イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

水清きヴィッソからアザミ咲く山歩きノルチャへとカステッルッチョの高原通って

 7月27日土曜日は昼食後、ヴィッソから山の高みへと登り、シビッリーニ山脈の最高峰であるヴェットーレ山(写真左)やカステッルッチョの高原を奥に見晴らしながら、

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Monti Sibillini 27/7/2024

少しだけ山を歩きました。標高1500m近い峠でさえ、35度という暑さだったので、できるだけ涼しい高みへと、標高約1650mにある駐車場まで車で行って、そこからゆるやかな坂道を登っていきました。

 この頃にはまだ、薬草でもあるセイヨウノコギリソウ(achillea)があちこちに咲いていました。

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 このとき一番よく見かけたのは、そして8月下旬になっても元気に咲いているのは、暑さにも水不足にも強いアザミ(cardo)の花です。

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 雨が降らず暑い日が続いていたのですが、このときも、そして先週の土曜日も、

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ヤナギラン(epilobio)の花が見られて、うれしかったです。

 もっと標高が高くて涼しいアルプスやアブルッツォ州のグラン・サッソでは、花の丈がもっと高く、数も多いのですが、シビッリーニ山脈にも咲いていてくれるのだと思うと、うれしいのです。

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 上の写真で中央奥に見える山がポルケ山(Monte Porche、2233m)です。いつか登頂したいと長い間思いつつも、途中から雷雨になったり、雪道を歩いていたら風が激しくなったりと様々な理由で、いまだに山頂まで登れていません。

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 この日は、確かこのあたりまで進んだとき、

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後ろをふり返ると見えるなだらかな山の上に

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いた羊の群れが、わたしたちのいる方へと山を下り始めていたのに、夫が気づきました。そこで、群の近くには羊飼いもいたものの、牧羊犬に取り囲まれたり吠えたてられたりしてはいけないからと、このあとすぐに来た道を引き返しました。

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 というわけで、歩いた距離は4km足らずだったのですが、それでも行きが登り道で心拍数が高かったおかげで、ペルージャのいつもの散歩道を5km歩くのと同じくらいのカロリーを消費できました。

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Visso (MC), Marche

 この日わたしが、昼食をヴィッソの池のほとりのピザ屋で食べようと提案したのは、



水が清らかで美しい池の眺めが好きで、店のピザがおいしくサラダも食べられるからだけではなく、「食後にたくさん歩くから、モッツァレッラやピザのカロリーが高くても消費できるだろう」と考えていたからなのですが、結局は思っていたほど歩けませんでした。

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Norcia (PG), Umbria

 もともとこの日、シビッリーニ山脈へと向かったのは、午後10時からガイドつきの夜間トレッキングに参加するためだったので、「どうせ夜も歩くのだから」と夫は言っていました。ただし、この夜間トレッキングでは、しばしば立ち止まって、夜空を眺めながら星や星座について教えてもらうことになっていたので、歩く距離もそれほどではなく、ゆっくり歩くのだということは分かっていました。

 このトレッキングの出発地点が、ウンブリア州のカッシャとノルチャのちょうど中間地点にある峠だったので、この晩、わたしたちはノルチャに泊まりました。

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 そこで散歩のあとは、シビッリーニ山脈の高峰の間に広がるカステッルッチョの高原を、マルケ州マチェラータ県側からウンブリア州ペルージャ県側へと移動し、上の写真で奥に見える丘の上に建つカステッルッチョ・ディ・ノルチャの中心街の近くを通り、

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まずはピアン・グランデ(Pian Grande)へと丘を下り、

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 カステッルッチョの高原を通り抜け、山を下って、ノルチャに向かいました。

 6月下旬以降、この高原を彩って美しかったであろうヒナゲシなどの野の花は、7月に入って名産のレンズマメが収穫されたときにいっしょに刈り取られてしまい、今は草地が広がるばかりですが、そういう風景もまた、夏のこの高原らしいです。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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ブログテーマ:身近で見かけた夏の動植物
Commented by getteng at 2024-08-31 09:06
naokoさん
イタリアの自然って凄いですね。
ところで、こういうところには猛獣はいませんか?
貴国にはどういう動物が生息しているのか全く知識がありません。
Commented by pothos9070 at 2024-08-31 11:24
こんにちわw
標高が1500メートルでも35℃の気温なんですね。
なかなか暑そう💦
でもお写真拝見する分には、とっても爽やかな感じがします。
ポルケ山、いつか登れたらいいですね(^-^)
Commented by ciao66 at 2024-08-31 15:54
ここはヒナゲシが咲き、レンズマメが実る所だったんですね!
今は何もありませんが、この変化には不思議な感じもします。
秋になればどうなるのでしょう?
念願のポルケ山、いつか行けますように!


Commented by milletti_naoko at 2024-09-01 02:12
gettengさん、イタリアではクマは一度は絶滅しかけたこともあり、
今は数が増えてきているものの、幸いそれでも、マルケやウンブリアの山
では、出くわしたと聞いたことがありません。
ただ、オオカミはペルージャの山の家がある山にさえいるほど、最近は
数が増えています。
Commented by milletti_naoko at 2024-09-01 02:16
ぽとすさん、こんにちは。この頃はあまりの暑さに高い山へと向かったのに、
日の当たるところは標高が高くても暑いので驚きました。
帰り道は雲が日陰を作ってくれたので助かりました。
ありがとうございます。いつか登ることができますように!
Commented by milletti_naoko at 2024-09-01 02:25
ciao66さん、収穫が終わると、畑に咲いていた野の花も姿を消す上、
酷暑で雨が降らないので、今の高原はこういう風景になっています。
秋になるとまた草が高くなってくるのだったような……
ありがとうございます。いつか山頂まで登れる日が早く来ますように。
Commented by meife-no-shiawase at 2024-09-01 12:01
すごい〜たくさんの羊。
なるほど羊なら大丈夫そう・・・って思ったのですが
牧羊犬は自分たちの任務のために吠えることはありそうですもんね。
賢明な判断でしたね。

私も、この後歩くから大丈夫・・・
とか思いながら、ちょっといつもよりカロリー高めだったり
量を多く取ることってあります。(笑)

池の水に映っている風景がまた神秘的で美しいですね~。
池の真ん中から吹き上げているのは自然の噴水でしょうか?!
Commented by milletti_naoko at 2024-09-01 22:56
メイフェさん、そうなんです。体は大きくても、雄牛さえいなければ、
牛や馬の方が放牧された群れに会っても安全なんです。
牧羊犬も羊の群れを守るのが仕事なので、人を見ると駆けてきて吠える
のも仕事のうちなのでしょうが、安全そうな人とそうでない人の区別を
つけて対応してくれればいいものの、難しいですよね。

歩く予定で食べたのに思ったほど歩けないのは困りますよね。
最近そういうことが多いです。夫が金曜のテニスでどこかしら痛めたり
疲れたりしていて歩きたくはないのに、外には出かけたがり外食を
したがったり余儀なくされたりするので、なおさらのこと。

ありがとうございます。この池、清らかな水と水面に映る景色がきれいで、
行くたびに周囲を歩いて、歩くたびに変わっていく水面に映る景色も
楽しんでいます。共感してくださったと知って、うれしいです♪
噴き上げている噴水は、おそらく人工的に設置されたものだと思います。
by milletti_naoko | 2024-08-30 23:28 | Viaggi | Comments(8)