飛ぶ飛行機見ながら羽田でカツカレー 日本上陸初料理

　わたしが飛行機から日本に降り立って初めて食べた料理は、カツカレーです。羽田空港に到着してスーツケースを受け取って、全日空のカウンターで再度預けてチェックインしてから、松山空港行きの飛行機の搭乗時刻までには、時間にかなり余裕がありました。空港の案内所で、「保安検査場を通る前の方が通ったあとよりも、食事ができる店の数も種類も多いですよ」と聞いていたのですが、落ち着いて食事をしたかったので、保安検査を受けたあとで食事をすることに決めました。

　保安検査場を出たあとは、いったん松山行きの便が出る６５番搭乗口があるところまで行って場所を確認し、それから、ロビーの端から端まで歩いて、どんな店があるか見て回りました。飛行機の中の窮屈な席でずっと動けないまま飲んだり食べたりしたので、体を動かす必要も感じていました。
　ラーメンにうどん、寿司にカレーといろんな店が並び、価格もなかなかお手頃ではあったのですが、どうも心が決まらず、そのままどんどん左端まで歩いていくと、上階へと上って行くエスカレーターの下に、カフェの案内看板があります。そのカフェのメニューにあったカツカレーに魅かれて、いったんはその前を通り過ぎて、その奥まで歩いて見たものの、結局はそのエスカレーターの先にある店で、カツカレーを食べることにしました。

　ドリンクとミニサラダがついた１４８０円のカツカレーセットを注文して食べたのですが、食べ終えたあと、店の前に立てられたメニューの看板を見たら、１２５０円だか１２８０円だかで、カツカレーだけを頼むこともできたことが分かりました。

　ミニサラダはびっくりするほど小さかったのですが、少しでも野菜が食べられてよかったです。実は、カツカレーの店は搭乗口からもっと近いところにもあったのですが、「辛口」とあったので、そこでは食べなかったのに、このカレーもやはり辛口でした。と言うより、ハウスバーモントカレーの甘口で育ったわたしなので、辛口に感じられたのでしょう。でも、久しぶりに食べる日本の厚みのあるトンカツがおいしかったです。
　木の板が張られた店内の雰囲気もよく、何と言っても、やって来ては去って行く飛行機を見ながら食べられるのが気に入りました。

　わたしたちが乗ってきた青い期待のITA Airways、イタリア航空が、向こうからこちらへと

海辺に沿ってやって来て、イタリアへと飛び立つべく走っていくのも見ることができました。上の写真を撮ったのが１２時42分で、羽田発の予定時刻は１２時２５分ですから、イタリアに向かっては定刻どおりに出発した模様です。
　次から次へと飛んできて、走り去っていく飛行機を見ていると、なんだか飛行機が虫や鳥のような生き物のように思えてきました。
https://tokyo-haneda.com/shop_and_dine/detail/tenant_00207.html

　カツカレーに魅かれたおかげで、思いもかけず行き来する飛行機を見ながら食事をすることができて、うれしかったです。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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