イタリア写真草子 ペルージャ在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

スミレ 蘭 リンドウも咲くカステッルッチョ 青空の高原と水仙が新しいプロフィール画像

 今年はフィオンキ山の頂上付近に咲くのを見損ねてしまった自生の水仙が、カステッルッチョ・ディ・ノルチャ(Castelluccio di Norcia)の高原にはどうか今も咲いていますようにと

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Pian Grande, Castelluccio di Norcia, Norcia (PG), Umbria 25/5/2025

願いながら訪ねたピアン・グランデ(Pian Grande)では、念願の花が見られてうれしかったのですが、この日最もたくさん咲いていた花は、

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高原を黄色く彩るキンポウゲ(ranuncolo)の花です。

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 けれども、広大な高原を歩いていくと、viola di montagna「山のスミレ」と呼ばれるスミレも、レモン色の花や

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薄紫色の花、そして、青い花が咲いているのを見ることができました。

 高原のこのあたりは、車道を離れて奥へと歩いていくと、緑の草が生える地表を、時に1センチから3センチほどの高さまで水が覆っているところがそこかしこにあります。水が深いところには花が咲かず草が生えるばかりなのですが、水が少しあるところには、

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キンポウゲや水仙と共に、赤紫の蘭(orchidea)の花も咲いていました。

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 頭上を流れる雲で日かげになると、

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同じ花の色も違って見えます。

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 標高の高い山でだけ見ることができるリンドウ科リンドウ属の花、ゲンチアナ・ウェルナ(学名 Gentiana verna)の青の深い花も、咲く花にいくつか出会いました。イタリア語ではgenzianella di primavera「春の小さいリンドウ」というこの花を、夫はいつもただジェンツィアネッラ(genzianella)とだけ呼んでいます。

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 まだ歩き始めてまもない頃に、丈の高い草に隠れてこの花が咲いていることに、夫が気づいて教えてくれました。

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 タイム(timo)は、イタリア中部では野山や森で草原に群生するのをよく見かけるのですが、この日は珍しいことに、岩を覆うように咲く花がありました。

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 どの野の花も会えるとうれしいのですが、この日ことさらにうれしかったのは、楽しみにしていた自生の水仙(narciso selvatico )口紅水仙(学名 Narcissusu Poeticus)が咲いていたことです。

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 この高原で初めて自生の水仙を見た2020年5月18日は曇り空で、次に訪ねた2023年5月21日には、空が曇っていたばかりか途中からどしゃ降りの雨さえ降りました。

 今年の5月は夏のように暑くなったかと思うと気温が急降下するなど天気が不安定だったため、開花時期の予測が難しく、今回はかつて高原で花盛りの水仙を見た時期よりも、訪ねるのが1週間ほど遅くなりました。けれども行ってみると、水仙がまだきれいに咲いていた上に、

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高原の上に青空が広がり、日の光のもとでは、花も高原もいっそうきれいに見えました。ですから、1時間ほど歩いたあとで、夫がそろそろ散歩を切り上げようと言って駐車場に向かったときも、夫と話して、わたしはさらに高原を歩き続けることにしました。

 青空と日の光の下で、白く美しい水仙の間を歩いていけるのが、ただただうれしかったのです。



 その高揚感がまだ冷めやらない昨日、ふと元ツイッター、現Xを見て、自分のプロフィール画像の写真に違和感を覚えて、そうだ、この青空の下に咲く高原の自生の水仙の写真と差し替えようと思いつきました。そうしたら、他のSNSのプロフィール画像も変えようという気持ちになって、続いてインスタグラムのプロフィール画像も変えて、そのついでに同じ写真をインスタグラムに投稿しました。ずっと遠ざかっていたので、気づいたらそれが3年ぶりの投稿だったので驚きました。さらに、フェイスブックとエキサイトブログのプロフィール画像も同じ写真に変更し、ブログも元ツイッター(Xと呼ぶのに抵抗があるわたしです)もフェイスブックも、カバー写真も、同様にこの高原の水仙の写真に変えました。


 この数年ずっとブログやSNSのカバー画像として使っていたのは、上のリンク先にある2020年8月26日の記事のサムネイル画像でした。トラジメーノ湖の岸辺のお気に入りのレストランで、とびきり美しい夕焼けの湖を眺めながら、8月25日に夫と二人で食事をしたときに撮った写真です。

 ジラモンドの夕焼けと店の人たちと、店で夫と過ごすひとときは今も大好きなのですが、夕焼けは美しいものの、日が沈んでしまう前の光景です。花を愛でたい、歩きたいという同じ思いから、いっしょに山や高原に出かけても、いつもいっしょに歩くのではなく、時にそれぞれが好きなところを好きなように歩くというのも、夫とわたしらしいですし、青空の下元気に咲く白い水仙が見られたことがとてもうれしく、またそうして咲く花や青空が幸先がいいように感じて、昨日は迷わず、そんなふうにどのプロフィール画像もこちらの写真と差し替えたのでありました。

