イタリア写真草子 ペルージャ在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

ウンブリア州の無料婦人科検診に行きました 朝は子宮頸がん 昼は乳がん検査

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 イタリアの国民健康保健サービス(SSN、Servizio Sanitario Nazionale)に加入しているおかげで、住んでいるウンブリア州で、定期的にがん検診を無料で受けることができて、ありがたいです。

 わたしが暮らすウンブリア州では、

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https://www.youtube.com/watch?v=37s13s4CK90

大腸がん、乳がん、子宮頸がんの三つの検査を、定期的に無料で受けることができます。

 先週金曜日、2月21日は、朝は子宮頸がん検査であるHPV検査を受けに、うちから車で数分とすぐ近くにある診療所で受けました。

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 ウンブリア州では、25歳から29歳までの女性はパップテスト(子宮頸がん細胞診)を3年に1度、30歳から64歳までの女性はHPV検査(子宮頸がんの原因となるウイルスに感染しているかどうかを調べる検査)を5年に1度、無料で受けることができます。そうして、自宅から最も近い公的医療機関に「〜月〜日〜時に検査のためにご来訪ください」という案内の手紙が、自宅に届きます。

 検査日時は、州の地域保健所が一方的に振り分けてくるものであるため、都合が悪い場合は案内状にリンクがあるサイトで日時を変更することができますし、案内状に記されたメールアドレスに、氏名・生年月日・電話番号を記し、検査日時の変更や検査の取り消しを依頼するメールを送ることもできます。

 わたしも、案内状には12月20日の朝8時40分に検査に来るようにと書かれていたのですが、その日時には学校の授業があって行けなかったため、サイトで検査日時を2月12日の朝に変更しました。

 当日の朝は、かなり待つことになるかと思っていたら、10分ほど待っただけで番が来て、すぐに終わりました。待っている間も、次に検査をする人や、検査対象である年齢は過ぎたけれども費用を払ってでも検査を受けたいという女性とのおしゃべりが楽しかったです。

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 2月21日金曜日の午後は、乳がんの早期発見のためのマンモグラフィーを受けに、ヨーロッパ広場にある地域保健所に行きました。マンモグラフィーは50歳から74歳までの女性が対象で2年に一度実施され、こちらも本人の自宅に最も近い公的医療機関でこの日時に来てくださいという案内の手紙が、自宅に届きます。

 マンモグラフィーもHPV検査同様に、ウェブサイト上で、あるいはメールを書いて、指定された日時を変更することが可能です。わたしは、こちらも本来は2月12日の午後6時に来るようにという案内をもらったのですが、眼科医から日が暮れてからは運転しないように言われているため、案内状にあるリンク先のサイトで、日時を変更しました。

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 マンモグラフィーの方も、5分も待たずに案内されて、すぐに終わりました。

 マンモグラフィーに、日本の富士フイルムの機器が使われていることに驚き、うれしかったです。医療機器は日本製が多いんですよと、検査にあたってくれた女性が教えてくれました。

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 HPV検査もマンモグラフィーも、案内してくれた人も検査を担当してくれた人も皆女性で、そうして、とても親切でした。わたしといっしょに順番を待っていた女性が、「40歳のわたしの娘も受けることができますか」と尋ねると、受付の女性が「州の定期検診の対象でないために案内状は届きませんが、希望すれば受けられますよ。ぜひ受けるよう勧めてください。」と答えていました。



 保険証、Tessera Sanitariaは、普段なら有効期限が切れる前に送られてくるのに、2023年2月はどういうわけか期限が切れても送られてこないのを、「きっと手続き、あるいは配達が遅れているのだろう」と放置していました。ところが、ちょうどその頃、わたしたちのかかりつけ医が退職したこともあってか、わたしはその後1年間半、国民健康保健サービスに加入してサービスを受ける資格がありながら、サービスの対象外となっていたことが、地域保健所の窓口で尋ねてみて分かり、驚きました。

 その間はもちろん定期検診も受けることができなかったために、いろいろな定期検診の案内が同じ頃に来たのかもしれません。

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 50歳から74歳までの男女を対象として2年に一度行われる大腸がん検診は、SSNに再加入してすぐに、郵送型大腸がん検査キット入りの検診案内状が、うちに届きました。こちらはすでに検査を終え、異常ありませんという手紙も受け取っています。

 子宮頸がんと乳がんについても、異常がなければその旨を記した手紙が自宅に届き、何か異常があれば、検査のときに番号を知らせた携帯電話に連絡があるはずです。

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 今日の記事に載せた画像のうち、背景がピンク色のものはすべて、ウンブリア州が定期検診を促進するために作った動画から引用しています。パワーポイントのような形式で、要点を的確に伝えているものの、残念ながら音声がまったくないので、動画についてはリンクだけを添えておきます。

