イタリア写真草子 ペルージャ在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

アッシジの聖フランチェスコを記念する日に

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 今、イタリア時間では10月3日金曜日の午後9時過ぎです。アッシジの聖フランチェスコ(San Francesco d'Assisi)は、1226年10月3日の晩から4日にかけて亡くなったため、カトリック教会では10月4日が聖フランチェスコを記念する日です。没後800周年記念を来年に控えた今年、シエナの聖カテリーナと共にアッシジの聖フランチェスコを守護聖人とするイタリアでは、その記念日である10月4日を、来年から国民の祝日とすることが決まったと、昨日のニュースで聞きました。

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Santuario di San Giacomo, Poggio Bustone (RI), Lazio 15/2/2013

 清貧に生き、自然と平和を愛し、弱い立場にある人、苦しい人、病める人に寄り添い慈しんだアッシジの聖フランチェスコが、イタリアという国の守護聖人であること、その聖フランチェスコを慕い敬う人が今なお大勢いることに、希望を感じています。

 1999年の夏に初めてイタリアを訪ねたときに、ローマ発着の多国籍ツアーに参加して、イタリアをバスで縦断しました。その旅行でアッシジを訪ねた晩に、郊外の劇場で聖フランチェスコの人生を歌と踊りで語るミュージカル、『Francesco - Il Musical』を見て、聖フランチェスコがどういう人だったかを初めて知ることができたように思います。その生き方にもミュージカルにも歌にも感動したことを今でもよく覚えています。



 二つ目の留学先として選んだペルージャ外国人大学のあるペルージャで出会った将来夫となる人が、聖フランチェスコを殊更に敬愛して10月4日、その記念日に結婚した両親から生まれたということ、


その夫がつきあい初めてまもない頃にいっしょに訪ねた場所の一つが、





聖フランチェスコが聖痕を授かったラヴェルナ修道院であることに、なぜか不思議な縁を感じます。



 2009年10月には、そのラヴェルナ修道院を目指して、カゼンティーノ森林国立公園を縦断して90km歩く巡礼の旅をしましたし、



ラヴェルナ修道院は、毎年しばしば山を歩きに行って訪ねています。ラベッチャから修道院を頂く崖を取り巻く森を通って修道院へと向かうことが多いのですが、修道院からペンナ山の頂上まで登る周遊コースを歩くこともあります。


 2011年の春に夫が友人たちと、聖フランチェスコの足跡を追って、リエーティの聖なる渓谷からアッシジまで巡礼をしたとき、わたしは学校で日本語の授業があったので参加できなかったのですが、皆がスペッロからスバージオ山を越えてアッシジを目指した最終日だけは、土曜日で授業がなかったので、前夜に合唱団のコンサートがあったために帰宅していた夫と電車でスペッロに行って、友人たちと共にアッシジまで24km歩きました。

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Assisi (PG), Umbria 16/5/2011

 そうして、かつては日曜日のミサには、ほぼ毎週アッシジ郊外にあるサンタ・マリーア・デッリ・アンジェリ教会に行っていました。



 アッシジの聖フランチェスコ大聖堂が聖フランチェスコの死後に築かれたのに対し、アッシジの鉄道駅近くにあるサンタ・マリーア・デッリ・アンジェリ教会は、生前の聖フランチェスコが最も心にかけ、仲間たちと長く暮らした小さな教会、ポルツィウンコラを包むように後世に建てられた教会です。

 2012年10月には夫と友人たちと、リエーティからローマのサン・ピエートロ大聖堂へと、聖フランチェスコの足跡を追って歩く巡礼、Via di Romaの旅をしました。



 そして、2013年2月には、2011年春の巡礼で夫が友人たちと歩いて訪ねたラッツィオ州リエーティ県の聖なる渓谷、Valle Santa Reatinaを車で訪ね、

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15/2/2013

聖フランチェスコの人生に縁の深い四つの修道院を訪ねました。


 冒頭の写真は、上に引用した記事で紹介しているその四つの修道院の一つ、聖ジャーコモ修道院で撮影しました。聖フランチェコの生前には、ポルツィウンコラはアッシジの町から離れた森の中にある小さな教会で、聖フランチェスコ大聖堂はありませんでした。そういう当時のアッシジが描かれているところ、そして、伝説のトゲのないバラの花(詳しくはポルツィウンコラについて書いた引用記事を参照)が描かれているのがいいなと思って、この絵を選びました。

 スポレートのモンテルーコを始め、わたしたちが訪ねた聖フランチェスコゆかりの修道院や教会は他にもいろいろあります。ラヴェルナ修道院やアッシジの教会など、よく訪ねる場所についてはブログに書き散らしてある一方で、訪ねたのに記事を書いていない場所もあります。来年は聖フランチェスコ没後800周年であることですし、まだ書いていない、あるいは旅行記事の途中で少し言及しただけの聖フランチェスコゆかりの場所について詳しく書いたり、すでに書いた関連記事が見つかりやすいようにしたりしていけたらと考えています。

