口の中の時限爆弾 歯を食いしばらぬようにと歯医者 寝る前も勧めるマウスピース

　去年の１１月に久しぶりに行った歯医者で虫歯が三つ見つかり、すべての治療が終わったのは１か月後となったのですが、そのとき治療した歯の中に、治療した部分が神経にかなり近い歯が一つあり、歯医者さんから、「ひょっとしたら神経の痛みが出て耐えられなくなる可能性もあり、その場合は、歯の神経を抜かなければいけません」と聞いていました。

　３年前に、この歯医者で神経を抜く治療を受けたとき、何度も何度も歯医者に通い、そのたびに麻酔の注射などで痛い思いをして辛かった上に、当時でさえ治療費がかなり高かったので、最近の物価高で虫歯の治療費もかなり上がったため、神経を抜く料金もかなり高くなったことでしょうし、それよりも何よりも、あの悪夢のような神経を抜く治療に再び通うことになったらどうしようと、当時ははらはらしました。

　その歯を治療してしばらくは特に痛みもなく、ほっと胸をなで下ろしていたのですが、その後、確かまだ他の虫歯の治療で歯医者に通っていた間に、熱いものを食べたり飲んだりすると歯が痛んだりうずいたりするようになりました。それで歯医者にその話をすると、「刺激を与えたときだけ痛むのであれば、できるだけ刺激を与えないようにして、神経が鈍感になっていくのを待ちましょう。万一、熱いものを口にしてから長い間経っても、あるいは、何もしていないのに耐えられないほどの痛みがして、それが続くようであれば、神経を抜く必要があります」と聞き、以来、気をつけていたら、そのうち痛みを感じないようになりました。その頃は、熱い飲み物ばかりではなく、ハンバーガーを口にしてさえ、歯が痛んでいました。
　その後、熱いものを口にしても歯が痛むことがなくなって、安心して過ごしていたのに、１か月ほど前からか、何かひどく熱いものを飲んだことをきっかけに、熱いものを口にしたときなどに、しばらくの間歯が痛むようになりました。最初は、治療済みのあの歯の神経が敏感になっているのだろうと思い、熱いものを口にするのを避ければ、いずれ痛みが去るだろうと思っていたのに、いつまでもその気配がありません。最近になって、実は痛むのは歯医者から神経の近くまで治療が及んだと聞いた歯ではなく、別の歯であるらしいことに気づき、通訳の仕事などが一段落したあとで予約を取って、昨日歯医者に行ってきました。
　虫歯があるのだろうかと心配していたら、そうではなく、「ずいぶん前に治療をした歯が、やはり神経の近くまで治療が及んでいたために、今になって過敏になっているのでしょう」とのことです。夜眠っている間に歯ぎしりをしていたわたしは、数年前までの何年間に、立て続けに歯が割れたり欠けたりすることが相次いで、マウスピースを作ってもらって就寝時につけるようになってから、そういうことがめっきり減って、ほとんどなくなりました。口の中を見た歯医者さんによると、起床時にも歯を食いしばることがあるようで、「そのために強い刺激が歯にかかって、ずいぶん昔に治療した歯の神経が、敏感になっているのでしょう」とのことです。この歯も、このまま刺激を与え続けると、単に熱いものを口にしたときに痛むばかりではなく、そうでないときにも痛むようになる可能性があるからと、就寝時だけではなく、夕食後からマウスピースをつけるように勧められました。
　熱いものを口にできないために、冷めるまで待ったり、熱いまま口にして痛い思いをするのが辛いばかりではなく、再び神経を抜くことになって、あの辛くて高い治療をすることになることを避けるためにも、夫は嫌がるのですが、夕食後はマウスピースをつけるようにするつもりでいます。
　「歯を食いしばって頑張れ」などと言いますが、ウォーキング中や仕事中など、気づかぬうちに歯を食いしばってしまうことがあるのでしょう。今後はそういうときにも意識して、できるだけ歯を食いしばらぬよう気をつけようと思います。

　ハンバーガーの写真を載せたついでに、店に置いてあったメッシーナビールの自動販売機の写真も添えておきます。デザインがシチリアらしくていいなあと思って撮りました。雪を頂く山は、わたしたちも昨年９月にエオリア諸島に向かったとき、バスや飛行機から見たエトナ山だろうかといぶかりながら。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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