イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

パン祭りで夫学びわたしは町と海を散歩セニガッリア

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 日曜に遠いアドリア海岸の町、セニガッリア(Senigallia)へと出かけたのは、開催中だったパン祭り、Pane Nostrumを訪ねるためです。

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Senigallia (AN), Marche 13/10/2024

 パン作りやパンを取りまく食・農について、例年さまざまな講演や実習があり、多数の露店も並ぶ興味深い祭典で、これまでに二人で何度か参加しました。

 夫は今年も午前11時からと午後3時からの二つの講座を予約して参加しました。

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 一方わたしは、せっかく晴れた日に海辺の町に来ているのだからと、今年はパン祭りには参加せず、青空の下、町や海を散歩することにしました。最近は夫に用があったり天気が悪かったりで遠出をする機会が少ないからです。

 以前はプロの手ほどきを受けながらパンやピザを作ることができて、この古城や広場に露店がずらりと並んでいたのですが、今年は参加者も何かを作れる機会はなくなり、露店の数もかなり減っていました。それでも夫は、興味深い話を聞くことができたと喜んでいます。

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 セニガッリアに来るたび、ずらりと並ぶ陶器がかわいらしいなあと思う店があります。窓ガラスに青空と古城が映り込んでいます。

 今年は少なくなった露店を見終えてから、

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川沿いに海へと向かうと、なんと川の向こう側でもFishmarche(t)が開催中で、マルケ州(Marche)の伝統的な魚料理の紹介があり、地元ならではのいろいろな魚料理が食べられる露店とテーブルが並んでいました。

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 右の突堤を黄色い灯台とペネロペの像がある先端まで歩き、どこまでも広がる空と海を眺めてから、パン祭りの会場へと戻りました。正午に講座が終わるはずの夫と、いっしょに昼食を食べようと待ち合わせていたからです。

 ところが講座は正午を過ぎても続き、夫は会場に残って最後まで聞きたいと言います。そのあともピザについて講演があり、夫はその講演も聞きたいと思っていることだろうと考えたので、わたしは「じゃあ、食事は別々に食べましょう」と夫に言って、再び町を歩きました。朝早くに朝食を終え、すでに6km歩いていたため、おなかがすいていたからです。

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 パン祭り会場の近くには、パンやピザなどの露店がいくつもあり、テーブルも並んでいたのですが、日も照りつけていますし、店の中で落ち着いて食べたいところです。以前夫と食べたことがある懐に優しくおいしいピアディーナ屋は閉まっています。パン祭りやマルケの魚市が開催中だからか、以前に見かけてよさそうだと思った店は大半が閉まっています。

 レストラン店頭に掲げられたメニューに記載された料理名と料金を見ながら中心街をしばらく歩き、どうせ高いお金を払うならと、以前にパン祭り会場で露店を出していて食べておいしかった日本料理店 凪、Nagi cucina giapponeseで食べることにしました。

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 そうして、枝豆と寿司・刺身の盛り合わせを注文して食べました。寿司職人が日本の方で、店の主人らしきイタリア人男性も親切で、久しぶりにおいしい寿司と刺身が食べられて、うれしかったです。かつてパン祭りの露店で出会った女性はもういないと聞いて、あれはいつだったのだろうと過去記事を見ると、なんと2016年のことでした。

 この日は夫がうちに携帯電話を置き忘れてしまっていました。そこで昼食後、そろそろ講座も終わり夫もどこかで食事中だろうと、夫の姿を探してパン祭りの露店やテーブルを見て回っていると、上の方からわたしを呼ぶ声がします。

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 二階建てバスを利用した露店もあり、なんと夫はその2階で食事をしていたのでありました。そこで、わたしも2階まで上って、高みからの眺めを楽しみました。

 夫が昼食を終えたあとは、午後3時からの講演までまだ時間があるからと、二人で海に向かいました。

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 今度は左の突堤を、先端に立つ赤い灯台の近くまで歩きました。

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 向こうに見える岬はガビッチェかなあなどと言いながら、風景を眺めます。

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 ふり返れば、日の光に海がきらめいています。

 このあとは夫と二人でしばらくビーチ施設が並ぶ通りを歩き、パン祭りの会場へと戻る夫と二手に分かれたあと、

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わたしは砂浜を岸辺に沿って歩いていきました。

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 歩くたびに足もとで貝が砕ける音がするほどまでに貝殻の多い砂浜もあちこちにありました。

