イタリア写真草子 ペルージャ在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

ありがとう フランチェスコ教皇

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 昨日は記事を投稿したあとになって、帰宅した夫からローマ教皇フランシスコが亡くなったと聞いて驚きました。



 2013年3月にPapa Francescoが新たな教皇となったとき、わたしはその初めてのあいさつを聞いて、こんなふうに書いています。

 愛と清貧に生きた聖フランチェスコの名を、史上初めて名として選んだ新しい教皇、Papa Francesco。教皇として、初めてのあいさつも、素朴な温かさと愛に満ちていて、カトリック教会が頑なな姿勢を取り続けてきた今、世界各地で問題を抱えていて難しい時代に、新しい風、優しい光を与えてくれそうだと、うれしくなりました。

 そのときに感じたとおり、フランチェスコ教皇は、常に弱い人に寄り添い、愛を重んじて、カトリック教会で、世界で、平和や皆の幸せのために貢献してくださいました。

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Greccio (RI), Lazio 16/2/2013

 アッシジのあるウンブリア州に生まれ育った義父母は、アッシジの聖フランチェスコをことさらに敬愛していて、結婚記念日に、聖フランチェスコを記念する日である10月4日を選んだほどです。

 今は亡き義母は、神父だった兄の教会活動を家族で支えてきたこともあり敬虔で、どの教皇もとても敬っていたのですが、フランチェスコ教皇は中でも特別で、キリスト教徒の家族向けの雑誌にあった大きな写真を切り取って台所の壁にさえ貼るほどでした。



 イタリアでは歴史的に、カトリック教会がその教義からイタリア国民の権利に関わる法律やその制定にも干渉するきらいがあったのですが、フランチェスコ教皇は教義よりも愛や人の幸せにこそ目を向ける方でした。

 昨夕は、教皇の死を悼んでのことでしょう、聖フランチェスコと聖キアーラの人生を語る映画も放映されていて、わたしも途中からですが夫といっしょに見ました。

 もっとあれこれマスコミでの取り上げ方など調べてお話ししたいところですが、実は土曜の夕方から体調を崩して、復活祭も祝いの食事にさえ参加できず、ずっと静養中なのです。というわけで、思うところをとりとめなく書いて投稿いたします。

 日曜の正午過ぎに起き出してテレビで見たフランチェスコ教皇のあまりにもお辛そうな姿に心が痛みました。高齢と病苦にも関わらず、皆のために十字架を背負い続けたフランチェスコ教皇が安らかな眠りにつかれますよう、心からお祈りいたします。わたしなどが祈るまでもなく、きっと今頃天国で聖フランチェスコと手を取り合われているのではないかと思うのですが、「皆さん、どうかわたしのために祈ってください」と生前よくおっしゃっていた教皇ですもの、わたしもささやかながら世界中の大勢の人々と共に、お祈りします。

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 写真は、歴史上初めてのプレゼーペを聖フランチェスコが実際の人や動物を使って設置したグレッチョで数多く見かけた聖フランチェスコの絵の一つです。

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Commented by saheizi-inokori at 2025-04-22 18:18
10月4日は亡妻との結婚記念日です。
急に亡き教皇が親しく感じられました。
Commented by getteng at 2025-04-22 19:22
naokoさん
昨日は、老生のリストからお二人の名が残念ながら削除されました。
不謹慎ながら、フランシスコ教皇と俳優の山口崇です。
もちろん、老生とは何ら関係はありませんが、同じ生まれ年の方を都度メモっておいたものです。
謹んでお悔やみ申し上げます。合掌
Commented by katananke05@ at 2025-04-22 22:16
わたしも 土曜日には忘れていたイースターを 翌日20日の朝思い出し あわてて
教会にいったこと いまブログに出してますが
其のイースターのお祝いのメッセージも 苦しいお体で バルコニーから集まった方々に
祝福を贈られ 翌日の朝 なくなられたとか、、
最後まで 世界中みんなの 幸せをいのられた すばらしい  Papa 様でしたね〜
そう言ってはなんですが 1番 慈愛にみちた方であったと 私は感じております〜
アッシジのフランチェスコのように 清貧に過ごされたとも聞いていますし、、
心からご冥福を お祈り申し上げます〜
Commented by きょっこ at 2025-04-23 00:10
教皇様の帰天は英国でも大きく報道され、昨日の朝はBBCも追悼番組を早々に開始して報道していました。復活祭当日にバルコニーに出てご挨拶されて、まさに最後の一時まで皆に尽くされたように思います。死は終わりではなく、次の何かの始まりであるという意のお言葉も残されたとのことでした。ある神父様は、この世を去るのにこれ以上絶妙なタイミングはないとコメントしていました。
教皇フランシスコはいろんな「初めて」をなさった方ですよね。日本と関係が深いイエズス会出身であることも忘れられません。無事に父のもとに戻られますようお祈りしたいと思います。
Commented by koito_hari616 at 2025-04-23 14:31
こんにちは
なおこさん、体調のお加減は如何でしょうか?
時節柄お気をつけて下さい

