一面にアネモネ咲く道を登ってアクート山へ

　コルフィオリートは、赤いジャガイモの産地として知られるウンブリア州の高原です。

12/4/2025
　上の写真で左手下方に広がって見えるのが、標高約８００mの高みにあるコルフィオリートの高原です。
　今日はその高原近くに建つ修道院（クリーム色の鐘楼と建物が中央よりやや左に写っています）からなだらかな山道を登って、

アクート山（Monte Acuto）を目指しました。すぐ上の写真の奥、右手に見える三角形の山がアクート山で、その左に見える山頂のなだらかな山はペンニーノ山です。手前に咲くの赤とクリーム色の花は、自生の蘭の花です。
　わたしは今日こそオルヴィエートに行って、おいしい寿司と刺身を食べて、オルヴィエートの町で藤の花を見たいと考えていました。先週土曜日に行くはずだったのに、朝になって友人たちから登山の誘いがあり、行けずじまいだったからです。ところが夫が今朝「しばらく山に登っていないから山に行きたい」と言うではありませんか。

　そこで、今朝だったか昨日だったか、この昨年４月に書いた記事を目にしたところだったので、きっと野の花が美しいに違いないと考えて、修道院からアクート山へと登りましょうと提案したのです。

　今まではアクート山に登るときは、アクート山の西側から車で砂利道をしばらく登り、駐車場に車を置いて登っていました。
　ところが昨年最後に登ったときに、その砂利道が進入禁止になっていたので、今日はかなり南方にある修道院から登っていくことにしました。この修道院から北の方へと登っていったことはこれまでにも何度かあって、登りが比較的なだらかで、途中からとても見晴らしがいいことを覚えていたからです。

　ところが今年はアクート山に着くと、昨年は４月半ばに花がたくさん咲いていた斜面まで歩いてみても、花がほとんどありません。

　けれども、アクート山の標高約１１００mと思われるところまで登ったおかげで、雪を頂くシビッリーニ山脈がきれいに見えました。

　今調べてみると、アクート山の花が美しいのは、例年は５月半ばであることが多いようで、去年は例外だったようです。

　期待していた色とりどりの花を見られなかったのは残念でしたが、修道院から山道を登ると、道端にスミレやプリムラ、アネモネなど、野の花が咲いていました。

　中でもアネモネは、かなり広い範囲にわたって一面に咲いているところがいくつもあって、まるで花の園のようだと感嘆しました。

　こんなふうにわたしたちが歩くすぐ道のそばに咲いているだけではなく、

ずっと下の方まで一面にアネモネが咲いていたのです。

　アネモネが一面に咲くところは、スポレートのフィオンキ山でも見かけたことがあるのですが、今日歩いた道にはそういう場所がいくつもあって、しかもアネモネの自然の花園がどこまでも続いているので驚きました。
　イタリア中部では明日から雨の日が続くという予報が出ています。オルヴィエートよりもかなり北にあるペルージャでも、藤の花がかなり咲き始めています。おそらく今年はオルヴィエートで藤の花は見られないかもしれません。
　でもその代わり、びっくりするほど山じゅうに咲くアネモネの花を楽しみながら歩くことができて、うれしかったです。

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