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 今わたしが主に読み進めているのは左の本なのですが、右の本も時々手に取って少しずつ読み進めています。聖フランチェスコ自身やその仲間たちの言葉を引用しつつ、聖人の人生や生き方、魂に触れられるように、アッシジの町や聖フランチェスコゆかりの場所を紹介していくという興味深い本であることを、読み始めた最近になって知りました。サンタ・マリーア・デッリ・アンジェリ教会の修道院のお土産屋さんでこの本を購入したのは、もう何年も前であったように覚えています。

 アッシジの聖フランチェスコの人生については、修道士である友人が勧めてくれた『Nostro fratello di Assisi』を読んで感動したのが、2013年2月だったのですが、


その後、自分で購入したり、友人に貸してもらったりした聖フランチェスコの人生を語る本が2冊、

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先日本棚の片づけをしていたら出てきました。この2冊も来年前半までには読み終えたいと考えています。


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Commented at 2025-10-04 10:35
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by koito_hari616 at 2025-10-04 14:23
こんにちは

10月4日がアッシジのフランチェスコの祝日に来年から
イタリアでは制定されるのですね、なんて素晴らしい事でしょうか💕
長男にも知らせます、アッシジのフランチェスコの礼名を頂いておりますので
ご主人さまのご両親の50年のお祝いのリンクも読ませていただきましたが
なおこさんがご主人さまに惹かれた(チョット)複雑な💦思いは
私にも似ているように思いました
簡単な人だと。。。私のような人間には無理だと思いましたね(笑)
この秋は、私も自分を省みながら聖書を読み直します♪
Commented by koito_hari616 at 2025-10-04 14:24
あっ!追記ですがプロフィール画像を替えられたのですね💕
Commented by milletti_naoko at 2025-10-04 16:59
鍵コメントの方、おはようございます。
そうですか。こちらも今朝は寒いほどです。
書こうと思っていることや書くべき記事、他のサイトから
移行すべき記事もたくさんあるのに、進んでいない状況
ですので、いつか機会と時間がありましたら。
Commented by milletti_naoko at 2025-10-04 17:17
結うさん、息子さんの洗礼名がフランチェスコなんですね!
義父母が結婚した頃にも実はイタリアの国民の祝日だったのに、
その後休日ではなくなったのが、来年から再び祝日になるのだそうです。
調べているうちに眠たくなって、かつて休日でなくなった経緯までは
調べそこない、言及しなかったのですけれども。
過去記事まで読んでくださって、ありがとうございます。
難しい人に魅かれると困りますよね。夫は夫でわたしが難しいと思っている
ようですが…… わたしは自分でははっきり物を言う方だと思っていたのですが、
夫とあれこれ言い合う中で、遠回しに言って直接は言わずに相手に伝えたつもり
でいるという日本人的物言いが身についていたことに気づきました。
Commented by milletti_naoko at 2025-10-04 17:19
結うさん、そうなんです!
秋らしくとプロフィール画像を変えたので、そのことに
ついて記事を書こうと思ったのですが、聖フランチェスコの日
ということで、予定を変更しました。今朝も朝から聖フランチェスコの
ミュージカルのサントラのCDを改めて聴きながら過ごして、言葉も
音楽もすばらしい歌が多いなと久しぶりに聴いて感嘆しました。
Commented by ciao66 at 2025-10-05 15:46
イタリアの「国民の祝日」になった、というのは凄いですね。
調べると聖人で祝日なった人は一人だけですが、
聖ステファノの名前は知りませんでした。
10月4日の祝日は気候も良く、聖人からの恵みを感じることでしょう!
Commented by milletti_naoko at 2025-10-07 04:37
ciao66さん、やはりイタリアという国の守護聖人であるという
こともあるのでしょうね。聖ステーファノはカトリック教会
最初の殉教者と言われているのですが、その記念日が祝日なのは
クリスマスを連休にするためではないかという気がしています。
Commented by きょっこ at 2025-10-09 05:51
守護聖人の日がお休みになるなんて、イタリアらしいですね。
以前にコメントさせていただいたと思いますが、『Nostro Fratello di Assisi』の英訳を根気よく探してみたら、カナダで出版された古本が見つかり、購入することができました。来年9月に通っている教会からアッシジとノルチャに行く予定になっているので、それまでに読み終えたいと思ってます。ノルチャについては、こちらのブログで下調べさせていただいています。
いつも興味深い記事をありがとうございます。
Commented by milletti_naoko at 2025-10-10 01:22
きょっこさん、こちらこそ温かいコメントをありがとうございます。
なんと英訳が見つかったのですね。よかったです。
来年9月に教会の皆さんでアッシジとノルチャにいらっしゃるのですね。
やはり没後800周年の記念の年だからでしょうか。
ノルチャもどうかそれまでに復興が進みますように。
by milletti_naoko | 2025-10-04 06:13 | Feste & eventi | Comments(10)