聖キアーラと言う聖人の方のお名前は分かりませんでしたが
調べてみれば「ブラザーサン シスタームーン」のシスタームーン聖クレアの事だったのですね
フランシスコ教皇のお顔はとても優しく慈愛に満ちていました
ご帰天される前日の復活祭のバルコニーに出られたお顔はお辛そうでした
神に仕え民に仕え。。最後の最後まで貫かれたことと。。。
今は父なる神のもとで休息されておられる事と思います
感謝と愛を捧げたいと気持ちでいっぱいです

Commented by meife-no-shiawase at 2025-04-23 21:51
なおこさん。

とても丁寧で温かいブログに、胸がいっぱいになりました。
教皇フランチェスコが残された数々の言葉と行動、そのひとつひとつが、
どれほど多くの人々の心に希望の光を灯してきたか…改めて感じました。

聖フランチェスコの精神を体現されるようなそのお姿は、
本当に、今という時代に必要な「やさしさ」や「祈り」を私たちに届けてくださっていたのだと思います。

お義母さまとの思い出や、グレッチョでの絵のエピソードにも心が温かくなります。
きっと今頃、聖フランチェスコと笑顔で再会されているのでしょうね。

ご体調が優れない中、こうして大切な想いを綴ってくださったことにも感謝を込めて。
どうぞゆっくりお休みになってくださいね。
Commented at 2025-04-24 01:00
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by milletti_naoko at 2025-04-28 18:27
saheizi-inokoriさん、なんとお二人も結婚記念日が10月4日だったのですね!
Commented by milletti_naoko at 2025-04-28 18:42
gettengさん、世界の指導者の中に、その資質が危ぶまれ、
どんな方向に世界を導いていくか思うと恐ろしい人物が多い中、
平和と平等、弱者に目を向ける大切さを説き続けたフランチェスコ教皇
だけは数少ない灯火の一つでした。
どうか次の教皇もその志と活動を受け継いでいく人でありますように。
Commented by milletti_naoko at 2025-04-28 19:18
katananke05さん、日本ではキリスト教徒の方が少ないので、
信者の方それぞれが気をつけていないといけないのですよね。
イタリアでは、四旬節の始まりである灰の水曜日から復活祭まで、
教会でもそれぞれの日に応じた催しがある上に、テレビでも
放映があり、学校が休みになり、連休を利用して旅行に出る人もいて、
何よりクリスマス休暇と並んで遠方に住む家族が帰省する時期でもあり、
キリスト教徒でない人も意識せざるを得ない日です。

弱い方への愛に満ち、平和を願い、それを行動に移し続けられた方でした。
どうか続く方もその志と活動を継ぐ人でありますように。
Commented by milletti_naoko at 2025-04-28 19:21
きょっこさん、英国でも大きな報道、追悼番組があったのですね。
イタリアでも追悼番組や報道が相次いで今も行われています。
本当に、聖年の復活祭という大きなおつとめを終えられてのご逝去でしたよね。
Commented by milletti_naoko at 2025-04-28 19:25
結いさん、こんにちは。ありがとうございます。
おかげさまで少しずつ体調を取り戻せています。
そうなんです。Santa Chiaraは日本では聖クレアとして
知られていたのですね!
復活祭の様子、日本でも放映があったとは。
本当に結いさんがおっしゃるとおりで、キリスト教徒ではないわたしも、
フランチェスコ教皇には感謝の気持ちでいっぱいです。
Commented by milletti_naoko at 2025-04-28 19:31
メイフェさん、ありがとうございます。
イタリアではどんな風に受け止められているか、報道されているかに
興味がおありの方も多いだろうと思いつつ、その気力と元気がなくて
個人的に心に思うことをわたしの視点から書いたので、温かいコメントを
いただいて、とてもありがたいです。

ガザの教会の方と毎日連絡を取ったり、刑務所の人々を訪問して回ったり、
いろんな意味で世界的に社会的に弱い立場にある人たちの側に常に立った
方でした。

ありがとうございます。おかげさまで、少しずつ体調を取り戻すことができています。
Commented by milletti_naoko at 2025-04-28 19:33
みーはさん、温かいお言葉をありがとうございます。
おかげさまで少しずつ体調を取り戻すことができています。
体調を管理をいろいろな意味でもっとしっかりしなければと
つくづく感じました。
Commented by milletti_naoko at 2025-04-28 19:33
みーはさん、温かいお言葉をありがとうございます。
おかげさまで少しずつ体調を取り戻すことができています。
体調を管理をいろいろな意味でもっとしっかりしなければと
つくづく感じました。
by milletti_naoko | 2025-04-22 16:43 | Notizie & Curiosita | Comments(15)