イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

クロッカス・プリムラ咲き花いっぱいのフィオンキ山

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 日曜だった昨日は、スポレート(Spoleto)の南方にそびえる山、フィオンキ山(Monte Fionchi、1337m)を登りました。

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Monte Fionchi in fiore, Spoleto (PG), Umbria 17/3/2024

 楽しみにしていたクロッカス(croco)が、頂上付近にたくさん咲いて、山を彩っていたので、うれしかったです。

 昨日は日曜でしたが、トーディの義弟家族は旅行中で、前夜に義弟宅に招かれて遅くまでいっしょに食事をしたので、山へと出かけました。土曜は雨が降って、夫が行きたがっていたカステッルッチョに行けなかったからでもあります。けれども、前夜の就寝も当日の朝起きるのも遅くなったため、距離がずっと近いフィオンキ山に行くことにしました。


 そろそろフィオンキ山への山道でクロッカスが花盛りなのではないかと、7年前の今日の登山の記事を調べてみたら、クロッカスはもちろん、他の花もたくさん咲いていたようだったので、わたしが行きたいと言ったら、夫も賛成してくれたのです。

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 花びらのふちが赤く彩られたきれいなヘレボルス(elleboro)も、道端にたくさん咲いていました。もう種が育っている花が大半です。

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 標高千メートル付近では、ペルージャの散歩コースでもよく見かけるこちらのスミレ(violetta)も、あちこちで見かけました。

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 今回花を最も多く見かけたのは、ミスミソウ(epatica)です。時に淡く、時に深い青紫の花を、道端にしばしば見かけました。ピンクがかった赤紫の珍しい花も数輪見かけたのですが、カメラで撮ると、どういうわけか青紫になってしまい、ピントもぼけてしまったので削除しました。

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 花盛りのセイヨウサンシュ(corniolo)の木もあちこちに立って、野山を彩っています。

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 プリムラ(primula)の花も標高1000〜1100m付近でよく見かけました。例年は、先ほど写真でご紹介したスミレといっしょに咲いていることが多く、プリムラはまだつぼみがあったので、山ではプリムラもスミレも、一番きれいな時期はまだしばらく先かもしれません。

 一方、これまではクロッカスは、標高1000〜1100m付近で見かけたことが多かったのですが、今回はその高さでは花の時期が過ぎようとしているところで、逆に以前はまれにしか見かけなかった山頂付近にたくさん咲いていました。

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 そうして、テッツィオ山では見かけたことがあるものの、フィオンキ山では初めてのこちらの小さな白いクロッカスも、昨日は、馬や牛がたくさん草を食んでいることが多い平地の近くで見かけました。

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 早春のまだ雪が残るシビッリーニ山脈でも見かけたことがある、イタリア語名をviola di monte「山のスミレ」というこちらのあでやかなスミレも、岩がちな斜面に咲いています。花の学名はViola calcarataです。

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 昼食休憩も含めて出発から約2時間半後に、ようやく目指すフィオンキ山の頂上が近づいてきました。

 クロッカスやスミレなど、花を楽しみながら歩いていきます。冒頭の写真に載せた急な斜面を、山を覆うように咲くたくさんのクロッカスの花に喜びながら、苦労して登り、

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まずはこちらの十字架の立つ場所まで登りました。けれども、頂上は前方に見える夫が歩いているその先にあります。

 視力のいい夫が、この尾根道の左手下方に

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シラー(scilla)の花が群れて咲いていると教えてくれたので、わたしも下っていって写真を撮りました。

 尾根道も山の右手の斜面も、冷たい北風が吹いていたのですが、左手の斜面へと下ると、山が遮ってくれるので風がありません。

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 おそらくはサハラ砂漠からの砂が空を覆っていたのでしょう。空は暗かったのですが、頂上付近からの眺めはすばらしかったです。

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 山を下って駐車した車まで戻ろうと歩いていたら、登山道にキアニーナ牛たち、牛が4頭います。うち1頭は少し遅れてゆっくりと歩いていました。そこで、わたしたちは右手の斜面を登って、牛たちを避けて遠回りをしました。

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 夫の車に戻ったときには、まだ日の入りには早かったものの、太陽が雲に隠れたためでしょう、向こうの空が赤らんでいました。

