮮でおいしいのですが、焼きそばの麺がそば粉でできたそばで味つけが中華風であるなど、料理が必ずしも日本でわたしが慣れたものとは違う場合があります。餃子も蒸したものが出てきます。それで、朝夫に聞かれたときに、それぞれの料理について説明はしたものの、この店ではどんなものが出てくるのは食べてみないと分からないと言っておきました。

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 このあと夫が食べたのは、たこ焼きと

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肉まんでした。肉まんは、わたしが記憶していた日本の肉まんの半分か3分の1の大きさで、たこ焼きも、わたしが覚えているより、一回りか二回り、小さかったように思います。それに、たこ焼きは油で揚げてあるように見えました。

 パンやピザが大好きな夫は、時々自分はグルテンアレルギーではないかしらなどと言い出すことがあり、「本当は小麦粉由来の食品は食べない方がいいのだけれど」と時に口にするのですが、今回選んだ2品は、やはり小麦粉を使ったものだったのでありました。

 どちらもとてもおいしかったようで、量が足りないのではないかと思ったのですが、夫は満足していたので、よかったです。

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 一方、わたしはいつものランチメニューで、前菜は鮭のカルパッチョ、

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プリモは寿司と刺身の盛り合わせ、

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セコンドは鮭の裏巻き寿司を選んで食べました。

 野菜も食べなければと考えて、前菜を春巻きにしたり、セコンドでエビと野菜のてんぷらを頼んだりすることもあるのですが、揚げ物が入るとカロリーも脂質も摂取量がかなり多くなりますし、せっかくの機会なのだから、大好きな鮭をできるだけたくさん食べようと考えて、鮭三昧の3品を選びました。

 夫がこの日頼んだメニューには、しょうゆが必要なものがまったくなかったのに、それを知らなかった夫は、自分の料理が運ばれてくる前から、しょうゆを入れる小皿にたっぷりとしょうゆを注ぎ込んで、わたしの料理の皿から甘酢漬けの生姜を取って、しょうゆに浸して食べていました。たっぷりのしょうゆが夫の小皿に残るのが気になったものの、わたしは寿司も刺身も、生姜の味なしに味わいたかったので、夫の小皿のしょうゆには手をつけずじまいでした。そうして夫は、小皿になみなみと注いだしょうゆがそのままたくさん残っているのを気恥ずかしいと思ったのでしょう、その半分ほどを、たこ焼きの皿に残っていたソースのところに注ぎ込みました。

 わたしたちが食事を終えたとき、なじみの給仕の若い女性が、わたしたちが食べ終えた皿を下げにきました。たくさんある皿をどんどん重ねていって、さあ持ち上げようとしたとき、夫がたくさんのしょうゆを、たこ焼きの皿にも小皿にも残したままだったので、ふとした拍子にそのしょうゆが跳ね上がって、わたしの着ていた服にかかってしまいました。昼食後には歩くつもりだったので、上下とも水分が乾きやすい運動着だったので、すぐにシミが残らないように対処して、帰宅してすぐに洗濯機で洗ったので、幸いシミは残らずに済みました。店の人がすみませんと申しわけなさそうだったのですが、しょうゆが跳ねたのは、必要もないしょうゆを夫がたっぷり皿に注いで、しかもごまかすために他の浅い皿に移し替えたのが、原因だと思います。普通に食事を終えていたら、こんなに跳ねるほどのしょうゆは残っているはずがないために、店の人がいつもの慣れた手つきで無意識に運ぼうとしたときにしょうゆが飛んだのでしょう。「夫がしょうゆを必要もないのに入れすぎたのが原因です。どうか気にしないでください。こちらこそしょうゆをむだにしてすみません。」と言ったのですが、給仕の女性は気にしていて、夫が飲んだ分の水の料金はサービスしてくれましたし、支払いを終えたあとでレシートを見ると、夫の頼んだ分にはあるはずのサービス料の追加もありませんでした。

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 わたしは朝すでにコーヒーを飲んでいたので、食後のコーヒーは夫だけが頼んだのですが、店の人はフォーチュン・クッキーをわたしにも運んできてくれました。

 このクッキーは、二つに割ると中に言葉が書かれた紙が入っているので、それを読むのが楽しみです。さて、最近わたしは、この店で食後にクッキーをもらいつつも、満腹なのですぐには食べずに家に持ち帰るということが時々ありました。

 そうしてつい最近のこと、夜どうしてもおなかがすいたので、何か食べて空腹を紛らわせようと考えたときに、ふとこのクッキーのことを思い出して、袋を開けて食べたのですが、そのときうっかり、袋を開けてすぐにクッキーを口の中に入れてしまい、食べてしまったあとで、中に紙が入っていたことを思い出しました。食べてすぐにはのどに何か詰まっているような印象もあり、心配になってあれこれ調べたのですが、どうやらそういうことは小さい子供にも時々あって、小さい紙であれば問題ないと知ってほっとしました。中に紙があることはすっかり忘れてしっかりかみ砕いて食べたので、のどにつかえることもなくすみました。

 普段とは違う大量のしょうゆが残る皿や、いつもとは違って夜の空腹時に食べるフォーチュン・クッキー。つい考えずにしてしまう、通常であれば考えなくても無意識にできるようになっている行動が、状況や条件が変わると、困った事件につながってしまうのだということを、改めて思いました。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by koito_hari616 at 2024-02-10 17:26
こんにちは

