今年の夏は猛暑が続いた上に雨がほとんど降らず、いつもなら畑で採れるナスやピーマンが収穫できず、かつては消費に苦労していたズッキーニやキュウリも、真夏になって以降は食べられずにいました。それで、夏が終わってしまう前に夏野菜をもっと食べたいと思い、スーパーで買ったとたんに、時々雨が降るようになりました。すると、気温も少し下がったからか、畑でもズッキーニやキュウリが採れるようになり、外食が続いたために、冷蔵庫が夏野菜でいっぱいになってしまいました。
というわけで、少し気温が下がり、長時間ガスコンロの前にいても、以前ほどつらくなくなったからと、
昨夕は、夏野菜をたっぷり使って作るマルケ州の小村、ウルバーニアの素朴でおいしい家庭料理、ブルセーガ(brusega)を久しぶりに作ってみました。
まずはオリーブオイルで玉ねぎをじっくりと炒めたあと、さらにナスを加えて炒め、以後、順に別の野菜も加えていきます。調味料は塩とオリーブオイルとオレガノだけで、水やワイン、酢などを加えることなく、野菜自体の水分で煮込んでいきます。(詳しいレシピは下のリンクを参照のこと)
よく似た料理であるカポナータやラタトゥーユに比べて、味つけも調理法も素朴であるおかげで、野菜そのものの味が十分に楽しむことができます。またナスを揚げず、ワインを使わないので、カロリーも抑えることができます。
わたしがイタリアで暮らし始めた2002年から半年通ったマルケ州ウルバーニアにあるイタリア語学校には、イタリア料理の教室もありました。確か夏の間だけこの料理教室にも通ったのですが、このブルセーガは、その教室で教えてもらった料理の一つです。brusegaというのはウルバーニアの方言で「混乱」という意味です。夏野菜を混ぜて作るため、そういう名前なのですが、実はペルージャにもよく似た料理があり、今は亡きお義母さんは、さらにジャガイモも加えて作り、バンディエーラ(bandiera)と呼んでいました。野菜の色が緑・白・赤で、イタリアの国旗、旗(bandiera)の色なので、そう呼ばれるようです。
5年前の記事では、緑のピーマンを使ったので、料理が緑っぽいのですが、昨日は大きな赤いピーマンを使い、生のトマトの代わりに、数日前に開けた昨年作っておいた保存用トマトソースの残りを使ったので、全体的に赤っぽくなりました。
できたてを熱いうちに、野菜のつけ合わせとして食べてもいいし、パスタと和えたり、パンやごはんと食べてもおいしい上に、翌日、冷たいまま食べても温めて食べてもさらにおいしいので、たくさん作っておくと便利です。ナスは好きではない夫も、ブルセーガを作ると、おいしいと喜んで食べてくれます。
一方、キュウリは、小さく細く刻んで少量だけをサラダなどに混ぜても、夫が味を好まない上に、消化ができないと嫌がります。というわけで、買った上に義父からも畑で採れたキュウリをもらい、たくさんあるキュウリをどうしようと、
先日は一人だけで昼食を食べたときに、有機の豆腐とキュウリを主に使い、ニンジンや赤玉ねぎも加えてサラダにして、冷やし中華風に味つけをしてみました。砂糖は抜いて、しょうゆ大さじ1杯、リンゴ酢大さじ1杯、ごま油大さじ2分の1だけを使い、砂糖がないので火にかける必要がなく、それぞれを直接サラダの上に回しかけてから、ふだんサラダを味つけするときのように、スプーンとフォークでよく混ぜ合わせました。
簡単にできて、豆腐とキュウリがたくさん消費できる上に、ふだんの一人分のサラダの味つけ(オリーブオイル8ml、リンゴ酢4ml、塩少々)よりも油の量が少なくなるので、脂質やカロリーも抑えられます。何よりも、これなら単に健康のためというだけではなく、おいしく食べられるのがありがたいです。
さて、今日は夫が在宅勤務なので、二人でいっしょに昼食を食べました。明日の晩は、夫たちの古くからの友人といっしょに外食に行くことになっているので、そうするとピザや肉料理になるからと、ひよこ豆を料理しました。若い頃に友人たちとインドに旅行して長く滞在もした夫は、カレー風味は好きなので、カレー風に味つけし、タンパク質が不足気味になるかと、少しだけ残っていた七面鳥の胸肉も加えて煮込みました。
それをブルセーガの残りといっしょに食べたら、胸肉はわずか40gで、ひよこ豆もそれほどタンパク質の割合は高くないのに、野菜をたくさん使ったおかげで、昼食で摂取できたタンパク質が27gと比較的多めになったので驚きました。
とこんなふうに、夏野菜を消費し、外食が続いて増え気味の体重と体脂肪率をなんとか下げようと、努力しているところなのですが、かつおいしくも食べられる方法があれこれ見つかって、ありがたいです。Articolo scritto da Naoko Ishii
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