イタリア写真草子 ペルージャ在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

家の祝福ありがとう神父さん 光満ちるドン・ネッロ描くトラジメーノ湖

家の祝福ありがとう神父さん 光満ちるドン・ネッロ描くトラジメーノ湖_f0234936_06233488.jpg
 どんよりと空が曇り、ざあざあと雨が降り、しかも寒かった今日、1月28日水曜日は、午後3時以降に、復活祭前の家の祝福があるからと、夫も職場から昼食に家に帰り、食後は、祝福に来てくれるであろう修道士の方たちを待って、うちにいました。今日の午後3時から我が家のある地区の祝福が始まると言っても、うちの番が来るのが何時頃かは分からなかったのですが、もし祝福が早めに終われば、夫は職場に戻って仕事をするつもりでいました。

家の祝福ありがとう神父さん 光満ちるドン・ネッロ描くトラジメーノ湖_f0234936_05150520.jpg
Perugia, Umbria 28/1/2026

 どしゃ降りの雨に、「こんなひどい天気だから、今日は来ないんじゃないかなあ。」と夫が言い始めるほどで、それを聞いたわたしは、「サンダルを履いていたら、この雨では足が濡れてしまって大変でしょうね。」と言いました。

 けれども、3時半頃には呼び鈴が鳴って、二世代住宅に住む三家族の家の祝福が始まりました。


 去年の家の祝福が、祈りの言葉を2、3倍に早送りして唱えているのではないかと思われるほどに急ぎ足だったので、今年もそうではないかと思ったら、今日来てくださった神父さんは、にこやかに穏やかにゆっくりと、各階にある各家庭を回りながら、どの家でも、わたしたちと共に祈りを捧げたあと、「この家に住む家族が愛と平和と共に日々を送ることができますように」といった言葉を心を込めて言ってくださいました。義弟の奥さんだけは仕事で留守だったのですが、残る家族全員は、どの家の祝福の際にも祈りに参加して、聖水を頭からかけていただきました。

 初めてお会いした、そのインドからいらしたという神父さんの祝福を願ってくださる気持ちが、その笑顔や祈りの言葉に感じられて、ありがたいと思い、うれしかったです。今年のカトリック教の復活祭は4月5日ですから、復活祭はまだずっと先なのですが、信徒の数が多い教区を複数担当しているために、今年は1月からもう各家庭を回らなければいけないのだそうです。



 復活祭前の家の祝福と言えば、もう長い間そのたびに、祈りの言葉が書かれたお札をいただいていたのですが、昨年はルカによる福音書でしたし、

家の祝福ありがとう神父さん 光満ちるドン・ネッロ描くトラジメーノ湖_f0234936_05411820.jpg

今年もやはり読むようにと、こちらの小冊子を頂きました。題を読み、そして、中を斜め読みしてみると、ペルージャの大司教から司教管区の信徒への手紙、信徒に伝えたい言葉であるようです。去年配られたのがいつものお札ではなくて福音書だったのは、新しい教区司祭の意向だったと思っていたのですが、家に飾るお札よりは、信者に伝えたい言葉が書かれた小冊子をという考えは、2022年からペルージャを担当することになった新しい大司教のものらしいという気がしてきました。今日頂いた冊子の表紙の一番上に書かれているのが、ペルージャの大司教の名前なのです。

 わたしがこの冊子を受け取ったときにすぐに思ったのは、この表紙の絵を描いたのはドン・ネッロ・パッローニ(Don Nello Palloni)に違いないということでした。


 今は亡きドン・ネッロは、わたしたちの結婚式を執り行ってくれた神父さんですが、画家でもあって、ペルージャ各地の教会や病院などに、ドン・ネッロの手になる祭壇画などの作品が多数あります。テッツィオ山にある山の家は、かつてドン・ネッロのご家族が暮らしていた家で、2階には今も、将来画家となったドン・ネッロが少年時代に壁に描いた大空を飛ぶ鳥の絵が今も残っています。


 神父として献身的な活動をされていたと聞いていますし、人柄も穏やかで温かく、すばらしい方でした。2018年12月、没後にペルージャの歴史的中心街で、ドン・ネッロ・パッローニの展覧会があり、その開会式にも参加したのですが、そのときにはこちらの記事に1枚の絵の写真を載せて一言触れただけでしたので、この機をとらえて、少しだけその展覧会についてお話ししたいと思います。

家の祝福ありがとう神父さん 光満ちるドン・ネッロ描くトラジメーノ湖_f0234936_06085336.jpg
Perugia, Umbria 21/12/2018

 展覧会は三つの会場で催されたのですが、今回お話しするのは、

家の祝福ありがとう神父さん 光満ちるドン・ネッロ描くトラジメーノ湖_f0234936_06065435.jpg

中心街の趣ある通りを歩き、階段を上ったところにある館、Palazzo della Pennaで行われた開会式のことです。

家の祝福ありがとう神父さん 光満ちるドン・ネッロ描くトラジメーノ湖_f0234936_06124009.jpg

 大勢の他の参加者と共に、作品集を手に作品の間を歩いて解説をする人について回って、作品を鑑賞したのですが、上の写真で開いた本に写真がある絵が、テッツィオ山の家に、少年時代のドン・ネッロが描いた作品です。

家の祝福ありがとう神父さん 光満ちるドン・ネッロ描くトラジメーノ湖_f0234936_06143225.jpg
Volo, Don Nello Palloni, 1985

