イタリア写真草子 ペルージャ在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

風情ある村のツバメと宿に預けた身分証明書・パスポート返してもらい忘れ困った話

風情ある村のツバメと宿に預けた身分証明書・パスポート返してもらい忘れ困った話_f0234936_04225990.jpg
 ひょんなことから1泊することになったアブルッツォ州ラクイラ県の村、タッリャコッツォ(Tagliacozzo)で、泊まった翌朝、せっかくだからと村を散歩していたら、

風情ある村のツバメと宿に預けた身分証明書・パスポート返してもらい忘れ困った話_f0234936_23470481.jpg

先を歩いていた夫が立ち止まって上の方を見上げています。

 いったい何を見ているのだろうと、夫の視線の先を見てみたら、

風情ある村のツバメと宿に預けた身分証明書・パスポート返してもらい忘れ困った話_f0234936_23485091.jpg

巣にツバメの子が1羽います。山を歩いていても車を運転していても、どうしてそんなところまで視界が及ぶのだろうと思うほど、夫の目に入る風景は広く、しかも視力がとてもいいので、はるか高みにある小さな巣の小さなツバメも目に入ったのでありました。

 村にはこの時期ツバメが多い上に、夫が隅々までよく眺めるおかげで、この日はこのあとも村の散歩中に、

風情ある村のツバメと宿に預けた身分証明書・パスポート返してもらい忘れ困った話_f0234936_23580606.jpg

こんなに高いところにかかる電線の上や、

風情ある村のツバメと宿に預けた身分証明書・パスポート返してもらい忘れ困った話_f0234936_00101939.jpg

他の電線の上に

風情ある村のツバメと宿に預けた身分証明書・パスポート返してもらい忘れ困った話_f0234936_00105050.jpg

いるツバメたちに気づくことができました。

 遠い昔、2014年7月14日のお話です。7月12日にラッツィオ州のオルヴィーニオに行ってノルチャの聖ベネデットについての会で興味深い話を聞いたあと、オルヴィーニオに宿泊し、その翌日だった7月13日に、アブルッツォ州のグラン・サッソ・エ・モンティ・デッラ・ラーガ国立公園へと車で向かいました。ところが、あちこちに寄り道して、ようやく高峰が遠くに見えてきた頃になって、

風情ある村のツバメと宿に預けた身分証明書・パスポート返してもらい忘れ困った話_f0234936_00295685.jpg

夫が前夜宿泊した宿に、身分証明書、Carta d'identitàを預けて返してもらわないままに出発してしまったことに気づきました。

 宿に電話すると、ペルージャの自宅に郵送してくれるとは言ったのすが、そのあとも旅先で数泊する予定があり、宿泊先で身分証明書の提示を求められるときは、運転免許証でよしとしてくれる場合も多いのですが、身分証明書でないと困りますという宿も時にあります。万一郵送中に紛失しても困るからと、気づいてすぐにオルヴィエーニオの宿まで引き返し、身分証明書を受け取りました。

風情ある村のツバメと宿に預けた身分証明書・パスポート返してもらい忘れ困った話_f0234936_00350853.jpg

 その時点ですでに遅かったので、「ここから近く、アブルッツォに行く道沿いにあって、宿泊と観光によさそうな村はどこですか」と宿の人に尋ねました。助言に従って車で向かい、その晩泊まったのが、ツバメをたくさん見かけたこちらのタッリャコッツォの村だったのです。


 当時のブログ記事を今ざっと見てみると、このとき初めて訪ねて感動したグラン・サッソの高峰やカンポ・インペラトーレの高原、そのあと訪ねた友人たちが参加した展覧会、眺めのすばらしいロッカ・カラッショの古城跡については書いているものの、ひょんなことから訪ねることになったタッリャコッツォについては、まったく言及がありません。

風情ある村のツバメと宿に預けた身分証明書・パスポート返してもらい忘れ困った話_f0234936_04134918.jpg

 宿泊の際に提出する身分証明書は、宿の人が宿泊者の情報を記載するために必要なので、その記載が終わったらすぐに返してくれることが多く、いずれにせよチェックアウトまでには返してくれるのですが、聖ベネデット会についての催し(上の写真)があったオルヴィーニオの宿は、夫婦が経営するB&Bで、到着時にわたしたちの身分証明書を預かった人とチェックアウトの際に部屋の鍵を返した人が違ったこともあり、うっかり向こうが返し忘れたことに、こちらも気づかずに出発してしまいました。