 久しぶりにフィオンキ山を歩いて、クロッカスをはじめ、たくさんの野の花や木の花を楽しむことができて、うれしかったです。1か月後には、冒頭の写真の斜面には、口紅水仙や蘭がクロッカスの代わりに咲き始めることでしょう。どうかその頃にも再びフィオンキ山に行くことができますように。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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ブログテーマ:2月3月見頃の花
Commented by kazureru914419 at 2024-03-19 09:47
山に花に良い日を過ごされましたね (^^♪
我家も最近は写真を撮りに行く時には2人で出かけてます!
(^^)/
Commented by koito_hari616 at 2024-03-19 14:12
こんにちは

自生、野生の花々が沢山咲いて春の訪れが分かりますね
青いお花が多いような目を引くのでしょうね
とても可愛いです♪
Commented by ciao66 at 2024-03-19 15:45
高い山でも春の花が咲き始めたんですね!
まだ雪でも残っているかと思うような1000m超えの所で。
もう様々な花を楽しめるとは、意外でした。
そんな中でもクロッカスも美しいですが、ミスミソウの青紫がとても綺麗だと思いました♪
いい山行きになりましたね!
Commented by milletti_naoko at 2024-03-19 18:02
kazureru914419さん、ありがとうございます。
写真を撮りに行かれるのも、ブログを読まれるのも
お二人でごいっしょとはすてきですね。
Commented by milletti_naoko at 2024-03-19 18:11
結うさん、こんにちは。ありがとうございます。
春から初夏にかけては、野山でも森でも次々に花が
咲いてきれいなので、散歩がさらに楽しみです♪
Commented by milletti_naoko at 2024-03-19 18:34
ciao66さん、クロッカスは雪がまだ残る山や森でも見かけることが
あるので、他の花に先駆けて咲くという印象があります。
今年は暖かいので、山でも花の季節が早いという印象を受けました。
そうなんです。色も姿もそれぞれが微妙に違うミスミソウの花が
しばしば道端や山の斜面に咲いていて、とってもきれいで、
花見も楽しめるいい山登りとなりました♪ ありがとうございます。
Commented by nonkonogoro at 2024-03-20 09:15
薄いクリーム色のプリムラ
可愛いですね~(#^^#)

naokoさんご夫婦は いつも
花がいっぱいの素敵なコースを
トレッキングされて いいですね。

昨日 今日と 寒い日が続いていて
今年の桜の開花は 遅くなるかもしれません。

ダウンコートはまだ 片づけられません。

Commented by katananke05 at 2024-03-20 10:58 x
車を止めた先から 少し登ったところでこんなに多くの野生の花が見られるなんて
なんて素晴らしい場所でしょう〜
私は派手な園芸種より このような自然の草花が好きなので
なんともうらやましいところです〜
最後の方のスミレなどはまるで園芸種のように ダブルの花で
素敵ですね〜
青い花にはとくに ひかれる カタナンケ です〜
Commented by milletti_naoko at 2024-03-20 16:35
のんさん、プリムラはスミレといっしょに群れて咲いている
ことが多いんです。このかわいいプリムラもスミレも、山の上では
もう少ししてから花がもっと増えていくのでしょう。

春の山は特に花が多いので、訪ねて歩くのが楽しみです♪
桜の開花は今年は遅れるかもしれないのですね!
Commented by milletti_naoko at 2024-03-20 16:43
katananke05さん、そうなんです。最後の急な登り坂までは
ゆるやかな道が続いて、しばらく歩くだけでたくさんの野の花に
出会えるので、しばらくはこうした花の美しい時期に感染下で
遠出できない年が続きましたが、久しぶりに行くことができてうれしいです。

自生の野の花たち、自然の中で季節が来ると、寒い中でもこうして咲いて
野山を彩ってくれて、わたしも見るのが楽しみです♪

このあでやかなスミレ、もっと標高の高い山では4月や6月になっても
見られることがあって、初めて一面に咲くのを見たときには感嘆しました。
Commented by sunandshadows2020 at 2024-03-26 12:47
こんにちは。
こちらでは園芸店で求める花達がそちらでは自生しているのに感激を覚えます。
ブログでしか知りませんが日本にもミスミソウは自生しているようです。
その可憐さがとても好きです。
Commented by milletti_naoko at 2024-03-26 21:19
お転婆シニアさん、こんにちは。
そうなんです! 春から夏の初めにかけて、低山では今の時期、
高い山では夏の初めまで、野の花が咲き乱れてきれいなので、
山歩きの楽しみが増えて、うれしいです。

わたしも砂漠に咲く花の数々の美しさに感嘆しています!
by milletti_naoko | 2024-03-18 21:02 | Umbria | Comments(12)