イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

観光客の過剰な殺到が心配ラシッリャ カステッルッチョも

 ペルージャからセッラーノに向かうときは、村じゅうを清らかな水が流れて美しいラシッリャ(Rasiglia)のすぐ近くを通ります。

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Rasiglia, Foligno (PG), Umbria 26/8/2023

 初めて訪ねた2017年には、風情ある美しい村の風景と雰囲気を十分に楽しむことができたのですが、最近ではすっかり観光地化してしまい、去年訪ねたときにも晴れていたので水がきらめいて美しかったものの、あまりの人の多さに驚きました。 ウンブリア州に住んでいてさえ耳にすることが少ない小さい村であったのに、去年には、エミリア・ロマーニャ州の友人がぜひとも訪ねたいと言うほど、名が知れわたっていました。

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 そうして、今日は8月最後の土曜日でまだ観光客や休暇中の地元の人も多いからなのでしょうが、車で通りかかったとき、かつては静かだった村の通りが、繁華街やラッシュアワーの駅のように人であふれ、広い駐車場もあるはずなのに、道路沿いにも何十台もの車が駐車されていました。そこで、ひっそりと静かであることも魅力だった村なのにと残念に思いつつ、車で通り過ぎました。そう言えば、昨日の記事で言及したカステッルッチョ・ディ・ノルチャも、高原や中心街の観光案内だけがひどく行き届いてしまったためか、6月末から7月初めにかけての野の花の美しい時期は、人と車の多さに嫌気が差して今では天気が悪そうなときでもなければ足が向きません。カステッルッチョの中心街は、イタリア中部地震の被害が大きいために再建が遅れているにも関わらず、丘の上の広場近くの駐車場や店は、週末の繁華街のようなにぎわいぶりで、本来の村の風情をだいなしにしてしまっているように思われ、残念なことです。

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 過疎化が進んでいたであろうラシッリャや、地震の被害のあとの復興が遅れているカステッルッチョでは、観光客の訪れや人々の注目はきっとありがたいことだと思うのですが、何事にも限度というものがあるように思います。他にももっと魅力的な美しい場所がウンブリアにはたくさんあるので、人気があるからと一部の場所にだけ殺到することなく、じっくりといろんな場所を訪ねてほしいなあと、そんなふうに考えるのですが、現実にはそうも行かず、難しいものです。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by getteng at 2024-09-02 06:21
naokoさん
世界各地の観光地はオ-バ-ツ-リズムの問題を抱えているようですね。
さはさりながら、来るな!というわけにもいかず。。。
Commented by tawrajyennu at 2024-09-02 09:15
おはようございます♪

観光で村が潤うのは、それはそれでよいのかもですが・・・
観光客で溢れ、村の良さでもある静けさが無くなるのは、
なんとも言えませんね。
日本でも、今年は特に円安が影響してか、海外からの観光客でオーバーツーリズムが問題になっています。
日本食が人気で、昨年の収穫高が少なかったせいか、お米が不足・・・
スーパーの店頭に、お米がない状態が続いています。
観光と、地元の人たちの生活・・・両方がうまくいく方法があると良いのですが。
Commented by nonkonogoro at 2024-09-02 09:40
京都も 以前からは想像もできない程
大混雑状態になっています。
ほとんどが海外からの旅行者ですが。

イタリアの場合は
国内の方が多いのかな?
海外の方だったら 有名な場所から先に
訪れますよね。

地元も活性化する為に
広報活動に力を入れ出したせいもあるのでしょうね。
Commented by PochiPochi-2-s at 2024-09-02 10:15
おはようございます。
最近はどこの国でも、どこの場所でも同じような現象が起こっていますね。
日本も同じです。
京都奈良は仕方がないにしても、5年ほど前のことになりますが、
冬季の、松本新穂高温泉間のバスが外国人観光客で満員でびっくりしたことがあります。
上高地の帰りで中の湯温泉前から新穂高温泉行きのバス乗ったのですが、
「ここはどこ?」というくらい外国人ばかりでした。

この観光ブームは一体どうして起こるのでしょうか?
Commented by koito_hari616 at 2024-09-02 11:54
こんにちは

清らかな水が流れていて美しい町なのです

インバウンド公害、日本も小さな町でもありますし
京都なんて電車で30分で行けるのですが
余りの観光客で行く気が失せます。。(泪)
Commented by ciao66 at 2024-09-02 15:56
静かだった村の通りが、
繁華街やラッシュアワーのように・・・
まるで、トレヴィの泉のようです。

