イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

冬曇りの日も晴れた春もうつくしきかな湖も人生も

 大みそかの朝は、幼い頃に歌に聞いた「ミルク色の夜明け」とはきっとこういう空なのではないかと思うような、きれいな風景が窓の向こうにのぞいていました。

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Perugia, Umbria 31/12/2024

 「これはきっときれいな夕焼けが見えるに違いない。今日は火曜日だから狩猟も禁じられているし。」

 そう思って夫に、「テッツィオ山をミーララーゴまで登って、今年最後の夕日を見送りましょうよ」とメッセージを送ったら、夫は夕日に間に合うように帰宅はしてくれたのですが、朝はあんなに晴れていた空が、午後にはすっかり曇っていました。それで夫が「テッツィオ山に登っても、今日は夕日は見えないよ。トラジメーノ湖に行こう。」と言います。

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Monte del Lago, Magione (PG), Umbria

 久しぶりにトラジメーノ湖(Lago Trasimeno)が見られることを喜んで、日の入り時刻の30分ほど前に着くように夫と出かけてみたのですが、湖もやはりどんよりとした雲に覆われていました。

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 けれども、曇り空の下の冬枯れの風景も、穏やかな湖面に映る様子に風情があります。

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 結局この日は、夕日は姿を現すことなく、雲に隠れたまま沈んでしまいましたが、水平線近くの空と湖がわずかながら桜色を帯びていました。

 前回、10月末に訪ねたときまでには、湖を隠していた木や草の茂みの多くが、大みそかには切り取らられ、刈り取られて姿を消していました。

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 駐車場近くの湖面で、白いサギがたたずむのが見えて、うれしかったです。

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27/10/2024

 前回訪ねたときは、わたしたちが湖畔に着いた頃に夕日が厚い雲の層に隠れてしまい、そのまま沈んでしまったのですが、

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そのときは、道も道端もポプラなどの金色の落ち葉に彩られていました。

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16/3/2024

 同じこの湖畔で、去年の3月には、とてもきれいな夕景を見ることができました。

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 最近はたまたま天気に恵まれませんでしたが、色の深い鮮やかなとびきり美しい夕景は、秋や冬にこそ見られることが多いように思います。

 湖も人生も、いつかまた見ることができる、会うことができる美しい風景やすばらしいことがあるだろうと楽しみにする一方で、そのときそのときに出会える、立ち向かうこととなる風景やできごとにも、そのよさを感じて、見出だして、過ごしていくことができますように。

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ブログテーマ:謹賀新年
Commented by koito_hari616 at 2025-01-04 20:59
こんにちは

優しい風景、夕景ですね
上から3番目の画像は薄い水墨画を刷毛でのばしたような
舌から2番目の画像の水鏡に映っているのは桜の花のような
一期一会の出会いですね
Commented by milletti_naoko at 2025-01-05 06:17
結うさん、こんばんは。
ありがとうございます。わたしも風景を見ながら、なんだか
墨絵のよう、桜の花のようだと思ったんですよ!
同じように感じてくださったと知って、うれしいです♪
by milletti_naoko | 2025-01-04 07:21 | Umbria | Comments(2)