イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

沈む日に紅葉・大聖堂・塔もあかあかとオルヴィエート

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 土曜日はオルヴィエートの歴史的中心街を頂く崖の下を、アルボルノス城塞跡がある東の端から崖の南西面の下(下の写真)へと、時計回りに半周しました。

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Orvieto (TR), Umbria 30/11/2024

 ローマ通りの菩提樹並木は、もうすっかり葉を落としています。この日は北風が吹き荒れていたため、崖の北面を歩くのはやめて、

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こちらの眺めのいい石畳の道を、歴史的中心街へと登っていきました。

 上の写真はその途中で後ろをふり返って撮影したものです。下方に紅葉した木々が、右手に中世の町並みが残る地区が写っています。

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 この日も2週間前同様に、この見晴らしのいい崖上の道で待ち合わせて、沈む夕日をいっしょに見送ろうと、夫とあらかじめ約束をしていました。

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 前回このあたりまで歩いて電話したとき、夫はちょうどローマ門(上の写真に写る門)の下あたりを歩いていて「今からぼくも上に登っていくよ」と言い、二人でいっしょに夕日を見送りました。

 ところが土曜は、この数日風邪気味の夫はわたしの電話に答えて、「今日はこのまま中心街の本屋に残る。夕日は見ない」と言います。

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 せっかくだから一人でも夕日を見送ろうと、最初はそう思ったわたしでしたが、手前に高い丘があって日がその向こうに沈むため、太陽はまだ白く輝いています。一人で夕日を見つめるうちに、今頃きっと大聖堂の正面が夕日の光に赤く染まってきれいだろうと思いつき、夕日が沈みきってしまう前に、大聖堂へと向かいました。

 何度も歩いたはずの道なのですが、この崖上の道から大聖堂を目指すのが久しぶりだったので、少々道に迷いました。

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 でもそのおかげで、鮮やかな赤が美しい紅葉を見ることができました。ひっきりなしに後方から車が来るため、落ち着いて撮影できなかったのが残念です。

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 さざんかもきれいに咲いています。

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 ようやく目の前に現れた大聖堂は日の光に金色に輝き、石畳の道が赤みを帯びていました。

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 モザイクの金が輝いています。

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 この日、大聖堂全体が夕日に赤く染まる様子を、夫も見て美しいと思ったそうなのですが、北風があまりにも冷たく吹きつけていたために、大聖堂をすぐに後にしたのだそうです。

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 夕色に染まる大聖堂が青空に映えてきれいです。

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 夫に電話すると、モーロの塔の1階にある書店にいると言うので、わたしも大聖堂を後にして書店に向かいました。

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 全体を写真に収めようとふり返ったとき、大聖堂のすぐ上を飛行機がゆくのが見えたので撮影したら、十字架近くを飛ぶ鳥もいたようです。

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 書店がある塔に向かってしばらく歩いてから思いついてふり返ると、建物の向こうに見える大聖堂はなおも金色をしています。

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 さらに歩くと見えてきたモーロの塔も、まだ夕日の光を浴びていて、オレンジ色のレンガが赤らんで見えました。

 崖下の風景も、崖下から中心街へと登っていくときに見える眺めも、そして中心街も美しいオルヴィエートを、とりわけ趣深い日の沈む頃に歩くことができて、うれしかったです。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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ブログテーマ:私の推し活!~推しは○○です~
Commented by cenepaseri at 2024-12-02 09:29
紅葉?やサザンカが日本と同じで嬉しくなってしまいました。
1枚目の写真は京都と言っても信じてしまいそうです。^^
イタリアは何処をとっても皆歴史を感じますね〜。
素晴らしいです。
Commented by katananke at 2024-12-02 09:56 x
金色に染まる大聖堂も美しいですが 何といっても 瓦屋根の上に
落ちて積もっている
まっかな紅葉の重なり、、
こんな深くて赤い葉っぱ
ほんと 私の住む周りではみられない〜
朝晩の寒暖の差が強いからでしょうね〜 素晴らしい写真です〜
Commented by ciao66 at 2024-12-02 16:14
金色に輝く大聖堂や街の様子が素晴らしいですね。
偶然に鳥が写っていたり、飛行機が写っていたり、
撮っているときは気づかないものですね。
人間の目はあまりあてにならないのか、
そこは機械に任せればいいのか・・・
後であれっと気づくのも面白いですね!
Commented by getteng at 2024-12-02 18:05
naokoさん
全てが芸術品ですね。
夕陽が当たって一段と輝いて見えます。
大聖堂は建物自体といい、壁面の絵画(フレスコ?)といい素晴らしいです。
この世の物とは思えないような眺めです。
Commented by Penta-02 at 2024-12-03 04:52
建物には一切広告とか日本のような電線が
見られないので、建ったその当時のままが
目の前に現れているのがいいですね。

映画の撮影があっても、すぐに当時の姿が
撮れますからね。

夕日とか朝日に照らされた大聖堂は、実際に見た人
でないと、その美しさは分からないでしょうね。
Commented by KANAKO at 2024-12-05 03:15 x
Naokoさん、Orvietoの光はすっかり秋モードですね。私もこの坂を上りましたよ。同じようにこの辺で振り返って写真をとりました。大聖堂も夕陽に染まりまた素敵な色。。夜になると街もイルミネーションがまたきれいなんでしょうね。
夜になるとやっぱり冷え込んでくるのですね、風邪をひかないように気を付けてくださいね。
Commented by milletti_naoko at 2024-12-07 20:08
ぱせりさん、そうなんです。わたしも日本の植物を
イタリアで見られると、うれしくなります。
ペルージャでもオルヴィエートも2千年以上前、数世紀
昔の建造物が今も残っているのを見ると、感慨深いです。
ありがとうございます。
Commented by milletti_naoko at 2024-12-07 20:13
katananke05さん、道を間違えなければ、この角度から
この鮮やかに赤い紅葉がそれも夕日を浴びる様子を
見ることはなかったと思います。とてもきれいでした!
共感してくださったと知って、うれしいです。
ありがとうございます。
Commented by milletti_naoko at 2024-12-07 20:16
ciao66さん、ありがとうございます。
そうなんです。肉眼ではとらえられないもの、気づけ
ないものがあるというのも、おもしろいですよね。
奥に見える大聖堂が金色に輝いて見えてとてもきれいでした。
今朝のペルージャは霧に包まれています。
Commented by milletti_naoko at 2024-12-07 20:20
gettengさん、奥に見える大聖堂が金色に輝いて
とてもきれいでした。ありがとうございます。
Commented by milletti_naoko at 2024-12-07 20:27
Pentaさん、ペルージャのうちの近所には電柱も電線も
ありますし、オルヴィエートの町中も、例えばさざんかの花の
下の写真には電線が写っているのですが、確かに特に歴史的中心街
では規制もあるのか、日本の町に比べると電線が少ないですし、
大きな広告もありませんよね。

おっしゃるとおりだと思います。そのためでしょう、
ペルージャで一度、映画撮影が行われているのを遠くから
見かけたことがありますし、たまに昔を舞台にした映画やドラマを
見ていたら、ペルージャの街角が出てきて驚くこともあります。
Commented by milletti_naoko at 2024-12-07 20:32
KANAKOさんもこの坂を上られたんですね!
わたしもこの坂からの眺めがとても好きです。
オルヴィエートはおっしゃるようにたそがれの風景も
きれいですし、クリスマスのイルミネーションもきれいです。
ありがとうございます。夫の風邪が長引いていることもあり、
わたしももらわないように気をつけます。
by milletti_naoko | 2024-12-02 06:26 | Umbria | Comments(12)