
イタリア語を学ぼうと2002年4月にイタリアに来て、9月まで半年通ったマルケ州小村の小さな語学学校では、アメリカやオランダ、ベルギー、オーストラリアなど、欧米からイタリア語を学びに来る生徒が大半でした。一方、同年10月から通ったペルージャ外国人大学のイタリア語・イタリア文化講座では、欧米諸国や日本に加えて、東欧やアラビア文化圏、南米など、クラスや学生アパートを共にする皆の出身国がさまざまで、いろいろな文化に身近に触れることができました。
わたしが最近になってブログのプロフィール画像をペルージャ歴史的中心街の写真に変えたのは、上のリンク先の11年前の寄稿記事を、先月このブログに掲載するにあたって読み返し、
https://cuoreverde.exblog.jp/38559974/
「今も昔も、ペルージャは異なる文化を持つ人々が出会い、共存し、交流する場」であることを改めて思い、またそういう土地に暮らせることをうれしく誇らしく感じたからです。そして、交流を通して違いを越えて理解し合い、皆が共生していく、そういう願いも込めてブログを書き続けていきたいという思いもあって、プロフィール写真を、このペルージャ中心街の写真に戻したのでありました。戻したと言うのは、記憶に間違いがなければ、わたしがこのブログを始めたときにも、プロフィール写真はペルージャのこの中世の大噴水と宮殿、町並みだったように覚えているからです。
Perugia, Umbria 17/8/2022
ペルージャ外国人大学の語学講座で学んでいたとき、図書館でイラク人の男性が「皆の国だって、政治家がみんなりっぱな人間ばかりではないでしょう。フセインだって問題はあっても、指導者としてそんなにひどくはないと言うのに」と言ったそのときの表情を今もよく覚えています。2003年10月にペルージャ外国人大学の学士取得過程で学び始めてからは、親しくなった友人やクラスメートにイラン人の学生も数人いました。わたしが日本語を教えるペルージャの外国語学校で、十数年前に教えていたイラン人の先生たちは、自分たちの国はイランではなくペルシアだと言い、笑顔がいつも優しくて、その一人は、わたしの車が思いがけず予定より早く納車できると分かったとき、夫が同行できないと知って、お忙しいのにわたしにつき合って自動車学校まで車で同行してくださったりさえしました。やはりかつての同僚で友人の外国語学校のヘブライ語の先生は、国籍はイスラエル人ですが、イスラエルでは第二の国民扱いを受けているというアラブ人で、だんなさんはパキスタン人の医師でした。
こんなふうに生徒や学生、同じアパートの住人、同僚という関係で、さまざまな文化圏の人と出会って交流する機会が世界中にもっとあれば、世界はもっと平和になっていくであろうに。そのためにはもっと、英語や欧米文化圏だけではなく、さまざまな国の言語や文化を知って学ぶ機会が必要であろうに。

同じ日本にもいろいろな土地があって、文化や慣習も料理も異なるし、同じ地域であってさえ、学校によって校風や教育の在り方がかなり違うことがある - 幼い頃から、父の転勤のために横浜から札幌、札幌から東京、東京から松山へと何度も引越しを経験し、愛媛県立高校の国語教師となってからは愛媛県内の三つの高校で教え、転勤のたびに異なる町へと引っ越したわたしは、つくづくそう感じています。同じ町に生まれ育って、同じ高校の同じクラスに通っていても、部活動が同じでも、生徒の個性も保護者の方の考え方もさまざまです。
ですから、国について、「あの人はこの国出身だから」という偏見や差別があってはならないし、そういう偏見や差別を撤廃していくには、多種多様な文化のさまざまな側面を知ることや、そうしたいろいろな文化との接触、異なる文化を背景に持つ人々との交流が欠かせないと思います。
そうして、その異なる文化を知るための扉の一つはその国の言語であり、ですから、のんさんの記事で、
NHKラジオの語学放送で学べる外国語が大幅に減って、しかも深夜の皆が起きていない時間の放送になると知って驚きました。わたしが日本に住んていた頃に比べると、英語の番組はかつてに比べてかなり増えているように思うので、なおさらひどいと感じています。SNSを見ても、楽しみにしていた外国語の講座がなくなってしまったことを嘆く人がいかに多いかが、よく分かります。
英語は受験にも仕事にも必要とされることが多いために学ぶ人が圧倒的に多いことでしょうが、英語こそNHK以外でも学ぶ機会が多いので、むしろ英語の講座を減らして他の言語に振り分けるべきはないでしょうか。
今では英語では、アメリカや英国だけではなく、さまざまな国や文化によって発信がされていて、そういう地域の情報も英語で知ることはできるのですが、それでも英語による情報はアメリカや英国などの文化や政治的影響に偏りがちではないかと思うのです。
今は日本でもさまざまな国から来た人たちが旅をし、また大勢が仕事をしながら暮らしていて、そういう中で、皆が気軽に聴いて学べるNHK語学講座で、教科書や講座を見つけるのさえ難しい外国語を学習できる機会は、さらに大切なものとなったように思います。
国営放送がさまざまな外国語をラジオやテレビを通じて提供してくれる、そういうことがイタリアではありませんし、ない国が多いと思うのですが、そんな中、NHKの語学講座はすばらしいと常々思っていただけに、とても残念です。
*追記(4月12日) この記事に添えたペルージャの写真が2022年8月17日の写真であるのは、おいしいペルシア料理を楽しめる店がペルージャ中心街にあることについても言及し、
かつての記事には添えていなかった次の写真と共に

掲載しようと考えていたためです。
この記事、「世界から集い学ぶペルージャ多様な異国文化の扉閉じて残念NHKラジオ語学講座」を書いた2日前、4月10日は、夫が職場から昼食に帰宅して、そのあとに日本語の授業があってと慌ただしく、記事でペルシア料理に触れることのないまま投稿することとなり、さらに湖畔のお気に入りの店に夕食を食べに行ったため、追加訂正ができずに終わってしまいました。と言うわけで、加筆できるのが2日後の今日になってしまったこともあり、こうして追記として書き加えることといたしました。
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