水鏡・野の花探し歩く２月のペルージャ散歩道

　久しぶりに青空が広がり、太陽が顔を出した今日は、カメラを携えて、いつものペルージャ市民の散歩道、Percorso Verdeを歩きました。

Perugia, Umbria 13/2/2024
　５月に花が咲き、秋から冬にかけて赤く実が熟してきたイヌバラに、小さな若葉が育っています。

　この見晴らしのいい一本道の奥には、上の方を無料高速道路、superstradaが走っていて、そのすぐ向こうには映画館があります。去年までにも日が暮れた頃にこのあたりで何度かイノシシを見かけたことはあったのですが、今年はなんと１月２日の真っ昼間、午後１時頃にこの一本道のすぐ傍らにイノシシを数頭見かけました。しかも、わたしは遠くから見やっていたのですが、向こうから犬を連れた人が来てすぐ近くを通っても、イノシシたちはまったく動じる気配がありません。
Orvieto (TR), Umbria 4/3/2023
　その日も天気が悪く、歩く人が少なかったのでイノシシも散歩道まで出てきたのでしょう。「向こうから来る人がすぐ近くを通ったらイノシシの方が逃げていくだろう、そうしてイノシシがいなくなったら、わたしも先へと歩いていこう」と思っていたのに、イノシシたちがそのまま道のすぐそばにいたため、用心のために来た道を引き返しました。近視のわたしはイノシシの大きさを判断しかねたのですが、すぐそばにいたやはり散歩をしていた女性が、「まだ小さい子供たちなので、近くに母親がいたら危険だから引き返した方がいい」と言っていました。
　年の初めからそういうことがあって心配していたのですが、その後は幸い、この散歩コースでイノシシを見かけていません。

　スーペルストラーダよりもはるかに高いポプラの木が、青空と白い雲と共に水たまりに映っています。水鏡を楽しみに、カメラを肩から下げて歩いたのですが、昨日の午後には雨がやみ、今朝は晴れて風も吹いていたためか、予想よりも水たまりが浅く小さくなっていました。

　ゼニアオイの花が、花の数こそ少なくなったものの、冬の間もずっと咲いていることに驚いています。

　裸の枝を伸ばしてきりっと立つポプラも、その向こうに広がる青空もいいなあと思いながら歩いていきます。

　ヒナギクとオオイヌノフグリも咲いています。ミツバチもいたのですが、飛び去ってしまいました。

　映画館、UCI Cinemasのすぐ前を歩いていきます。United Cinemas Internationalの頭文字を取ってUCIと呼ばれるのですが、イタリア語ではこれを「ウーチ」と発音します。

　おかげで夫は、ほぼ毎年、わたしが節分に「鬼は外 福は内」と言って豆を投げるのよと言うたびに、「UCI （Cinemas）?」と聞き返します。「いってらっしゃい」や「いただきます」は覚えていても、年に一度のことなので忘れるのか、今年の節分にもやはりこう聞き返していました。

　雨の日が続いたので、散歩道の傍らを流れる小川の水量が増えました。

　水面に、青空と白い雲が映っています。

　水たまりは浅いので、期待していたほどはきれいに映っていませんでした。

　雨の日や雨が降りそうな日には姿が見えなかったサイクリストも戻ってきました。

　イトスギの葉を観察すると、熟して花粉を飛ばす準備がしっかり整っている雄花がたくさん見つかりました。

　駐車場の車に戻ると、すぐそばの水たまりにも青空と白い雲が映っています。
　歩くのはゆっくりになってしまいましたが、久しぶりにぽかぽかの太陽の下を、季節の移り変わりを感じながら、撮影も楽しみながら歩くことができて、うれしかったです。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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