 便利で無料で命を救ってくれる検診を、これからもありがたく利用していきたいと思います。


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Commented by getteng at 2025-02-26 08:27
naokoさん
もうこの歳になったら癌研は受けたくないです。
Commented by meife-no-shiawase at 2025-02-26 16:29
とってもきちんとしているんですね~。
ちゃんと案内が来れば受けようとも思いますし
無料で提供してくれるとは、自分のためにも家族のためにも
きちんと受けて行ったほうがいいですね。

台湾も無料で受けられる制度があるようなのですが
献血車のようなバスが地域に来てあまり環境はよくないので
自分で婦人科とかで受けていますが、それだと面倒で先延ばしにしたり忘れちゃったり・・・

なおこさんのブログをきっかけにしばらく受けていなかったので予約しようかな、と思いました。ありがとうございます。
Commented by koito_hari616 at 2025-02-26 20:01
こんにちは

婦人科の検査は中々気が重いですね
昨年やっと市から来た測定や色々な検査はしました
オットがお勤めしていた時に健保からも来ていたし
市役所からも受診してください、でしたが。。
早期発見、早期治療ですが気が重いです
なおこさんはきちんとされていますね。。
チャンと検査を受けていたら、ご主人さまやお義父さまも
安心されるでしょうから。。。私もガンバロウ。。と、小さく言いました(∀`*ゞ)エヘヘ
Commented by milletti_naoko at 2025-02-26 21:19
gettengさん、そう言えばウンブリア州の場合ですが、
病気にかかりやすい年齢層を考慮してなののでしょうけれども、
定期検診の年齢の上限が64歳、74歳になっていますよね。
わたしの義母は、がんの再発が見つかり、放射線治療なども受けて、
最後にはかなり体力がなくなり、辛い思いをして亡くなりました。
もし再発が分からなければ、ディーパクの著書ではありませんが、
治癒したということはないまでも、もっと苦しまずに晩年を心穏やかに
暮らせたのではないかと考えたりもしています。
Commented by milletti_naoko at 2025-02-26 21:31
メイフェさん、病院に行かなければとその必要があっても、
多忙だったりめんどうだったりして後回しにする方も少なくないと思います。
婦人科の検診は、そもそも気が重いですよね。
けれども必要な定期検診を、自治体の方から声をかけて、無料で実施して
くれるのがありがたいです。

婦人科検診はやはりプライバシーもありますから、大勢が一度に受けると
なると、行きづらくなりますよね。

こちらこそコメントをありがとうございます。めんどうくさがってと言えば、
わたしも目とほくろの定期検診にしばらく行っていない上に、血液検査も
しばらくしていないので、重い腰を上げなければいけません。そう言えば、
年齢的に骨密度の検査もしないといけないのですが、学校の授業中によく
おなかがすいて、その対策にと食べすぎたこともあり、体重も体脂肪も
すっかり増えてしまったので、後の二つの検査は、しばらく食生活に
気をつけて、講座があった間は難しかった筋トレを続けて、どちらも数値が
下がった頃にしたいと考えています。
Commented by milletti_naoko at 2025-02-26 21:40
結うさん、こんにちは。おっしゃるとおりだと思います。
婦人科の検診はやはり気が引けるもので、HPV検査の前に
おしゃべりしたわたしの次の番だった女性も「初めてなので
恥ずかしい」と言っていました。それはわたしも同じだった
のですが、「毎日何人も見ているのだから、女医さんにとっては
慣れたことなので、いちいち気にされていないはず」と
励ましました。

地域保健所の方から、すでに日時を決めての連絡が来て、
「この日時に来られない場合は日時の変更を」と文書にあるので、
行かざるを得ない状況に追い込んでくれるのもありがたいです。

わたしも自発的に行かなければいけない眼科や皮膚科の定期検診、
血液検査はついついさぼってこの数年行っておりません……

歯医者の治療が終わったら、こちらも行くことにいたしましょう。
まずは新しいかかりつけ医の先生に予約を取って会うことから
始めなければ。
Commented by katananke05 at 2025-02-28 21:14
何の検査も 病院はなかなか進んでいきたいところではありませんね〜
私などは高齢になり 横浜は大概の検査は無料だし 生協にはいってるので 生協病院では無料、、というのもありで、、
今私のいきたい、、というかそろそろ行こうと思ってるのは
歯の歯石ではありますけどね〜
目の白内障手術は 無料ではないですが いかねばとおもっていますよ〜
民間保険に入ってるので
大概の手術は 支払いしてもおつりはくるのですがm、
Commented by milletti_naoko at 2025-02-28 22:00
katananke05さん、予防が何よりとは言え、
病院に足を運ぶのは気が重いですよね。
眼科医での検査はわたしも必要なのですが、イタリアでは
その前にかかりつけ医の診療所に行かねばならないのが
めんどうなところです。
そうなんですね! そう言えば最近になってラジオで、医療保険
の広告を時々耳にするようになりました。
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by milletti_naoko | 2025-02-26 07:42 | Sistemi & procedure | Comments(8)