イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

岩の村登れば広場にテーブル並び結婚披露宴 ロッカテデリーギ

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 トスカーナ州マレンマ地方、グロッセート県の岩の村、ロッカテデリーギ(Roccatederighi)は、車で向かうわたしたちの前に、こんなふうに姿を現しました。

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Roccatederighi, Roccastrada (GR), Toscana 29/9/2024

 緑豊かな丘の高みに建物が横一列に並び、右手の大きな岩がところどころにある高みに中世の町並みが見えます。一方、左手の低くなっているところには現代になって建てられたらしき建物が並んでいます。

 夫がコーヒーを飲みたいと言っていたので、バールを見つけてその近くに駐車すると、そのバールはちょうど新しい町と古い町の接するあたりに建っていて、「歴史的中心街ですか。すぐそこの坂道を下っていって、下りきってから坂を上れば行くことができますよ」と、店の主人が教えてくれました。

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 教えてもらったとおりに坂道を下っていくと、岩の上に建つ時計塔(Torre dell'Orologio)のすぐ下に教会があります。教会の中を見たあと、

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こちらの門から歴史的中心街に入って、坂道を上っていきました。

 ちなみに、この写真の奥に見えるアーチの向こうに昨日ご紹介したY字路があります。



 この門を通ってから後ろをふり返ると、

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門の向こうに新しい町が見えました。

 この中世の地区(borgo medievale)は、北東から南西へと伸びる丘の東の斜面にあり、道の両側に高い建物が並んでいます。そのため、わたしたちが訪ねた午後3時過ぎには、丘の稜線にある通り以外は、大半が日陰になっていました。

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 坂道を上っていくと、前方に2枚目の写真に写る時計塔が見えてきました。

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 日中は暑かったのですが、日陰のおかげで登りが続いても暑さに苦しまずに済みました。

 このあとさらに登った先には、

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https://www.google.it/maps/

 こちらの美しい広場があり、左に道が続いていたのですが、この日はこの広場を訪ねて撮影することも、左の道を歩いていくこともできませんでした。

 中央の一段高くなったところに新郎新婦がいて、広場には長いテーブルがいくつも並び、結婚式の披露宴の真っ最中で音楽が流れ、大勢の招待客たちが食事をしていたからです。

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 邪魔になってもいけないし、プライバシーの侵害にもならぬように、会場を急ぎ足で通り抜けて、時計塔へと階段を上ったのですが、遠く離れたところから一枚だけ写真を撮りました。

 わたしたちが広場を横切って階段を上っていったときにはテーブルに二人並んで座っていた新郎新婦が、わたしたちが階段を下ったときには、





大音響でこの歌が流れる中、上の映像でも途中から見られる踊りを、招待客たちの拍手喝采を浴びながら、二人で踊っていました。Mi piaci「あなたが好きなの」という歌詞は、新婦新郎の晴れの日の心そのままだったことでしょうし、朗らかでちゃめっけたっぷりのメロディーや踊り方と、ウエディングドレスとスーツ姿の二人の対照も、ほほえましかったです。

 夫が生まれ育ったテッツィオ山の小さな村でも、かつてはことあるごとに村じゅうの人々が広場に集い、音楽を流して踊ったりしていたそうです。今になっても、歴史ある小さな村の広場に大勢の人が集まり、笑顔で結婚を祝っている様子がすてきだなあと思いました。

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 時計台からの眺めもすばらしかったです。

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 時計台まで登ったあとは、先ほど上ったばかりの道を下り、

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別の場所から丘の稜線にある通りに出ました。

 太陽が輝き、教会の鐘楼が通りの奥に見えています。冒頭の写真では町並みの右端に写っている教会の鐘楼です。

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 この教会の前の広場のすぐ向こうにも大きな岩があり、二人の人が登って写真を撮っていたので、その人たちが写らないように撮影しました。

 このあと、上の写真の教会の鐘楼のすぐ向こうにある眺望のすばらしいところも訪ねたのですが、そのときのことについては、またの機会にお話しします。

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 記事の上から3枚目の写真に写る門のすぐ左側にはレストランがあります。門から入る前に、張り出されたメニューの値段を見て、夫と二人で、今回の旅行中に食べた他の店よりもかなり安いので驚きました。マレンマのレストランやピザ屋はどこの店で食べても高く、今回の旅では前にもまして値上がりしているように感じていたところだったからです。

 この店の扉に、今日は閉店ですと言う張り紙と共に、今日は結婚式ですとも書かれていたのを見てはいたのですが、まさか村の中心街の高みにある広場で、村人たちが皆で祝っていると思わなかったので驚いたのでありました。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by getteng at 2024-10-02 08:44
naokoさん
貴国には岩の上に立つ村、街が多いですね。
防衛という観点もあるかと思いますが、地震国ということありそうですね。
Commented by ciao66 at 2024-10-02 16:28
古い街も新しい街もどっちも古いような!
イタリアではよくあることなのでしょうが、
山の上の町は魅力的ですね。観光するには!
面白いし眺めがいいので。
住んでいる人は上り下りが大変そうですが。
そして、時計台からの眺めがすばらしいので、
登って行った甲斐が有りましたね。
ところで、村中の人が集まって、結婚式をする、
そんな習慣が今も残っていて、
偶然出くわすというのも、いいタイミングでしたね!
旅でのこういう出会いは、こちらまで楽しくなることでしょう♪
Commented by milletti_naoko at 2024-10-02 16:52
gettengさん、そういう村や町は少ないのですが、
そう言えば、わたしたちはそういう場所を好んで
訪ねているようにも思います。
防衛を考えてのことが多いように感じています。
Commented by milletti_naoko at 2024-10-02 16:57
ciao66さん、イタリアで20世紀に建てられた住宅は、日本の
感覚からすると古く見えるかもしれませんね。
そう言えばペルージャも、古い丘の上の町の下方やその周囲に
新しい町が広がっているのですが、ここは一列に新旧の町が並んで
いるのがおもしろいなあと思いました。

下っていったら行き止まりだったので、また登ってということもあり、
迷路のようでしたが、風景も町の造りもいいなあと思いました。
そうなんです。そう言えば、オルヴィエートでもつい最近大聖堂の前で
新郎新婦を見かけたところでした。
Commented at 2024-10-05 11:15
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by milletti_naoko at 2024-10-07 17:39
鍵コメントの方へ

そうだったんですね! リラからユーロになり、
円安が進んで、残念ながら日本からイタリアに
旅行するのが難しい時代になりましたね。
Commented by shisouan at 2024-10-08 00:41
二伸。
洗礼を受けたのが34歳の復活祭の前の聖土曜日に、
イエズス会の粟本神父からです。マンツーマンで勉強を受けました。
粟本神父は現教皇のフランチェスコと随分以前から知り合いでそうで、アルゼンチンまでに行って、司祭不足なので、
日本にイエズス会の司祭を派遣して欲しいと頼みにいったそうです。
わたくしの洗礼名は「使途ヨハネ」、はっきり言って適当
に付けました。その後は冗談めいて「死徒ヨハネ」とか
言ってましたが、今は「使徒ヨハネ」改め「漁師のヨハネ」
と勝ってに言ってます。これが一番ぴったりするんです。
てへへ。
Commented by milletti_naoko at 2024-10-08 16:11
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お話、興味深いです。夫と結婚したとき、いずれはわたしも洗礼を受ける
つもりでいたのに、仕事などで慌ただしく、結局受けないまま今まで来て
しまって、そろそろどうするべきか考えなければいけないと、いただいた
コメントを機に改めて思いました。
by milletti_naoko | 2024-10-01 23:22 | Toscana | Comments(8)