イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

アーモンドたっぷりヘビの形の伝統の菓子セルペントーネ

 来年がヘビ年なので、日本では年賀状だけではなく、置き物や小物として、今からヘビがあちこちに登場していることでしょう。

 ペルージャでは毎年、クリスマスから年末年始にかけて、お菓子屋さんのショーウインドウによく並ぶヘビ型のお菓子があります。その名はセルペントーネ(serpentone)、あるいはトルチッリョーネ(torciglione)。アーモンドをふんだんに使い、砂糖や白身を混ぜ合わせた生地で形作ってオーブンで焼くこの伝統のお菓子を、今年も夫がおととい作り上げました。

アーモンドたっぷりヘビの形の伝統の菓子セルペントーネ_f0234936_22423764.jpg

 夫の今は亡き伯母が、いつもとてもおいしいセルペントーネを作っていて、夫や義弟はそういう機会にはよく伯母を手伝っていたそうです。

 甘いもの作りが好きで得意な夫は、年に数度その腕を発揮します。その夫が、伯母が作っていたセルペントーネを初めて再現しようと、家族みんなを巻き込んで作ったのは、次の記事によると、2012年12月のことです。



 初めての機会だったのでレシピに忠実に作ったため、このときのセルペントーネの目はカカオの実、体の装飾には松の実、舌にはアーモンドの実を使っていました。

 一方今年は、ずいぶん前からアーモンドの実は買っていたので、作るつもりはあったのでしょうが、クリスマス前後までかなり慌ただしかったからか、おとといの夕方になって突然思いついて作り始めたので、カカオの実や松の実がなく、レーズンで代用しました。

 でも、今年のセルペントーネも、歯にやわらかくアーモンドの風味と優しい甘さが感じられて、とてもおいしくできました。

アーモンドたっぷりヘビの形の伝統の菓子セルペントーネ_f0234936_22455681.jpg

 この数日は北風が吹き続け、朝晩の気温は低いものの、日中は晴れ間が広がっています。昨日の夕方、いつもの散歩道を歩くと、ペルージャの歴史的中心街が夕日に赤らんで、セルペントーネとよく似た色をしていました。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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ブログテーマ:年末年始の過ごし方
Commented by katananke05 at 2024-12-29 10:28 x
インドにはこのような蛇型のおかしもあるのですか、、
アーモンド(プードル?)をたっぷり使うとは 絶対美味しいお菓子ですね〜
夫様が スイーツ担当はとても嬉しいですね〜
He is very sweet~!
Commented by koito_hari616 at 2024-12-29 11:08
こんにちは

リンク先を読んで 蛇がくねって描く円が、古い年が去り、新しい年が訪れる年のめぐりを象徴する
イタリアにもこのような「縁起モン」?が有るのですね
チョット、驚きました
動物も国が違えば謂れなどが違ってきて面白いです
カトリック的にはイブを騙したと言われるのですが
また違う意味が有るのでしょうね
今回のセルペントーネの方が柔らかそうで美味しそうです♪
何時も楽しいことを教えて頂きありがとうございます
あのネコちゃんは元気にしていますか??

Commented by tawrajyennu at 2024-12-29 11:22
こんにちは♪
ウンブリアには、こんな蛇の形のお菓子があるんですね。
それをご主人さまが作られるとは!!
亡きおばさまの味なんですね。
来年は、巳年・・・・年女となります。
このお菓子、ぜひ作ってみたいと思いますが
レシピ探したけど、見つかりませんでした。
よろしかったら、教えていただけないでしょうか?
Commented by ciao66 at 2024-12-29 14:01
可愛い蛇ですね♪
ユーモラスだし、器用なご主人だなと思ったのです。
イタリアで干支?と思ったらそうではないようですが、
来年に食べれば干支も楽しめますね!
Commented by pothos9070 at 2024-12-29 18:27
うわぁ~♪
可愛いヘビちゃんw
私、短いヘビって何故か親しみが湧いて好きです。
焼き菓子なんですね~
表面のざらっとした感触を見ていると
沖縄のちんすこうを思い出しますw
きっと美味しいに違いありませんね~
今年もありがとうございました。
また来年、よろしくお願いします。
どうぞ良いお年をお迎えくださいね(^-^)
Commented by milletti_naoko at 2024-12-30 20:22
katananke05さん、記事を書く前に調べてみたら、ウンブリアや
ペルージャだけではなく、イタリア中部に伝わる伝統のお菓子
だそうです。うちで作ると砂糖の量も調整できるので、
優しい味になり、ありがたいです。
Commented by milletti_naoko at 2024-12-30 20:27
結うさん、こんにちは。
以前の記事を書いたときに調べたり、あるいは夫から聞いたりしたら
そういうことだったのですが、この記事を書くにあたって調べてみたら、
ウンブリア州やペルージャだけではなく、イタリア中部に伝わるお菓子で、
各地でいろんないわれがあるようです。いずれにせよ、場所が違っても
共通する見立てや祝い方があるというのは、おもしろいですよね。
イブをだました蛇を食べるということに意義を見出すというような解説を
しているこの菓子の説明も、どこかで見かけました。
過去記事まで見てくださって、こちらこそありがとうございます。
ずいぶん前のことでありながら、記事に書けずにいたのですが、
猫は実は、交通事故に遭って亡くなってしまいました。
Commented by milletti_naoko at 2024-12-30 20:37
タワラジェンヌさん、こんにちは♪
レシピ、材料と作り方については地域や家庭によって
いろいろだと思うのですが、我が家での配分や材料、
作り方については、リンクを貼ってある過去記事に詳しく
書いてあります。オーブンで焼く時間については、
次の料理サイトの記事には170分で30分とありますが、
作った経験のある人に聞くと、皆が毎年温度を変えたり、
何度もオーブンの中見て、焼けているかどうか様子を見ながら
時間を調整しているようです。
https://blog.giallozafferano.it/ricettecampagna/ricetta-torciglione-o-serpentone-dolce-umbro/
Commented by milletti_naoko at 2024-12-30 22:33
ciao66さん、夫が作るセルペントーネは、
伯母さんがかつて作っていたものに倣ってか、
レシピサイトや店頭で見かけるものより、顔も形も
愛嬌があるように思います。

今回はイタリアの慣習のお菓子でありながら、日本の
干支にもあやかれて、一石二鳥です!
Commented by milletti_naoko at 2024-12-30 22:41
ぽとすさん、ありがとうございます。
そうなんです。夫の作るセルペントーネは、
レシピサイトや店頭で見かけるものと違って、
形も顔もまるくて何だかかわいらしいですよね。

こちらこそ今年はありがとうございました。
新年もよろしくお願い申し上げます。
ぽとすさんとご家族にとっても、よいお年になりますように。
by milletti_naoko | 2024-12-28 22:50 | Gastronomia | Comments(10)