イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

オルヴィエート大聖堂前の花嫁さんと金婚式の言葉と鮭ざんまいのおいしい和食

 昨日の夕方、オルヴィエートの大聖堂へと歩いていくと、

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Orvieto (TR), Umbria 16:55

ドゥオーモの前に新郎新婦がいて、結婚式の招待客らしき人に囲まれています。

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 大聖堂の前には、花嫁を運んできたであろう白い花やリボンで飾られた車もとまっていました。

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14:50

 冒頭の写真の2時間前、こちらの写真の菩提樹の日陰で、ベンチに腰を下ろして夫とおしゃべりをしていたら、夫が花嫁さんを乗せた車が通るのを見たと言っていました。立っていた夫に話をするために、上を見上げていたわたしは、残念ながらその車は見ていません。

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 カトリック教会での結婚式は、新郎が祭壇の前に立って、新婦が教会に到着して祭壇まで歩いてくるのを待つという形式を取ることが多いように思います。というわけで、冒頭の写真では新婦がすでに新郎の横に並んでいるので、どこか別の場所での結婚式が終わったあとで、あるいはその前に、記念の写真を撮っているのかもしれません。式が別の場所だとすると、明らかにこの結婚式のためらしい車が2台も大聖堂の前に並んでいるのは不思議ですし、大聖堂で結婚式が行われたあとにしては、参列客が少ないように思うので、実のところはなぞであります。

 ロマンスコメディでは、主人公たちが結婚してハッピーエンドで物語が終わり、おとぎ話では、結婚式のあとは「いつまでも幸せに暮らしました」と物語が締めくくられるのですが、実際には結婚式は、二人の生活の新しい始まり、二人での新しい人生の始まりです。

 8月に参加した夫のいとこの金婚式での、神父さんの説教の言葉が心に響きました。

 「最近では、少し気に入らなくなれば、ものは買い換えればいい、人も別の人を見つければいいという風潮があって、ものに限らず人でさえ、インターネットでいくらでも新しい、自分に合った人が見つかると考えて別れてしまう場合が少なくありません。けれども、夫婦の間では、欠点や困ったところや行動を、お互いに大目に見て許し合っていき、そんなふうに相手を大切に、愛しく思い続けることが必要なのです。」

 1か月が過ぎた今では、正確な言葉は覚えていないのですが、オルヴィエートで新郎新婦を見かけたのを機に、忘れてしまわないように、ここに記しておきます。

 「新郎はなかなか気難しい性格なので、50年間も共に寛容に歩き続けた奥さんを、聖ペテロはきっと天国の扉の傍らで笑顔で迎えてくれることでしょう」

などと冗談も交えて語るほど、神父さんはいとこ夫妻をよく知っていたようです。

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 うちの夫も気難しくて、なんでこんなことを言うのかなあという物言いをすることが時にあるのですが、『星の王子さま』の言葉ではありませんが、そういう時折の困った物言いはともかく、昨日も久しぶりに日本料理が食べたいというわたしとオルヴィエートに行ってくれたりと、行動をしっかりと見れば、やはり優しい、ずっと大切にしていきたい人なのです。

 昨日は朝夫が、プラスチック用のゴミ箱に、いつものように瓶を押しつぶさずにそのまま捨てようとするので注意したら、言い返してきたのでそれでケンカになって、そんなことまで言うとはひどいということまで言ってきたのですが、生まれ育った環境も、好みも習慣も違う二人なのですから、気づかぬうちに傷つけたり嫌な思いをさせたりしていることが、わたしの側でもきっと少なからずあることでしょう。

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Nihori Ristorante Sushi Giapponese, Orvieto (TR), Umbria

 鮭たっぷりのおいしい寿司や刺身をいっしょに食べながら、あと何年か分からない、いっしょに過ごせる時間を大切にして、優しくありたいと思ったのでありました。

 お気に入りの日本料理店、Nihoriのランチメニューで、昨日は夫が gunkan を初めて選んで食べたのですが(すぐ上の写真)、これもなかなかおいしそうでした。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by koito_hari616 at 2024-09-15 20:52
こんにちは

