恵みの雨降ってひんやり涼しい夕べ

　「どこに行くんだい。外はまだ暑いよ。」と義父に言われながら、昨日の午後は、ペルージャ駅近くの美容院に行きました。太陽が照りつけ、気温が体温を上回る暑さだったので、車はすぐ近くにあるスーパーの地下駐車場に駐車したのですが、その地下さえ蒸し暑いほどでした。美容院内はエアコンがかかっていたのですが、洗髪やカットのために着ることになったクロスが、分厚いレインコートのような生地だったために、スタイリングが終わって、クロスを取ってもらうまでは、蒸し暑くて困りました。

　美容院を出たあとスーパーで買い物をして、車で帰途につくと、あまりの暑さに道路を走る車さえ少ないからか、いつもなら車がひっきりなしに通っている道を、横断歩道のないところで渡る歩行者をあちこちで見かけました。いつの間にか空を雲が覆い始めていて、入道雲らしき雲もあったので、今日こそは予報どおり雨が降るかもしれないと思いました。

　夕方になると雷がとどろき始め、そろそろ降るかもしれないと思いながら、暑さを閉め出すために窓もよろい戸もすっかり閉め切った家の中にいたら、仕事を終えて帰ってきた夫が「雨が降っているよ」と言います。
　よろい戸と窓を開けると、雷が鳴り響く中、待ちに待った久しぶりの雨がざあざあと降っています。そうして雨のために気温が急速に下がり、外の空気がひんやりとしています。そこで、雷が鳴っている最中に窓を開けると雷を屋内に呼び込む可能性があるから危険とは知っているのですが、夫が窓を開けたがる上に、暑い日が続いて２８度になってしまった屋内の気温を下げるいい機会だと思って、家の中に雨が入らないように気をつけながら、よろい戸や窓を開けて回りました。

　長い間雨が降らず暑い日が続いたためでしょう、枯れて茶色くなったつぼみもいくつかある百日紅の上に、

日曜の町の丘（colle della Città della Domenica）に、そして、そのオリーブ園に、

庭のブドウやオリーブの木々に、雨が降り注ぎます。
　雨足が激しいときに撮影しては、カメラのレンズが濡れてしまうため、写真は雨足が少し弱まってから撮りました。

　２、３時間降り続けた雨がやんでから、家じゅうの窓を開け放すと、ひんやりとした空気が流れ込んできました。

　８時半を過ぎても、日曜の町の丘にはまだ雨が降っている風情でしたが、その雨もやがて上がり、晴れ間が見えました。
　最近では、水不足が問題になっているため、テラスの鉢や畑の作物には水をやっても、庭のバラやサルビア、ラベンダーなどには水をやっていません。いっときの雨と涼にわたしたちも一息つくことができましたが、緑の木々もきっと喜んでいることでしょう。
　今朝は再び太陽が勢いを取り戻し、ペルージャでは最高気温が３９度になるという予報を出すサイトもあります。今日から土曜まで留守にしている間、テラスの鉢たちや畑のトマトが、どうか暑さを乗り切って元気でいてくれますように。
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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