 そう言えば、わたしがまだ二十代の頃、カナダで赤毛のアンの島、プリンス・エドワード島を訪ねたとき、なくさないようにと滞在中宿の人に預けていたパスポートを、出発時に返してもらうのを忘れてしまい、タクシーで空港に着いて初めて気づいて困ったことがありました。そのときのタクシーの運転手さんが元警官で、親切にすぐに宿に戻ってパスポートを持ってきてくださったおかげで無事帰国することができたのですが、こういうことも起こり得るので、大切な身分証明書やパスポートを宿の人に預けるときには、返してもらうのを忘れないように気をつけないといけません。

↓ 記事がいいなと思ったら、ランキング応援のクリックを♪
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ  

ブログテーマ:鳥撮り
Commented by soratokumo214 at 2025-05-16 07:23
昔の話と言っても、
人生100年の時代に生きていく人間には、
大事なことは心にとめていきます
Commented by milletti_naoko at 2025-05-16 19:23
soratokumo214さん、一口に昔と言っても、
それぞれに遠い昔と考えるときがいつかという違いも
あり、心にとどめたいことも多々ありますよね。
Commented by nonkonogoro at 2025-05-17 08:31
パスポートも大事ですが
国内宿泊の際でも 身分証明カードは必要なのですね。
今のところ 日本では マイナーカードの提示は必要ないので
あまり持ち歩いていません。
早めに気づけて よかったですね。。。
Commented by koito_hari616 at 2025-05-17 13:57
こんにちは

冒頭の1枚目の画像の建物の色がとても素敵ですね
オレンジ色の白が混じったようなレンガ色ではない
温かみのある色とアーチ型の門らしきもの
そして、ツバメたち。。童話でツバメの描写で前の白い所に
蝶ネクタイの絵を見たことが有ります、燕尾服のようです

身分証明書は日本でも近ごろは色々と不穏なことが有るだけに
そちらではもっと大変なんでしょうね
早く気付いて手元に戻って良かったです
Commented by ciao66 at 2025-05-17 16:43
なるほど、ツバメを発見するには、良く見える目が必要なのだと、あらためて感じました。
ぼやっとした目で見ても、目の前を通り過ぎれば気づくでしょうが!
昔よく見たツバメも最近はあまり見無くなってしまいましたが、
散歩の途中で鳥が飛んでいれば、注意を向けてみたいと思います。それがツバメならすぐに判るでしょう!
Commented by katananke05 at 2025-05-17 22:28
燕は昨今 わが町ではみかけないです〜
駅前が開発前は お店の軒下に巣があったのですけどね〜

パスポート、、 昔シンガポールからマラッカにバスでのツアーに寄ったレストランで 夫がバッグごと忘れ、、
途中で バスのガイドさんがレストランに連絡してくれたらそのままあって、、 帰りに 受け取ることができ
命が縮まりましたよ〜
Commented by milletti_naoko at 2025-05-18 13:46
のんさん、イタリアでは宿の人が宿泊者情報を記載しなければならず、
そのために必要なんです。
ありがとうございます。かなりの距離を移動したあとでしたが、
気づけてよかったです。
Commented by milletti_naoko at 2025-05-18 13:53
結うさん、そうなんです。
わたしも今回写真を見返してみて、この辺りに並ぶ
家の色がきれいだなと思いました。
イタリアではずいぶん前から、宿泊者情報は宿の側がきちんと
記載しなければいけないことになっているのですが、やはり
ヨーロッパは陸続きて他の国からの旅行客が多いということも
あるのかもしれませんね。
Commented by milletti_naoko at 2025-05-18 13:58
ciao66さん、よく見える目と観察眼が必要なのだなと、夫といると
わたしも思うのですが、それにしてもどこまで見ているのよと驚く
ことがしばしばあります。空のはるか高みに飛んでいる猛禽類に
車の運転中に気づいてあいさつしたりしていて、前も見て運転しないと、
と思うことも……
Commented by milletti_naoko at 2025-05-18 14:02
katananke05さん、日本でもツバメが暮らしにくい建物や町に
変わりつつあるのですね。

なんとそんなことがあったとは! 無事に受け取ることができて、
本当によかったですね。
by milletti_naoko | 2025-05-16 00:53 | Abruzzo | Comments(10)