素晴らしい大聖堂、カテドラル教会、流石です
花嫁さんを見たかったですね、惜しかった。。

金婚式の祝別のミサを授けて下さったのは従姉さんの神父様だったのですね
神父様の言葉は確かに身に沁みました、私も
私もオットに腹立たしいことが多くありますが
多分私も同じようにオットに不快な思いをさせていると思います
最近、そのように思う事がしばしばあります💦
聖ペテロの天国の門はペテロは天国の門の鍵を持っているのです
ご存じのことだと思いますがマタイ伝に記されています、そのユーモアなんですね
でも。。。奥さまが後なのでしょうか?面白い( ̄m ̄〃)ぷぷっ!
日本でも「お前100までワシは99」とか言いますから

お互いに思いやりを忘れないようにですね
言いたいことは言った方が良いと、おもいます
相手を傷つけるような言い方はいけないけれど、思っていることは言った方が良いですよ
分かってもらわないと長続きはしないと思います

なおこさんがお好きなサーモンのお寿司、美味しそうです♪

Commented by katananke05 at 2024-09-15 21:20 x
我ら夫婦はもう金婚式すみましたよ〜
我が夫は 気配りとか その先を見通して考えるとかが ちょっと足りなくて、、
例えば 車を駐車するにも 昔は空いてるロットを見たら すぐにそのまま頭から入れる、、とか
(前が車の多い道路なら 出る時に往生する〜)
雨が降ってきて 窓の外すぐに洗濯物があるのに その先の降ってる雨を見て
「雨降ってきたねえ」と その感想だけとかm、
で 最近やいのやいのいうので小言が多くなった、、というから
この先 「あなたが亡くなったらワタシは晩年は小言ばかり言ってた」とじぶんが後悔するだろうから
その後悔させない様に ちょっと周りにも気を遣って、、と言いましたよ〜
優しい人なんだけど ほんと気が回らなさすぎる、、 やれやれなんですよ〜
Commented by getteng at 2024-09-16 08:35
naokoさん
あなたがたご夫婦も、このような教会で厳粛に式を挙げられたのでしょうね。
貴国での式に招待された方たちの服装には制限がないのですか?
かなり自由だと思うのですが。。。
Commented by nonkonogoro at 2024-09-16 09:35
なんでも自分の思い通りに行動したり 話したりしてくれる人は まあ いないのでしょうね。
私は あれこれ ずっとたくさんのことを我慢してきたと思っていますが 夫もそう思っているのかもしれません。

加齢と共に 我慢ということが
段々できにくくなってきたように思います。
それでも 一人より二人~
私にできないことが 夫にはできたり
夫にはできないことで 私ができていることが
きっとあるのだと思います。
Commented by milletti_naoko at 2024-09-16 17:51
結うさん、こんにちは。
崖下を一周して疲れてはいましたが、せっかくだからと
大聖堂まで足を運んだおかげで、美しいファサードと
新郎新婦を見ることができました♪

いとこは教区教会の助祭を務めているため、その教会での
金婚式のミサのあと、祝いの宴にと修道院に移動しました。
そういうこともあっていとこ夫婦をよく知っているようです。
神父さんはそれだけ奥さんがえらいと言いたかったのですが、
奥さんの方は「そこまで性格が難しいことを誇張して皆の
前で言わなくとも」とあとで苦笑いしていました。
おっしゃるとおり、お互いに思っていることを言うことも
とても大切だと思います。

鮭づくしの昼食、久しぶりの鮭のカルパッチョや寿司・刺身が
とてもおいしかったです♪
Commented by milletti_naoko at 2024-09-16 17:58
katananke05さん、長年歩みを共にされている大先輩ですね!
車を頭から駐車するというのは、日本では後のことを考えてあまり
しないように思うのですが、うちの夫もいつも頭から入れるので、
帰りは暗くなって後ろを通る人や車が見えにくいのにとよく注意
するのですが聞き入れません。前が車の多い道路ならなおさらですよね。
洗濯物があるのに雨が降っても取り込んでくれないなんて!
お互いにちょうどいい塩梅を心がけながら、さじ加減に気をつけつつ
あれこれ言ってみることが大切なのでしょうね。
Commented by milletti_naoko at 2024-09-16 18:00
gettengさん、招待された人の服装にはマナーがあり、
教会に入るにも規定があるのですが、秋の週末もまだまだ
オルヴィエートは観光客が多いので、自由で楽な格好をしている
人はおそらく近くを通っていた観光客ではないかと思います。
Commented by milletti_naoko at 2024-09-16 18:01
のんさん、ありがとうございます。
許しあい助け合い、共に手を取ってずっと歩んでいく、
とてもすてきですね。
by milletti_naoko | 2024-09-15 19:34 | Umbria | Comments(8)