
木曜の朝は、歯医者での治療が終わったあと、基礎化粧品を買いに中心街まで歩くことにしました。まだ麻酔は残っていたものの、鏡で顔を見ると、幸いゆがんではいませんでした。

歯医者はペルージャの中心街のすぐ近くにあるように感じていたのですが、実際に歩いてみると、坂を上らなければいけないこともあって、店は思っていたよりも遠かったです。上のグーグルマップの記事に、わたしが店へと歩いた道をピンクの矢印で書き込んでいます。スマートウォッチのGPSが記録した道が、わたしが通った道とかなり違っているのが、なぜだろうと不思議です。
さて、店に着いて購入しようと考えていたのは、上のシリーズのオーガニックのバラの香りのクリームです。
昨年の秋だったか、それとも冬に入ってからか、セラムも美容液も切らしてしまっていたのですが、仕事が忙しくて、オンラインで注文したり実店舗に足を運んで選んだり購入したりする時間もない状況でした。昨年5月の帰国で出費がかさんだ上に、学校の仕事もお役所の翻訳の仕事も、報酬がいつまで経っても出ないので、12月は金欠気味でもあり、薬草学講座で学んだことを活かして夫が数年前に作ったオイルを、「肌にはどんなクリームよりもこのセイヨウオトギリソウのオイルがいい」と講座の先生が語っていたことを思い出しながら、秋から顔用クリームの代わりに使い始めて、今も使っています。
やけどを癒すほどの力があるクリームなのだものだと思う一方、「日に当たると顔が黒くなるよ」と夫が言い、オイルなどでベとつく上に夫が作ってから少なくとも8年は経過しているので、昨年末に報酬が振り込まれてからは、クリームを買わなければとは考えていました。
けれども、いざ買おうと思うと、ローズウォーターの基礎化粧品は、そう言えば香りが強すぎたな、冬はもっとこってりとしたクリームの方がいいかもしれないと迷い始め、他のよさそうなクリームを選ぶ時間も気力もないままに時が過ぎ、怒涛の日本語集中特訓講座が終わってからも、他にもあれもこれもしなければいけないと、つい選んで購入するのを先延ばしにしていました。
セイヨウオトギリソウのオイルがもう少しでなくなるというときになって、薬草を主成分とした、できれば有機のよさそうなクリームを探そうと、ようやくインターネットで調べてみたのですが、口コミもどこまで信用できるか分からないと思い、結局は先のオーガニッククリームを買うことにして、歯医者のあと、このクリームを置いている中心街の店を訪ねたのです。

環境や健康、世界の皆の幸せを考えて商品を選んでいる店なので、「香りがやや強いので(今上の記事を読み返すと、香りが気になったのはセラムでクリームではなかったのですが)もし他にこれはというクリームがあれば、それも考慮に入れたいのですが、いい商品があるでしょうか」と店の人に尋ねてみました。
そうしたら、店の人から勧められたのが、右手のGaiahという企業の顔用クリームとヒアルロン酸・ビタミンC・モウズイカのセラムでした。ウンブリア州の企業が、州で育つ野の草や花を使い、成分にも細心の注意を払って作っている基礎化粧品であると聞き、地元の緑、自然の草花を使い、その成分を生かして作ったクリームやセラムとはすばらしいと、購入を決めました。
Todi (PG), Umbria 13/4/2024
いつも見ては美しいと感嘆している野の草花を原料とした基礎化粧品を使って、しかも地元の企業の支援ができるとはいいなあと喜び、使うのを楽しみにしていたのですが、ところが家に帰って、上の写真にも写る商品のリーフレットを見て驚きました。そして、インターネットで調べてみて、さらに驚きました。
リーフレットにもサイトにも、この企業の住所と電話番号、メールアドレスがまったく書かれていないのです。強いて言えば、クリームとセラムの容器に貼られたラベルには、住所とPartita IVAが、サイトにはPartita IVAが書かれています。そうして、「チームが30年研究を重ね」と説明にはあるのに、ラベルに記載された住所をグーグルマップで調べると、2023年に撮影した写真らしいとは言え、住宅街のマンションがある番地のようで、工場らしきものはいっさい見当たりません。Partita IVAは確かに存在するものの、人名であって企業名ではありません。
店でクリームとセラムを購入した木曜の午後に、サイトにある問い合わせフォームから、そういう疑問を書いて尋ねたのですが、まったく返事がありません。そう言えば、クリームの安全性などについて、検査機関の認証などもいっさいありません。
そのため、本当にこのクリームは、ウンブリア州の企業が州に育つ草花を使って健康に配慮して作っているのだろうかという疑問が湧きました。そうして、連絡先がないということは、もし何か問題があっても、責任を取ってもらうことも、補償を受けることもできないということであって、そういう企業の商品を使うことは避けたいと思うようになりました。
というわけで、今しばらく、先週の初めまでは企業からあるかもしれない返事を待ち、返事がなければ店に出向いて返品し、ローズウォーター入りのオーガニッククリーム、あるいは店の人が使って気に入っているという別のメーカーの基礎化粧品を代わりに買おうと考えています。
地元産を謳う基礎化粧品の謎とでも申しましょうか。
皆さんだったら、どうされますか。わたしが考えすぎなのでしょうか。それとも、もっと確認してから買うべきだったのでしょうか。実際に企業を訪ねて、記事を書いて応援したいとさえ思いながら帰宅しただけに残念です。
*追記(イタリア時間3月1日15時11分) 店に行って事情を話し、返品をして、記事でも言及しているオーガニックのバラの香りのクリームなどを代わりに購入しました。
企業の人と電話で話したり説明を聞けたりしたのがすでに新たな商品を購入して店を出る間際となったために、そういうことになったのですが、どうやら企業自体は新しい信頼に値する企業のようです。他の企業で長年化粧品作りのために研究をしていた生物学者である女性が、今回新たに企業を起こすこととなり、ウンブリア州に育つ植物を使ってウンブリアの企業が作るということで、わたしが購入した店も実際に彼女に会って話を聞いて、地元の企業を支援するという意味もあって、商品を置き始めたのだそうです。 わたしが調べた住所に工場がないのは、かつて勤めていた企業の商品も作っていたジェノヴァの工場に生産を委託しているからで、住所や電話番号の記載、わたしの質問に対しての返事がないのは、何かと慌ただしいために、サイトに情報を載せたり、質問を読んで返事をしたりする時間がなかったためだそうです。店の人も、近いうちに彼女を呼んで説明会を店で開きたいと言い、オルヴィエートにある農家から原料となるさまざまな植物や植物由来の成分を取り寄せていると企業の人にも聞きましたので、今後またそういう機会や店を通じてもっとよく企業を知り、またこのGaiahのクリームを使ってみたいと考えています。
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