夕色に湖染めてゆく夕日 黄昏の空にほっそり白い月、パッシンニャーノ

　昨日は、パッシンニャーノ（Passignano）で、夕日が空と湖をピンクにオレンジに染めて沈んでゆく夕景を見ることができました。

Passignano sul Trasimeno (PG), Umbria 5/10/2024
　しかもこのあと、岸辺の店にピザを食べに行こうと、車を移動したあと店に向かう途中、せっかくだからと道路を渡って岸辺を歩くと、

まだオレンジの残る空に、白いほっそりとしたきれいな月も見えて、うれしかったです。
　パッシンニャーノ（Passignano）は、トラジメーノ湖（Lago Trasimeno）の北岸にある村で、ウンブリア州に数あるイタリアで最も美しい村の一つです。


　近年になって岸辺沿いの遊歩道が整備され、かなり長い距離を湖の眺めを楽しみながら歩くことができるようになりました。
　ただ、中心街の近くでは無料の駐車場を見つけるのが難しいので、わたしたちは中心街や岸辺から少し離れた、湖周遊サイクリングコース近くの無料駐車場に車を置いて、そこから歩き始めました。

　１０分も歩かぬうちに、湖が見えてきました。北の空は曇っていますが、雲間から差す日の光がきれいです。

　このあとさらに１０分ほど歩いて中心街が見えてきたときには、幸い青空が広がっていました。

　マッジョーレ島行きの船が出る桟橋に水位計があるので見に行くと、基準水位よりもまだ１５１cmも低くなっています。最近はよく雨が降るので、水位が戻ったのではないかと期待してうちを出たのですが、岸辺を歩いていたら、かつてに比べて今もまだ水位がかなり低いことは見てとれていました。
　歩き始めたときは空が曇っていたので寒かったのですが、太陽が照り始めたおかげで、この頃にはぽかぽかの日の光を楽しみながら歩きました。

　中心街近くの遊歩道が終わるところまで２.５kmほど歩いてから、静かな場所で夕日を見送ることができるようにと、来た道を引き返しました。


　風やゆく船のために昨日は湖に絶えずさざ波が立っていたのですが、岸辺に残された大きな水たまりには波がなく、水鏡がきれいです。

　この頃から、夕日が細くたなびく雲に見え隠れするようになり、夕日も雲も湖も金色を帯びていきました。

　夕景の色が美しい今のうちに湖がよく見えるところに行こうと先を急ぎます。
18:36
　ここがいいだろうと、わたしが石の浜に降りて、雲と湖をピンクに染めながら夕日が沈む様子を見守っていると、背後から声が聞こえます。

　なんとトラジメーノ湖と夕日を愛する写真仲間、友人で写真家のアントネッラ・ピゼッリがやはり同好の士である友人二人と夕景を見に、そして撮りに来ていて、夫に気づいて話をしていたのでした。
　わたしが皆とあいさつしたあと、

うち一人は浜に降りていき、こうして皆で美しい夕日を見送りました。

　日が沈んだあともなおも色づく湖を、カンムリカイツブリが進んでいきます。
　午後７時１５分に夫が夕食をパッシンニャーノの岸辺の店で予約していました。友人たちとわたしが夕日を見送った場所は、上の地図中❶で記されたあたりで、一方、予約した店があるのは❷よりもさらに右手でした。「夕食後は暗くなってしまうので、駐車場まで歩いていって、車で店にもっと近い駐車場まで行って、そこから店に歩いていこう。そのためには、もう出発しなければ」と夫が言うので、皆にあいさつしてこのあとは駐車場へと戻りました。

　その間にも雲が燃えるようなピンクに色づくのを見ることができました。
　パッシンニャーノは活気のある村で人も多いため、夫はモンテ・デル・ラーゴで歩く方を好むのですが、この日は湖の水位が見られるからとわたしが誘って出かけました。おかげで美しい夕景と月が見られた上に、思いがけず久しぶりに友人たちにも会うことができてうれしかったです。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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