イタリア写真草子 ペルージャ在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

ブナの巨木に会いに冬山を登ればプリムラにマツユキソウ

 今日はトスカーナ州のアッペンニーニ山脈の山を登りました。友人たちに誘われて、ブナの巨木、Il Faggioneに会いに行きました。

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Badia Tedalda (AR), Toscana 9/2/2025

 久しぶりに訪ねた大きなブナの木が、今もどっしりとした幹から大きな枝を空へ、四方へと広げているのを見ることができて、うれしかったです。

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 以前にはなかった案内看板も立っていて、その看板によると、高さ28m、幹の円周5m、樹幹幅31mで、樹齢は350年から400年と推定されているそうです。

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 昨夜の雨で道が泥がちである可能性があるので、このあたりに駐車しようと夫が車をとめたあたりに、マツユキソウが咲いていました。

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 今日は、以前にもいっしょにブナの巨木を訪ねたことがある友人夫婦と共に、その甥っ子夫婦も来ていたので、6人で巨木を目指して歩きました。

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 シデの木も花粉を飛ばす準備が整っているようですが、雨のおかげで安心して歩くことができました。

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 しばらく坂道を下ったあと、川を渡ってからは、長い登り道が続きます。

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 歩き始めたときは、空が雲に覆われ、霧もかかっていて肌寒いほどだったのですが、登っていくうちに青空が広がり、日もさして暖かくなりました。

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 4kmほどの道のりをまずは下ってからは登り続け、1時間半ほど歩いて、ブナの巨木に到着しました。

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 木の前でしばらく瞑想して祈りを捧げてから、昼食を食べ、

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出発前に、夫とフランコが、これからもFaggioneが長く元気でいられるようにと、周囲に生えてきた若木を剪定しました。

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 もう咲いているプリムラの花もあります。

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 下りはさらに続き、川を渡ったあとは坂道を上り、遠くに霞んで見える家の間を通って、さらに上らなければいけません。

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 野バラの熟した赤い実、ローズヒップをあちこちで見かけて、時々そのビタミンCがたっぷりの実を味わいました。

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 冬は雨が降ることが多く、つい昨日も降ったばかりなので、小川の水が勢いよく流れています。

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 再び川を渡って、坂道を上っていたら、また周囲の風景がすっかり霧に包まれてしまい、肌寒くなりました。

 この記事を書くにあたって調べてみると、わたしが夫と初めてこのブナの巨木を訪ねたのは2010年4月18日で、2010年9月4日にはマヌエーラとサブリーナと共に、2011年3月26日に、フランコとマヌーエラ、ロージーと5人で訪ねています。2017年7月にも夫と二人で久しぶりに行こうと試みたのですが、記事によると、「夫は帽子を、わたしはカメラをうちに忘れてしまいました。巨木への道は途中からは日かげがほとんどなく、今日は晴天の暑い日になることが予想されていたため、途中で予定を変更して、森の木々の間を通り、小さな渓流をさかのぼ」っていたら道に迷い、結局巨木には行かずじまいになってしまいました。

 というわけで、なんと14年ぶりにブナの巨木を訪ねたわけです。夏は暑くて登りがつらく、秋や冬は狩猟が解禁だからと足が遠のきがちなのですが、次回はこんなに間を空けずに、この森の長老にあいさつをしに行くことができますように。

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Saluto al Faggione maestoso di 350-400 anni
attraverso il fiume, fioriti i bucaneve e le primule.
Sono passati già 14 anni dalla ultima visita!
Badia Tedalda (AR), Toscana 9/2/2025
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ブログテーマ:冬の風景
Commented by みーは at 2025-02-10 07:43
1枚目のお写真、なんて素敵なのでしょう。葉はみんな落ちてしまっているというのに。
こちらにくるといつも心が和みます。
Commented by koito_hari616 at 2025-02-10 11:44
こんにちは

ブナの木は本当に生命力が有ります
触れてエネルギーをチャージしたいですね
2010年の記事を見ますと足元の苔も成長しているような
とても良いですね。。。

因みにわが沿線の駅にはブナの木を切らずにホームに突き抜けて
屋根まで届いています
電鉄会社と近所の方々との話し合いで伐採せずに駅のホームを作った
駅名は京阪電車の「萱島駅」です、ネットに載っているとは思いますが
ご興味が有れば検索してみてください
ブナの木は本当に良いですね
Commented by getteng at 2025-02-10 22:11
naokoさん
これは凄いものを見せていただきました。
当然、国指定の天然記念物に認定されているのでしょうね?
末永く維持管理をしていただきたいものです。
Commented by milletti_naoko at 2025-02-11 01:26
みーはさん、ありがとうございます。
木の生命力とその大きさ、ここまで過ごしてきた歳月を
思い感嘆しました。
Commented by milletti_naoko at 2025-02-11 01:27
結うさん、こんにちは。
過去記事も見てくださったのですね。ありがとうございます。
夫が以前に比べると、大きな枝が落ちたり枯れたりしていると
心配していましたが、今もどっしりとした姿でわたしたちを
迎えてくれました。

