イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

美しきマテーラ 荒廃・困窮から世界遺産・欧州文化首都に、World Voice 連載

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 今でこそ歴史や風景の美しさに魅かれて多くの人が訪れるマテーラが、第二次世界大戦後には人口が増えたために保健衛生的な環境が劣悪になり、国の恥とさえ言われ、一時期は、町の洞窟住居のある地区は人が住まぬ地域として、荒廃するに任せようとさえ考えられていたのだということ。そのマテーラの再生に向けて国や住民が動き出したのは、反ファシズム運動を行って1935年に今のバジリカータ州に流刑となった作家、カルロ・レーヴィの小説とマテーラの洞窟住居や農民文明を守り、その価値を活用しようという主張のおかげだということ。

 マテーラを舞台とする推理ドラマが、日本で3月4日に放映されると知ったときから、それをずっと寄稿記事として書こうと考えていたのに、何かと慌ただしい日々が続き、また、他の仕事や家事などで中断してしまうと、続きを書くのにまた調べ直す必要が出て来たりしたために、書き上げたのが3月15日となってしまいました。日中、そして夜も夫がいるときは、なかなか執筆に集中できないので、今午前2時53分ではありますが、先ほどようやく書き上げることができました。

 「美しきマテーラ 荒廃・困窮から世界遺産・欧州文化首都に」という題で、ニューズウィーク日本版の姉妹サイト、World Voiceに寄稿しています。

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https://www.newsweekjapan.jp/worldvoice/ishii/2024/03/post-61.php

 よろしかったら、お読みいただけると幸いです。

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 記事中で言及しているカルロ・レーヴィ(Carlo Levi)の小説、『Cristo si è fermato a Eboli』は、日本では、『キリストはエボリで止まった』という題で、岩波文庫から翻訳が出ています。

 わたしがこの小説を読んだのは22年前で、昨年だったか、イタリアのテレビで映画の放映も見ることができました。小説を読み返し、映画を見返す時間がないので、当時読書記録を取っていたノートに書いた感想を参考にしました。

 寄稿記事は1記事につき1000〜2000字程度であるべきなのに、2800字を超えてしまったため、小説と作家の社会的活動による貢献が大きいということをざっと説明した前半部分だけをとりあえず今の段階で一つの記事として投稿し、マテーラで人が再び暮らせるようになり、世界遺産となるまでのいきさつを詳しく述べた後半は、後から別の記事、続きとして投稿することにしました。読まれて、どうも尻切れトンボだという印象を受けた方もいらっしゃることと思いますが、それはそういう事情からです。

 もう午前3時を過ぎてしまいました。それでは皆さん、お休みなさいませ。

 これまでに載せていないマテーラの写真を選ぼうと、写真選びにも時間をかけたのですが、これがいいと選んだ写真は、別の写真ではあっても、以前にも載せたのと同じ風景を写した写真となっています。以前に使った写真よりも広い範囲が写っているので、その分写真に写る教会や家は小さくなるのですが、町並みがどんなふうに続いているかがこの方がよく分かるのでいいだろうと判断いたしました。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by koito_hari616 at 2024-03-15 14:34
こんにちは

時の為政者によって国は右に行ったり左に行ったりと右往左往
しかし、出てこられるのですよね、カルロ・レーヴィのような方が
その方たちのお陰で今が有るという事を知らなくてはいけないと思いました
「キリストはエボリで止まった」読みたくなりました💦
先日NHKTVで京都の歴史を見ましたが古都では有りますが
明治維新後は衰退して焼き払われたままで天皇は東京に行かれて。。残るは壊された荒廃した神社仏閣
惨憺たる有様の京都でした
岩倉具視などの人たちが海外万博で初めて知った京都の価値
そこから、古都として今に至るようです
昔の根っからの京都のお年寄りに「さきの大戦は?」と聞くと「応仁の乱」と言われるそうです
歴史を知らなくては未来はないですね
Commented by poirier_AAA at 2024-03-15 18:46
なおこさん、こんにちは。