確かに、アルアル事件ですね 
一つがくるってくると。。。後々までひびくことが有ります
私も経験が有りそうです、長い人生ですので
思い出せませんが。。。╯︿╰
Commented by pothos9070 at 2024-02-10 18:09
クッキーの紙にはきっと素敵な事が書いてあったのでしょう♪
それをしっかり食べちゃって消化したということは、
naokoさんにきっと良いことが起きると思います(^-^)
Commented by katananke05 at 2024-02-10 21:06 x
そうそう〜↑
私もきっとクッキーの占いは きっといいことが書いてあったと思いますよ〜
だって ウエイターさんに 夫様が醤油をいっぱい 小皿に入れてて それを多く残したのが
原因と やさしく なおこさんは おっしゃったんですもの、、
気遣いがほんと なおこさんお優しいですね〜
我が夫も 我が家でですが
お刺身など 自分の小皿には
いっぱい入れる癖があり、、
結果 いっぱい刺身につけるということにも繋がるから 健康上も私は注意しますよ〜
Commented by Solar18 at 2024-02-11 00:45
いつもいつもイタリアの外食の安さには驚きます。いいですね。和食が気軽に食べられて。こちらドイツでは殊更美味しくもないパスタでも18ユーロぐらいが当たり前になってしまいました。イタリアまでお寿司を食べに出かけようか、と本気に思っています。
Commented by meife-no-shiawase at 2024-02-11 07:12
なおこさんの対応も本当におとなですねー。
お醤油を無駄に・・・なんて・・・
お醤油を飛ばされたあとで、なかなか言えるセリフではないです。
簡単に染み込んでしまうお洋服でなくて本当に良かったです。

でもそのあとのお店側のサービスも、なおこさんのそういう
大人対応があったからだと思います。
お互いに嫌な思いが残らなくて良かったです。
Commented by milletti_naoko at 2024-02-12 19:18
結うさん、こんにちは。
夫がなみなみと注いだしょうゆがずっと気になっていたのですが、
なんとこういう形で逆襲されるとは!
一度あると続く、そういうことありますよね。
忘れてしまえるのも大切な人生の秘訣だと思います。
Commented by milletti_naoko at 2024-02-12 19:33
ぽとすさん、温かいお言葉をありがとうございます♪
いいことがありますように。
こういうのも「福はうち」と言えるかもしれませんね。
今後は気をつけます。
Commented by milletti_naoko at 2024-02-12 19:36
katananke05さん、ありがとうございます。
あら、だんなさまもやはり小皿にたくさん入れられるんですね!

実はわたし、夫がしょうゆを入れすぎたのがそもそもの原因だと、本気で
そう思っているんですよ。最初に入れるのを見たときから気になっていた
のですが、まさかこういう結果になるとは!
Commented by milletti_naoko at 2024-02-12 19:48
Solariさん、パスタが18ユーロはさすがに高いですね。やはりドイツに
とってもイタリアは海外になるからでしょうか。わたしはドイツには
デュッセルドルフなど、日本の方が多くて日本料理もおいしく食べられる店が
多いらしい、行って見たいなあと思っていました。遠い昔、大学で教えてくれた
先生がデュッセルドルフ出身の方で、その頃からそういう話をされていたような。

わたしたちは特に近所の店の場合には、手頃な価格の店にでもしばしば足を運び
たいという方なので、値段もお手頃な価格の店が多いのですが、この2、3年は
イタリアでも食料品や外食の値段がかなり上がり、シチリア旅行に行ったときも、
セコンドかパスタと野菜だけ頼んでも二人で約50ユーロになることが多いので
驚きました。でも、それでもドイツより安いのかもしれませんね。そもそもイタリア
では物価高の割に給料は上がっていないということがあるので、店も客を集める
ために値段を抑えているというところもあるのかもしれません。

この店はランチメニューに関しては質の割に値段が安いのがありがたいです。同じものを
日本の方が経営するローマの店で食べたら、20ユーロ近くすると思います。
最近ではペルージャ近郊にも20ユーロ強であれこれ好きなだけ食べられる寿司・刺身の
店があると聞くのですが、かつてそう聞いて行ってみてはがっかりしたことを覚えているので、
足を運べずにいます。

もし近くまでいらっしゃった際にはぜひ声をおかけくださいね。都合が合えば、お会いできる
とうれしいです。旅行シーズンはどこも似ているので、わたしたちも出払っている可能性が
ありはするのですけれども。
Commented by milletti_naoko at 2024-02-12 19:59
メイフェさん、ありがとうございます。
でもわたし、本気でそもそもの原因は夫だと考えているんですよ。
料理が来る前から、しょうゆが必要なものはいっさいないのにたっぷり
注いだりして、そのまま残るんじゃないかしらとずっと気にしていたんです。
今になって、ひょっとしたらわたしがずっと気にしていたから、しょうゆを
呼び寄せてしまったのかしらとさえ思ってしまいました。

まあ、あんまりどれこれとお皿を高く重ねるので、「そんなに持って大丈夫ですか」
と尋ねてすぐのことだったので、お店の人も慣れて重ねすぎたということもある
かもしれません。

上着のフリースもズボンも色が濃いので、しょうゆが残っていても見えにくいという
こともあると思うのですが、とりあえず即日に洗濯をしたので大丈夫でしょう。

温かいコメントをありがとうございます。店に通い始めた頃から顔なじみで
名前も知っている若い女性の店員さんなんですよ。
by milletti_naoko | 2024-02-09 23:57 | Gastronomia | Comments(10)