 会場にあったたくさんの絵の中から、今回は、宗教画ではない絵の中でわたしが一番魅かれた絵をご紹介します。トラジメーノ湖(Lago Trasimeno)を描いたVolo「飛翔」という作品です。自然と風景の美しさを愛して称える気持ちに満ちているように思います。神父だったドン・ネッロの自然賛歌は、おそらく聖フランチェスコの自然讃歌同様に、その自然、天地を創造した神への賛歌でもあったことでしょう。

 キリスト教徒ではないわたしも、大いなる天や自然のその恵みと美しさがこの絵にはあふれていて、その光が見るわたしたちまで照らし出してくれるように思います。今日の神父さんの心からの笑顔と祈りに、雨の寒い日に、わたしたちの心も晴れやかになったように。

 最後に、このとき別の展覧会場で見たドン・ネッロの「フランチェスコの夢」という絵の写真を掲載した次の記事へのリンクを添えておきます。


 過去に書いたドン・ネッロゆかりの記事を探していたら見つかった中にこの記事があったのですが、自分で読み返して、ぜひ心に刻んでおきたいということが書かれていましたし、絵もすばらしいと思いますので。


↓ 記事がいいなと思ったら、ランキング応援のクリックをいただけると、うれしいです。
↓ Cliccate sulle icone dei 2 Blog Ranking, grazie :-)
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ   

ブログテーマ:今日いち「ハピネス」だった事
Commented by koito_hari616 at 2026-01-29 11:41
こんにちは

今日の記事のお話しは読みごたえが有るものでした
確かに日本とイタリア(ペルージャ)とは復活祭までの道のりは
自分の生活に密着しているかどうかは、明らかに違っています
熱心な信者さんだったら祝福もしてもらえるでしょうが
最後の絵は私は復活祭の喜びの絵だと思います
光と卵の再生。。。
ドン・ネッロ神父の絵は心に響きますね

リンク先に行きました、あの結婚式の写真は
なおこさんとご主人さまでしょうか?
神父様はドン・ネッロ神父?
素敵です、人との出会い、物事のは偶然でも有り必然でも有ります
よい出会いで良かったですね♪
導かれていたのでしょう

因みに6月16日は我が家のオットと双子(女の子)の3人の誕生日です
面白いですね♪
Commented by meife-no-shiawase at 2026-01-29 21:52
なおこさん。

家の祝福について興味深く拝読しました。

雨の中であってもそのように神父さんがいらっしゃって祝福を願ってくださったとは・・・。
何かこちらまで心が温かくなるような雰囲気がなおこさんの文章からも伝わってきました。
Commented by katananke at 2026-01-30 22:00
復活祭の前に 神父様が各信者の家をまわり
祝福してくださるというのは 以前のなお子さんのブルグでも 拝見して 興味深いと
感じたことです〜

挿入にある前のブログで 夫様の出会いとか
他の方々の「縁”とか色々の糸が繋がり
いまにいたっているという、、
人との出会いには 無駄は決してないのでしょうね〜
ところで 一族みなさま 熱心なカトリック信者でいられるけど なお子さんは
洗礼は受けられないのですか?
なお子さんの優しい人を思いやる心は
わたしよりも もっと信者に相応しい方、、と
思われるのですが、、
Commented by milletti_naoko at 2026-01-31 00:33
結うさん、ありがとうございます。
地域によっていつ始まるかに違いがあるようですが、
ウンブリア州では1月17日から謝肉祭に入って、この時期
独特のお菓子が家で作られたり店で売られたりしていますし、
やがて四旬節があって復活祭と翌日は国民の祝日です。
復活祭もクリスマスもかつての異教徒の古来の祝祭をキリスト教が
取り込んだものであるようで、そういう意味で、教会離れが進む
今のイタリアでも、カトリック教会の様々な行事や祝いごとは
暮らしに密着しているように思います。

と言っても、家の祝福を歓迎しない、あるいは望まない人も近年は
いるようで、去年からはうちの教区でも、家の祝福についての連絡が
文書で教会から届くのではなく、教会の掲示板やオンライン情報を
通じて入手することとなり、希望を申し出た家だけを訪問して祝福
するようになったそうではあります。

わたしも卵のような形に復活祭を思いましたし、ドン・ネッロの絵には
卵を思わせる形がよく登場します。

そうです。写真はわたしたちの結婚式のもので、神父はドン・ネッロです。
ありがとうございます。ありがたいことです。

それにしてもなんと、だんなさまとお孫さんたち3人のお誕生日と同じ日だとは! 同じ日にいつもお祝いをしているのですね。本当におもしろいです。
Commented by milletti_naoko at 2026-01-31 00:37
メイフェさん、ご多忙の中、読んでくださってありがとうございます。

そうなんです。いっときはひどいどしゃ降りでひどく寒い日でもあったので、それでも終始温かく穏やかな態度で家の祝福をしてくださって、ありがたかったです。
Commented by milletti_naoko at 2026-01-31 01:52
katananke05さん、中世の頃、異民族の侵入でイタリア各地で政治や統治が混乱した頃、地域の人々や暮らしを支えたのが教会で、今もいろんな意味で教会や神父さんがイタリアでは多くの信者の人にとって身近な存在であるようです。

ちょうど洗礼を受けようと思った頃に、時間帯が仕事の都合で難しくて、以後放置してしまっています。

ただわたしはカトリック教も仏教も神道も根と心は一つと感じているところがあって、それで洗礼を受けていいのかという気持ちと、夫がカトリック教徒だからと言ってわたしがカトリック教徒になる必要があるのか、なりたいのかという迷いもあるので、難しいところです。
by milletti_naoko | 2026-01-29 06:33 | Umbria | Comments(6)