過ぎゆく紅葉もまた趣ありラヴェルナの森

　ずっと紅葉を楽しみにしていたラヴェルナの森を、先週土曜日にようやく歩くことができました。

Chiusi della Verna (AR), Toscana 2/11/2024
　もうすでに落葉が始まり、紅葉が最も美しい季節は過ぎていましたが、それでも

崖の上の方には、赤く燃えるような紅葉が見えて、

ラベッチャからラヴェルナへと登っていく石畳の参詣路に立つ背の高いカエデの木も、てっぺん近くの葉はみな紅に色づいていました。

　修道院がすぐ上に立つ断崖の横を通ってブナの森に入ると、緑の葉が残る一方、朽ちた葉や枝に残りながらも枯れて茶色くなった葉があったのですが、そういう葉をまとう木々も、傾く日の光にオレンジ色に輝いていました。

　カエデもブナも紅葉や黄葉がとびきり美しい年もあれば、今年のように酷暑から気温が急降下した日々があったためか、きれいな色にならずに茶色くなってしまったり、枯れてしまったりする葉が多い年もあります。
　それでも、こんなふうに茶色くなった葉にもまた独特の趣があるように思いますし、

だからこそ、地面に落ちた葉の中に、きれいな黄色や赤の落ち葉が見つかると、うれしくなりました。

　切り株に生えるキノコも、なんだか枯れ葉のようです。

　やはり季節が過ぎつつあるものの、まだ咲いている自生の秋咲きのシクラメンに出会えたのも、うれしかったです。

　かつて一度鮮やかな紅葉を見たことがあるツタの葉はもうわずかの葉が残るばかりでした。

　日の光にブナの森が赤らんで見えます。

　太陽がまだまぶしい光を放ち、日の入りまでに１時間近くあったので、明るいうちに坂道を下って駐車場に戻ることにしました。

　ところが、このあとラヴェルナ修道院の境内を出ようとしたときに、登山用のストックがないことに気づきました。

　トイレには見当たらず、土産物屋にもなかったのですが、幸い今は閉まっている食堂の前の階段に探していたストックがありました。森を通って修道院に到着したとき、それを知らせようとその階段で夫に電話をかけたのですが、そのときストックを階段に置いたことを覚えていたので助かりました。
　見つかったストックを手に、再び十字架の立つ広場へと向かうと、教会の窓に夕日の輝きが見えました。

　けれども、さらに足を進めると、今度は窓には夕日に燃えるブナの木々が映っていました。

　参詣路を下る途中に見えた修道院を頂く岩壁と木々もまた、夕日の光にオレンジ色をしています。
　１０月末以降はラヴェルナでの紅葉が美しいからとずっと楽しみにしていたのですが、セニガッリアのパン祭りがあったり、ラヴェルナは雨の予報が出ていたのでオルヴィエートに行ったりしたために、訪ねるのが１１月になりました。それでも、まだ秋の美しさが残る森を訪ねることができて、うれしかったです。

Articolo scritto da Naoko Ishii

↓　記事がいいなと思ったら、ランキング応援のクリックをいただけると、うれしいです。↓　Cliccate sulle icone dei 2 Blog Ranking, grazie :-)