岩の上の中世の村のY字路と猫 トスカーナ州マレンマの村ロッカテデリーギ

　昨日、９月２９日日曜日の朝は、３日間滞在したトスカーナ州マレンマの村、アルベレーセを後にしてペルージャに戻りました。強風や高波のために泳ぐことができぬまま海辺で過ごし、実は日曜日は気温こそ下がったものの、ようやく風も波も穏やかになり、天気はよくて、水は冷たかろうものの泳ぐにも日光浴にもよさそうだったのですが、帰り道も長く泳いだあとシャワーを浴びることもできないからと、観光によさそうな風情のある村を地図やインターネットで選んで、寄り道して帰ることにしました。

Roccatederighi, Roccastrada (GR), Toscana 29/9/2024

　岩の上に中世の町並みが築かれたロッカテデリーギ（Roccatederighi）がよさそうだと、夫の希望で訪ねることにした村は、

２年前に訪ねて、やはり岩に築かれた町並みと見晴らしが美しかったロッカストラーダ（Roccastrada）に属する集落です。訪ねがいのある魅力ある村で、いつかじっくりご紹介するつもりですが、昨晩は遅くに帰宅してすっかり疲れていて、今日はゆっくり写真を選んでいる時間がありません。

　そこで、ぽとすさんのこちらの記事やその次の記事に想を得て、今回はロッカテデリーギの中でも、特にY字路と猫にしぼって簡単にご紹介することにしました。と言っても、Y字路に猫がいるわけではなく、それぞれ別の写真となります。

　イタリアの古い小さな村でも、時々Y字路に出会うことがあります。昨日、ロッカテデリーギで出会ったY字路は、こんなふうにアーチをくぐったところにありました。Yと言っても、この場合は、左手の道はしばらく歩いた先で左へと曲がっていますし、

このアーチの手前、つまり、Yの下部の直線にあたるところには、右手に上へと伸びる

階段があったりはするのですけれども。
　岩に建てられているためでしょう、こんなふうに土地を最大限に利用しようという昔の人の工夫がおもしろく、風情があるなあと思いました。

　一方、猫の方には、このあたりを歩いていたときに出会いました。右に見える、岩を削って造られた階段と、左手に見えるアーチを共にカメラに収めて撮影しようと考えていました。
　そうしたら夫に、「写真を撮るから、（先ほど降りたばかりの）岩の階段を少し上ってよ」と言われたのですが、村じゅうを上ったり下ったりして疲れていたので、「わたしが撮るから、あなたが上ってみたら」と応じたら、

こちらの猫の君が通りかかってくれたのです。これで、猫といっしょに、夫もわたしもいい写真が撮れると思っていたら、

こんなふうにちょうどいいところに寝そべってくれさえしました。
　けれども、どうもこれはなでてほしいということだろうかと、撮影したあと近づくと、猫は立ち上がって移動してしまいました。

　その移動のおかげで、後ろにある岩の上に突き出たかに見える剣に気づき、夫がポーズをとるのを撮影したりもしたのですが、その写真はまた夫の許可を得られたらご紹介することにいたします。
　寝そべる姿がかわいらしく、今度は夫にもわたしにもなでさせてくれたのでありました。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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