なおこさんはきちんと読書記録をつけていらっしゃるのですね。ノートの写真を拝見して素晴らしいと思いました。ここまで書いてあると、あとで記録を読み直すだけでも楽しいでしょうし、後年同じ作品を再読した時に初読の時の感想と比べることもできて、さらに楽しめそうです。

わたしは飽きっぽいズボラな性格で、いっとき何かに夢中になることがあっても長続きしません。なおこさんは語学にしろ、こうした読書ノートにしろ、健康対策にしろ、しっかり続けて結果を出していらっしゃるので、いつも見習わねばと思っているのです。継続できるかできないか、これがいろいろなことの結果をわけていくのかな、という気がします。
Commented by milletti_naoko at 2024-03-16 17:47
結うさん、こんにちは。ありがとうございます。
なんと京都まで明治維新後はそういう憂き目にあっていた時期が
あったとは、思いもしませんでした。やはりその歴史や伝統の価値が
分かる機会や人がいてくれることがあって、大切な伝統の町を守ろうという
動きが出てくるのですね。
Commented by milletti_naoko at 2024-03-16 18:00
梨の木さん、こんにちは。ありがとうございます。それがわたし、この記録をまじめにつけていたのはこのしばらく後までで、以後はたまに書くものの、次に記録を残すまでに間隔が空き、現時点では2013年の記録が最後になっています。

イタリアの大学に編入してから、試験のために学術関係の本を多数読まなければいけなくなったのが記録が最初に途絶えた理由で、やはり忘れてしまうことも多いので記録を残しておいた方がいいなあと思いつつ、今はブログに書くばかりになっています。ただし、ブログに書く場合は、読むかもしれない方のことも考えて、筋などを伏せなければいけない場合もあるので、おっしゃるようにやはり記録をつけていく大切さも思います。

健康対策はなんとか続けているのですが、語学は…… フランス語は昨年再勉強を始めた矢先に、英語の通訳・翻訳の仕事が入って英語学習に切り替えるために中断してそのままです。わたしも頑張らなければ。

とりあえずすっかり忘れかけている言葉や文法に再び慣れるために、まずはルパンシリーズの4冊目を読もうかなと思いつつ、Folioには3冊目までしかなく、他に完全版を購入するのにいい出版社やシリーズはどこだろうな、それを調べるのが面倒だなというところで、止まってしまっています。

ジュール・ヴェルヌもおもしろいのですが、そう言えば読みかけたまま止まった1冊があるような。
Commented by poirier_AAA at 2024-03-16 23:08
なおこさん、たびたびお邪魔します。

アルセーヌ・リュパンの本、数年前に全巻セットのボックスが出ていまして、いまだったら大手通販会社のサイトですぐに見つかると思います。ボックス買いすると7冊セット、1冊ずつバラで買うこともできるみたいなので、もしご興味がおありでしたら見てみてください。
Commented by milletti_naoko at 2024-03-16 23:50
梨の木さん、ありがとうございます。
前回完全版を探していたときに、ボックス買いのような
ものはあったものの、紙が薄かったり本が厚かったり
大きかったりして読みにくいのではなかろうかと思ったことを
ぼんやり覚えているのですが、バラで一冊ずつでも買えるという
ことはそれとは別のようですね。今先を急ぐ仕事が終わったら
調べてみます!

夢中になって読んでいたものの、3冊目のあまりの最後に、
以後読もうという気が当時は失せてしまっていたのですが、
ジュール・ヴェルヌの本と違って、たとえ架空の話であっても、
実際に存在して人間が暮らす世界(地中とか海の底とかではなくて)
の話なので、内容や語彙としても学習に適しているように思うので、
探してみます。ありがとうございました。
by milletti_naoko | 2024-03-15 11:14 | Basilicata | Comments(6)