なんとそんなふうに大切にされている駅に育つブナの大木があるとは!
Commented by katananke05 at 2025-02-11 09:50
1枚目 素敵な写真ですね〜
なお子さんと ご主人の赤と緑の色彩も 周りの色にはえ
美しいです〜
年行事のカレンダーに入れて下さい〜
ぶなの木は 長生きのできる木ですね〜神々しいようです
しっかりエネルギーをチャージできそうですね〜

koito 様の 京阪萱野駅のぶなの木 やさしいまわりの皆様に大事にされていて 嬉しいです〜
Commented by shisouan at 2025-02-11 12:18
ブナの巨木はご神木なんでしょうか?
日本だとそうなり、注連縄が付きます。
で、神が降り立ったという話になり、皆さんでお参りするようになります。
Commented by ciao66 at 2025-02-11 17:38
これはとても大きなブナですね!
巨木と並んだ人と大きさを比べて、良く判りました!
枝ぶりも見事ですが、冬だから判る光景、
夏の様子も見事なものでしょうね。
ローズヒップでビタミンCが補給できるとは知りませんでした。
美味しくて、栄養が有って一石二鳥ですね。
冬のさなかに、いい山行きになりましたね♪
Commented by ririrouzu at 2025-02-11 20:14
冬山登山と言うと
日本では雪の中を登山するという
物々しさを感じますが、
今日の写真を見る限り
簡単に歩けそうですね~(笑)
木々の林の中を歩くのは写真撮りには魅力ですね
Commented by gerneremake at 2025-02-15 22:29
屋久島の縄文杉みたいですね。
廻りの若い木を剪定なんて素晴らしいですね♪
今日地図、と言ってもA3サイズのイタリア地図を見ていました。
トスカーナは近いみたいですね?
以前NHKの「猫のしっぽとカエル、イタリアトスカーナより」を楽しみに観ていました。
イタリア人と日本人そして小学生の娘さんが元修道院?の跡にDIYして暮らしている姿だったかなぁ〜
その娘さんも今は大学生さんのようです♪
時間は早いですよね。
私の母は晩年海外旅行を楽しみにしていました♪私は趣味のキルトの世界一のフェスティバルと娘の家訪問くらいで〜
最近では国内でも旅が苦手になって来ました♪
夫は大の苦手(笑)結局一人で海外だなぁ〜。
2度目の定年が来たら夫を近くの温泉に連れ出そうと思います。
さぁ〜計画がめんどくさいなぁ〜(笑)
友達や娘、夫抜きの方が楽なんだけど(笑)
naokoさんのようにまったりしてこようと思います。

Commented by milletti_naoko at 2025-02-17 16:42
gettengさん、ありがとうございます。
きっときっと皆が大切にしているのだと思いますが、
かなり登り下りのある山道の先にあって、案内看板が
ないので、逆に自然の環境の中で生きていくことができて
いるのかもしれません。
Commented by milletti_naoko at 2025-02-17 16:50
katananke05さん、ありがとうございます。
みごとな巨木に、久しぶりに会いに行くことができて
うれしかったです。
大地には根を、空には枝を伸ばして、木に寄り添って祈ったら、
願いが天に届きそうな、地中に伝わりそうに思いました。
結うさんの駅のブナの木のお話もすてきですよね。
Commented by milletti_naoko at 2025-02-17 17:00
shisouanさん、地域の人が大切にして、多くの人がきっとわたしたち
同様に巨木を訪ねようと山を登っていると思います。
Commented by milletti_naoko at 2025-02-17 17:03
ciao66さん、みごとな大木に感嘆しました!
おっしゃるように冬だからこそ枝ぶりが分かるのですよね。
イヌバラのローズヒップは、こちらでは乾燥したものが
薬草専門店でも売られているんですよ。
ありがとうございます。友人たちのおかげで久しぶりに
いい登山ができました。
Commented by milletti_naoko at 2025-02-17 17:10
ririrouzuさん、イタリアではまた寒波が訪れているのですが、
この頃は気温が高かったこともあり、またそれほど標高が
高くないので、雪がなく、泥がちのところもありましたが、
歩きやすかったです。

森っていいですよね。
Commented by milletti_naoko at 2025-02-17 17:19
gerneremakeさん、夫はこんなふうに、森の巨木や
大木、あるいはトレッキングコースで剪定が必要だと
感じると、時々手入れをしていて、そんなとき、星の王子さま
を思い出します。

トスカーナはウンブリア州の隣なので、場所によっては州内の山や村より
トスカーナのアレッツォ県やシエナ県の山や村の方がペルージャから近い
こともあるんですよ。なんとそんなご家族がいらして日本で放映されていたとは!

すてきな旅を楽しまれる日が早く来ますように。
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by milletti_naoko | 2025-02-10 06:43 | Toscana | Comments(16)