本当にずらっと人が並んでいると、
せっかくの雰囲気は台無しで、
まったく楽しめませんね。
街の人も大迷惑でしょう。

いっそのこと、
街の入り口で入場税でも徴収して、
金額は少し高めにして、
それを復興に充てるといいかも、
と思ったのです。
既に検討されているかもしれませんが・・・
Commented by katananke05 at 2024-09-02 22:36 x
日本でも今円安の影響で インバウンドの多さに 
ホテル代も高騰 食事代もたかく、、と 潤う町は歓迎でしょうが我ら日本人観光客は 困ります〜
近くの鎌倉など 昔から観光客はおおかったですが 今は
お店が 若い人向けの原宿みたいに 変わったりして 古都の面影がなくなりつつあります、、
がっかりですよ、、
Commented by milletti_naoko at 2024-09-02 23:41
gettengさん、ちょうど「いい加減」というのは
何においてもどこにおいても難しいのですね。
Commented by milletti_naoko at 2024-09-03 00:14
タワラジェンヌさん、こんにちは♪
日本でもそんなにいろいろな問題が起こっているのですね。
地元の人の暮らしが守れて、かつ観光客が適度に
訪れてくれるようであればいいのですが、難しいものですね。
Commented by milletti_naoko at 2024-09-03 01:32
のんさん、多くの人が世界中から来てくれるのはうれしい
一方で、暮らしや町の雰囲気まですっかり変わってしまうのは
困りますよね。

イタリアでもフィレンツェやベネチアだと海外からの観光客が
今は特に多いと思います。海外からは今の時期でないと休みが
取れない人が大勢来ている一方、イタリア人はまずは海、次は
山を、芸術の町よりも夏の旅行先として好むとのことですから。
Commented by milletti_naoko at 2024-09-03 01:40
PochiPochi-2-sさん、こんにちは。
日本でも季節や名だたる観光地ばかりではなく、
冬にそうした地方の温泉行きの交通機関でまで
そういう状況になっているとは!

SNSやインターネットの発達とも関係があるのでしょうか。
不思議ですね。
Commented by milletti_naoko at 2024-09-03 01:48
結うさん、こんにちは。
こんなふうに清らかな水が美しい場所が、ウンブリア州にも
お隣のマルケ州にもあちこちにあって、ありがたいです。

京都は今外国からの観光客で大変な事態になっているようですね。
何事も過ぎたるは困りますよね。
Commented by milletti_naoko at 2024-09-03 01:56
ciao66さん、観光客が極端に増えることによって町の人の
暮らしが脅かされる危険については、かなり昔にテレビ番組で
見たことがあり、そのときは特にベネチアについて話していたのですが、
まさかウンブリア州のしかもかつては知る人もなかったであろう小村で
こんな事態になろうとはと驚きました。

カステッルッチョは野の花が美しい頃の週末は、周辺での駐車を禁止して、
数十分離れた他の村からシャトルバスで旅行者が来るようにしている
のですが、ここでもそうした何らかの方法が必要になってくるかも
しれませんね。
Commented by milletti_naoko at 2024-09-03 01:59
katananke05さん、なるほど、逆に海外の人は、
日本での食事も観光も安いからと円高を利用して、いつにも
まして訪れているかもしれませんね。

鎌倉は中学生の頃、東京の中学校からの遠足で訪ねたきりで、
懐かしいです。あの頃とはかなり変わってしまっているのですね。
Commented by sora_m_kumo at 2024-09-03 17:06
日本の山小屋でも外国人が多くて驚きます。
Commented by milletti_naoko at 2024-09-03 22:28
sora_m_kumoさん、そうなんですね! SNSの発達も関係あるかもしれませんね。
Commented by meife-no-shiawase at 2024-09-06 15:00
どこも同じなのでしょうか・・・
やはりコロナが収束したあとは、皆がそれまでの我慢を
爆発させた感じで、旅に出ていたりしますね。
日本もあちこちの外国人観光客でびっくりします。

インバウンドのメリットもありますが
悪いところばかりが見えてしまうのは何か残念ですね。
Commented by milletti_naoko at 2024-09-06 18:52
メイフェさん、イタリアでは観光が支えている地方や、観光に
過疎化から救ってもらった村や町もある一方、観光のために住民が
暮らしづらくなっている町があるのですが、そういう地域が
日本にもかなりあるようですね。日本はもともと、おそらくは人件費が
あまりにも安いために外食が安く、円安で外国の人に旅行しやすく
なったことも、日本人気に加えて、日本への旅行者が増えている一因でしょうし。

6月に歩いた長距離周遊トレッキングコースでは、このコースのおかげで
地域が豊かになったり過疎化から救われた村があったりして、皆が喜んで
いるのですが、何事もバランスは難しいですね。
by milletti_naoko | 2024-09-02 06:13 | Umbria | Comments(18)