 夫が電話を家に忘れた上に、また講演が長引くかもしれないからと、夫とは午後4時半に、上から2枚目の写真に写る古城近くのベンチで待ち合わせをしていました。朝6km、午後10km歩いたわたしは、4時過ぎにはおなかがすいていたので、中途半端な時間でも安く手軽に食べられそうな店を中心街で見つけていました。ところが夫もおなかがすいていたようで、露店で買ったピザを食べながら、わたしの待つベンチにやって来ました。

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 ベンチに腰を下ろした夫がピザを食べ終えたあと、二人でわたしが目星をつけていた店に行き、わたしはハンバーガー、夫はホットドッグとビールを注文しました。こういう時間に温かいものが食べられて、ありがたかったです。

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 ペルージャへと車で戻る途中に日が沈み、車内からピンクの夕雲が見えました。

 海辺の町、セニガッリアで、それぞれに充実した1日を過ごすことができて、うれしかったです。


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Mio marito al Pane Nostrum
io a spasso al centro e al mare a Senigallia
Senigallia (AN), Marche 13710/2024
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by ciao66 at 2024-10-17 08:52
二階建てバスを利用した露店は見たことが有りません!
周りを見下ろしながら食べるのは面白そうですね。
イタリア風のお寿司も美味しそうで、枝豆が付いているのは珍しいですが、栄養バランスも良さそう。
突堤の黄色い灯台がアクセントになっている写真がいいねと思いました。
2人が各々でしたいことをして、いい時間を過ごせましたね!
Commented by nonkonogoro at 2024-10-17 09:14
二階建てバスからの 呼びかけ~(#^^#)
映画のワンシーンのようで 楽しいですね。

同じエリアで
それぞれの時間を過ごされて
それも また いいですね。

今はどこにでも お寿司屋さん 和食の店が
あるのですね~(#^^#)
Commented by sunandshadows2020 at 2024-10-17 13:25
驚くほど多い貝殻、流石そちらではそれ程海が汚れていないのだろうと思いを馳せました。
我がシニア村近郊の海辺には海藻がたくさん打ち上げられていて、それも海水がそれ程汚れていないだからだろうと思いたいですが。綺麗な貝を拾うのが楽しみな浜辺歩きは楽しいです。
とても充実した日をお互いに過ごされ良かったですね。
Commented by katananke05 at 2024-10-18 21:41 x
お天気も良く それぞれのしたいことをして 充実した1日でしたね〜
Japanese を  giapponese
と g で始まるのですか、、
イタリア語はてんで知らないから面白い〜
Commented by milletti_naoko at 2024-10-21 06:05
ciao66さん、このバスのお店、おもしろいですよね。
枝豆は、野菜も食べたいなと思ってわたしが別に注文したんです。
分かりにくくてすみません。
裏巻き寿司、おいしかったです。入ってきた他の客の大半が、
こういう海外発のあれこれ盛った寿司を食べてい他ので、
海外ではこういう寿司の方が人気があるのだなと驚きました。
ありがとうございます。それぞれに好きに過ごせてよかったです。
Commented by milletti_naoko at 2024-10-21 06:09
のんさん、まさかこんなところからと驚きました!
それぞれが自由に楽しく過ごし、いっしょに散歩したり
食べたりもできてよかったです。

セニガッリは日本の職人さんがいるお店があって、
うらやましいです。
Commented by milletti_naoko at 2024-10-21 06:15
お転婆シニアさん、こんなに貝殻が多いのはこちらでも珍しく、
それで写真を撮りました。しかもきれいな貝殻が多かったんです。
そちらでは海藻がたくさん打ち上げられているんですね。イタリアでも
同じ海でも季節によってはそういうことがあります。
ありがとうございます。よい1日となりました。
Commented by milletti_naoko at 2024-10-21 06:16
katananke05さん、楽しく充実した1日となりました。
そうなんです。イタリア語には外来語がそのまま入った語彙を除けば
アルファベットのJが存在せず、代わりに少し音は違うのですが、GI
で表すんですよ。
by milletti_naoko | 2024-10-16 22:34 | Marche | Comments(8)