イタリア写真草子 ペルージャ在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

中世の水道橋を歩けば眼前に古城スポレート

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4月26日土曜日に、遠来の友人たちとスポレート南方にそびえるフィオンキ山へと歩き(記事はこちら)、

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26/4/2025 Spoleto (PG), Umbria 26/4/2025

夫の車で皆で山を下っていくと、雲と山の向こうに沈もうとする夕日が輝くのが見えました。

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 せっかくだから夕食はスポレートの歴史的中心街で食べようと、スーパーの駐車場に車を置いて、長いながい坂道をどんどん上っていきます。

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 レストランは土曜の夜は予約しないと食事ができないほどにぎわいます。皆でよさそうな店を探し、店頭の料理名や料金が記されたメニュー表を見てから店内に入って尋ねるのですが、この土曜日は、祝日だったイタリア解放記念日の翌日で、連休中でもあったため、どの店も満席でした。

 スポレート中心街には夫のお気に入りの店があるのですが、土曜の午後、友人たちが本来行きたいと言っていたのは別のもっと遠い町だったので、ペルージャを出る前には予約をしていませんでした。義父も交えてうちで5人で昼食を食べてから出発したら遅くなったので、ペルージャから近い(と言っても車で1時間ほどかかる)スポレートのフィオンキ山へと歩くことにしたのです。

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 フィオンキ山近くの電話がかけられる場所から夫の好きな店に電話してもつながらず、ようやく電話がかかったときには、満席で外で待つ人もいるという状況でした。夫はそれでも顔を見せたら空きを作ってくれるのではないかと考え、店に行ってみたのですが、やはり無理でした。

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 そうこうするうちに空がたそがれて暗くなり、照明に浮かび上がる大聖堂がきれいです。

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 こちらの噴水が美しいメルカート広場で、ようやく食事にありつけたのは、午後9時半頃のことでした。風も吹いて寒い中、外のテーブルにも椅子が並び、ハンバーガーなどのファーストフードが食べられてアルコールも飲めるバールがあって、幸い店内にも空席がありました。入り口の扉が開いていて外の冷たい空気が入り、もともと体調を崩していてようやく復活したわたしは、後からこの食事のためにおなかを壊したようにも思うのですが、探し回った末にようやく食事ができる店が見つかってよかったです。

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 夕食後はスポレートの中心街をさらに高みへと登り、

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古代の水道橋跡を利用して中世に築かれた、送水路であると同時に、スポレートの町を高みに頂く丘と、その向かいにある古代からその森が聖なる森とされ、多くの修道士が祈りを捧げたモンテルーコ(下のリンク先の記事に写真あり)を結ぶ役目も果たした橋、Ponte delle Torriへと向かいました。


 高さ80m、長さ約230mで、現在の姿となったのはおそらく13世紀から14世紀にかけてであろうと推測されるこの橋は、長い間工事中で全面通行止めでした。

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 行ってみると、工事が終わり、歩いている人がいたので、

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 わたしたちも久しぶりに歩いてみました。

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 橋の向こうに見える建物は町を頂く丘のてっぺんにあるアルボルノス城塞で、ドラマのドン・マッテーオシリーズでは刑務所という設定になっているのですが、実際には今では国立スポレート公国博物館(Museo Nazionale del Ducato di Spoleto)となっていて、ランゴバルド人やスポレート公国ゆかりの展示があるとのことなので、ぜひ一度訪ねてみたいと考えています。

橋を歩いたあとは、長い坂道を下って、駐車場へと向かいました。

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 上から2枚目の写真で手前に写っているのは、国立考古学博物館の入り口で、考古学博物館のそばには古代ローマの円形劇場があり、博物館と共に訪ねることができます。この日の晩は博物館は閉まっていましたが、円形劇場を上からこんなふうに見られる広場があるので、途中で寄り道して劇場を一目を見てから、さらに駐車場へと下って行きました。

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 ようやく車に戻り、ペルージャへと走り出したときには午後10時半を過ぎていましたが、走る車の中から、つい先ほど訪ねたばかりの橋とアルボルノス城塞が見えて、うれしかったです。


 4月の記事でお話ししましたように、この日の晩はペルージャ郊外の山の家に泊まり、翌日曜日は家の周囲でのんびり過ごしました。

 4月下旬から5月初めはイタリアでも連休で、前半は体調を崩し、後半はあちこち出かけたために、まだ記事に書けていないことや、記事は書いたものの詳しくご紹介できていないことがたくさんあります。時間を見つけておいおいご紹介していけたらと考えています。

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Commented by ciao66 at 2025-05-19 21:36
夜の水道橋の上を歩く!なかなかスリリングですね。
ライトアップされた光景が、とても美しいです。
レストラン探しが大変でしたが、なんとか見つかってよかったですね。
Commented by getteng at 2025-05-20 11:36
naokoさん
まるで遺跡の中で暮らしているようなものですね。
Commented by katananke05 at 2025-05-20 13:50
照明で浮かび上がる大聖堂〜
漆黒の空に見事に美しい〜

9時過ぎまで 夕食にありつけず探し回ったのは 辛かったですね〜
それからまた 高みに登り 水道橋も歩くとはみなさま 健脚ですよ〜
Commented by milletti_naoko at 2025-05-20 17:09
ciao66さん、こういう場所なので夜は通れないんじゃないかと思ったら、
歩けたので驚きました。夜ならではの風情があってよかったです♪
ありがとうございます。中心街のはるか下方にも店があったので、そこで
食べておけばよかったですが、夫も友人もまさかここまで店が見つからないとは
思わなかったのでしょう。
Commented by milletti_naoko at 2025-05-20 18:18
gettengさん、スポレートもペルージャもオルヴィエートも、
古代や中世など、古い遺跡が今も残っていて、現在でも活用
されている建造物があるので、確かにおっしゃるとおりです。
Commented by milletti_naoko at 2025-05-20 18:24
katananke05さん、いつ見ても美しいなあと思います。
内部のフレスコ画もすてきなんですよ。

ウンブリア州では夕食時間は8時頃と日本に比べて遅くは
あるのですが、それにしても登山のあとでもあり、遅く
なってしまって困りました。そうなんです。中心街は
坂を登らないと行けないし、店だって見つからないだろうから、
帰り道沿いにある登る必要のない店にしたらと、体調がまだ完全には
戻っていな買ったわたしは提案したのです。まあ、おかげで
美しい夜の町を楽しむことができました。
by milletti_naoko | 2025-05-19 19:56 | Umbria | Comments(6)