 もう5月も末で、今年も半分が過ぎようとしているのですが、おそらく5年ぶりに変えたであろうブログのカバー画像の青空と水仙の花を見ると、なんだかさわやかな、心機一転の気分になります。というわけで、今後しばらくの間は、こちらのプロフィール画像でいこうと思いますので、新しい顔でもどうかよろしくお願い申し上げます。


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Non solo narcisi selvatici
Belli anche fiori di orchidee, timo,
viole di montagna tra il giallo di ranuncoli
nel Pian Grande di Castelluccio
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ブログテーマ:写真の日
Commented by getteng at 2025-05-30 19:53
naokoさん
自生の水仙の清らかな美しさ、ゲンチアナ・ウェルナのブル-はたまりません!
Commented by hotarublog3 at 2025-05-30 20:30
昨日に続いて感動的な風景ですね~
リンク先も見てきましたが、今回の光の加減が最高で
口紅水仙の白がとても清らかです。
プロフィール写真にぴったりですね(^^♪
山のスミレは原種とは思えない園芸種のような華やかさ。
リンドウもこちらの山リンドウとは違います。
今日もうっとりと、自分も歩いている気持ちで拝見させて頂きました^^
ありがとうございます。
Commented by milletti_naoko at 2025-05-30 21:20
gettengさん、ありがとうございます。
珍しさもあって、わたしたちにとっても、山で出会えると
ことさらにうれしい花たちです。
Commented by milletti_naoko at 2025-05-30 21:26
ほたるさん、やっぱり青空と日の光で花も風景もがらりと違って見えますね。
湖の夕景も大好きですが、青空と白い花はまた目に入るたびにうれしく、
どこか明るい気分になるので、選んでよかったです♪
スミレもシクラメンも蘭も、イタリアの野山で歩いて、原種の花が
美しくたくましいのを知りました。
こちらこそうれしいコメントをありがとうございます。
Commented by katananke05 at 2025-05-30 22:04
わたしは「イタリア 小さな村の物語」が大好きなテレビプログラムなのですが
大体の風景が 丘の上とか 谷間の平地とか 小山のてっぺんとか
とても隣の村とは距離のある 遠そうなところに 家々が集まっていて、

この村も 遠くの丘の上に 家々が固まって見えますね〜
車でないと村を出て、、というのは困難な状況でしょうか?
ここも バスとか公共機関で訪れることはできるのかしら〜
丘の家から 花が咲き乱れるこの美しい自然が みられるのは 素晴らしいことですが、m
Commented by nonkonogoro at 2025-05-31 09:20
朝から
野の花の咲き乱れる雄大な景色の中を
歩いている気分になれました。

高原とは縁遠い私は
昨日は 海を渡って 淡路島からの海を眺めておりました。
Commented by koito_hari616 at 2025-05-31 16:33
こんにちは

素晴らしいですね!
帰りたくなくなるお気持ちはよく分かります
ご主人さまと更に歩かれて。。。いいですね~
タイムの大きな石を覆い尽すほどの花
サイモンとガーファンクルの♪パセリ・セージ・ローズマリーアンド・タイム
が思い浮かびました。。。
凄い繁殖力ですねΣ(・□・;) オドロキ!
Commented by ciao66 at 2025-06-01 21:05
キンポウゲも赤紫の蘭もいいですが、
口紅水仙の花がとても綺麗ですね!
そしてそれが新しいプロフィール写真になったんですね。
明るい感じがしますし、気分も変わって、なかなか良い感じでです!
Commented by milletti_naoko at 2025-06-03 22:42
katananke05さん、この村は地震の被害で今も再建がようやく
始まったばかりで、中心街では多くの建物が崩壊したままです。
先日ニュースで、夏は観光を推進するために秋まで再建を中断すると
言っていたように思うのですが、高原は夏の野の花が美しい期間は
週末、近隣の村からシャトルバスが出ています。
地震の被害もあって今ここに行くのは難しいのですが、他の多くの
丘の上の小さな町や村は意外と公共の交通手段で行くことができる場所が
少なくないように思います。
Commented by milletti_naoko at 2025-06-03 22:44
のんさん、淡路島への海を渡っての旅も
すてきですね。
Commented by milletti_naoko at 2025-06-03 22:52
結うさん、こんにちは。青空の下で見る花と高原はことさらに
きれいで、いつまた見られるかも分からないと思って、歩き続け
たかったんです。

タイムの花、生命力が旺盛でたくましいですよね。
歌、懐かしいです。カセットテークも持っていました。
Commented by milletti_naoko at 2025-06-03 22:56
ciao66さん、口紅水仙は他の花に比べて、自生の花を
見られる場所も時期も限られているので、見られてとても
うれしかったです! きれいですよね。

ありがとうございます。青空に白い花、わたしも気に入っています。
by milletti_naoko | 2025-05-30 18:27 | Umbria | Comments(12)