グッビオで小羊肉 マッテオ神父のバールでカフェ ゴッホ展に行く前に

　イタリアでは労働の日で国民の祝日だった昨日は、グッビオで開催中のゴッホの没入体験型展覧会の最終日だったので、グッビオにその展覧会を見に行きました。

　昨日は午後５時から、夫のマルケ州に住む従兄が属するバンドが、レストランの広場で演奏しました。今週はイタリアでも連休の日々が続き、昨日は国民の祝日でもあったので、夫は「どこに行っても混雑するから、家で過ごして夕方に従兄の演奏を聴きに行こう」と言っていました。
　わたしがゴッホの展覧会を見にグッビオに行きたいと言うと、夫は早めに家を出てグッビオで展覧会だけ見てから演奏がある村に行こうと提案したのですが、わたしが「ペルージャから車で１時間ほどかかるグッビオまでせっかく行くのだから、早めに行ってレストランで昼食を食べて、散歩も楽しみましょう」と言い、なんとか説得に成功しました。

　かつてクッコ山の高みにあった、眺めがすばらしい上においしいレストランが、数年前にグッビオに移転してしまったと知って以来、いつかグッビオに移ったその店で食べてみたいと考えていたので、ちょうどいい機会だと思ったのです。

　レストランの名前は、Ristorante Il Lepreです。lepreはイタリア語でうさぎのことなので、店頭に大きく掲げたウサギの絵の看板を見て、この店だとすぐに分かりました。

　門の向こうに、町並みと青い山が見えてきれいです。

　イタリアでは復活祭の料理というと子羊の肉で、今年の我が家の大家族での復活祭の昼食でも、皆は子羊の肉を食べたのですが、わたしは体調を崩していて、食べられずじまいでした。それにウンブリア州では子羊肉がメニューにあるレストランは珍しいのです。そこで、わたしは子羊肉のカツレツを、夫は黒トリュフのラビオリを、ミックスサラダと共に食べました。
　あのかつてのすばらしい山の風景はないものの、落ち着いてゆっくり食べられて、値段もお手頃でよかったです。

　ゴッホ没入型展覧会の会場であるコンソリ宮殿のすぐ近くには、

日本でも『マッテオ神父の事件簿』の名で放映されたイタリアの長寿人気推理ドラマ、『Don Matteo』で、ドン・マッテーオとチェッキーニ准尉が、しばしばチェスのゲームを楽しんだバールがあります。

　食後のコーヒーをそのバールで飲んだら、店内にはドラマの場面や登場人物の大きな写真が、壁にたくさん飾られていました。今ではドラマの舞台はスポレートに移ってしまったのですが、かつて舞台がグッビオだった頃のことが思い出されて、懐かしかったです。

　さて、昨日行ったレストラン・イル・レープレは、歴史的中心街の南東の端近くにあります。一方、いつもわたしたちが利用している広い駐車場は、上の地図でピンクのアステリスク、＊を記したあたりにあります。
　出発前にグーグルマップで調べると、駐車場から店まで歩いて１７分で、決して近くはなく、レストランの近くの方が無料の駐車場が見つかりやすそうでした。けれども、いつもの駐車場の方が展覧会の会場から近いからと、古代ローマ円形劇場跡近くにあるその駐車場に行きました。連休中でしかも国民の祝日だったので、その駐車場がほぼ満車だったのに驚いたものの、幸い空きが見つかって駐車できたのですが、

前回訪ねたときまでは無料だったこの駐車場が有料になっていたので、さらに驚きました。３時間で５ユーロ未満ですから、それでも、ペルージャ中心街の駐車場に比べればかなり安いのではありますけれども。

　駐車場とレストランが離れていたので、レストランへと歩きながら

町の風景を楽しみました。

　町の伝統のロウソク祭りが近づき、多くの家にそれぞれの地区の旗が飾られています。

　藤やセイヨウハナズオウの花が彩る通りもありました。

　店のすぐ近くに、グッビオの裏にある丘へと登るロープウェイがあります。ドン・マッテーオシリーズにも登場したこのロープウェイですが、かつてトレンティーノのアルプスで同じようなロープウェイに乗り、途中で風に揺れたり止まったりして恐ろしい思いをしたこともあり、わたしは決して乗るつもりはありません。グッビオの町の裏にある丘には歩いて登ることもできるので、歩いて行ったこともあります。眺めを楽しみたい人が多いようで、ロープウェイ乗り場にも、昨日は大勢の人の姿が見えていました。

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