イタリア写真草子 ペルージャ在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

アッシジと聖フランチェスコ、緑満ち心に響くウンブリア 第3回

アッシジと聖フランチェスコ、緑満ち心に響くウンブリア 第3回_f0234936_20465105.jpeg
 アッシジの聖フランチェスコ(San Francesco d'Assisi)は、12世紀にアッシジの町の裕福な商人の息子として生まれたものの、神の呼び声に導かれて、仲間の修道士たちと共に清貧と愛、そして祈りに生きることを志し、その生を貫きました。弱者や動物に優しく、自然を愛し、フランシスコ修道会を創設した聖フランチェスコは、シエナの聖カテリーナと共に、イタリアの守護聖人です。フランチェスコ教皇が、カトリック教会の歴史上初めてこの聖人の名を選んだことで、今では日本でも、アッシジの聖フランチェスコを知る人が多いことと思います。多くの人々に敬愛される聖人で、中世から現代に至るまで、聖フランチェスコを慕って、アッシジや聖人ゆかりの地を訪ねる人が大勢います。
 
アッシジと聖フランチェスコ、緑満ち心に響くウンブリア 第3回_f0234936_19525748.jpeg

 今も中世の町並みが残るアッシジの中心街(上の写真)には、聖フランチェスコの生家や聖ダミアーノ修道院など、聖人の生涯にゆかりの深い場所や美しい教会がたくさんあります。

アッシジと聖フランチェスコ、緑満ち心に響くウンブリア 第3回_f0234936_19483879.jpeg

 中でも、聖フランチェスコ大聖堂(Basilica di San Francesco、上の写真

アッシジと聖フランチェスコ、緑満ち心に響くウンブリア 第3回_f0234936_19504529.jpeg

聖キアーラ大聖堂(Basilica di Santa Chiara、上の写真は、それぞれ聖フランチェスコと聖キアーラのお墓がおさめられているためもあって、多くの信者や観光客が必ず訪ねる教会です。

 聖フランチェスコ大聖堂は、聖フランチェスコの生涯を描いたジョットのみごとなフレスコ画をはじめとする名匠の手になる絵画や建築が美しく、聖キアーラ教会には、若きフランチェスコに、「わたしの家を建て直しなさい」と語りかけたという十字架像があります。

アッシジと聖フランチェスコ、緑満ち心に響くウンブリア 第3回_f0234936_18091189.jpeg

 アッシジの中心街(上の写真)は、標高1290mのスバージオ山(Monte Subasio)の斜面にあって、石造りの家や教会が西から東へと細長く伸びるように並び、城壁に囲まれています。ですから、中心街の西の端にある聖フランチェスコ大聖堂から、東の端近くにある聖キアーラ大聖堂までは、歩いて移動しながら、風情のある町並みや美しい風景を眺めることができます。中心街の通りには、陶器、食品、アッシジ・イタリアみやげなどの店、飲食店がずらりと並んでいますので、好きなところで足を止めて、買い物や甘いものの休憩をしてもいいでしょう。

アッシジと聖フランチェスコ、緑満ち心に響くウンブリア 第3回_f0234936_18562137.jpeg

 十字架のキリストの導きに従って、聖フランチェスコが仲間たちと共に、自らの手で修復した聖ダミアーノ修道院(上の写真)は、中心街から坂をずっと下っていったところにあります。距離は1.5kmほどですから、足に自信のある人は歩いて、車で移動する人は車で、中心街から道案内に従って、坂道を下って訪ねてみてください。

アッシジと聖フランチェスコ、緑満ち心に響くウンブリア 第3回_f0234936_20063768.jpg

 時間に余裕があり、脚力のある人は、アッシジの町の上にそびえる大城塞(Rocca Maggiore、上の写真まで坂を上ってみてください。

アッシジと聖フランチェスコ、緑満ち心に響くウンブリア 第3回_f0234936_20071252.jpeg

 町並みや緑の山野の美しい眺めを楽しむことができます。

 聖フランチェスコは、自然や静けさを愛し、人里離れた山の中や、切り立つ岩の中にある洞窟などで、祈りを捧げ、瞑想をすることを好みました。そうした場所は、イタリア中部の各地にあり、ウンブリアにもいくつかあって、小さな教会や庵、修道院が築かれている場合が多いのですが、

アッシジと聖フランチェスコ、緑満ち心に響くウンブリア 第3回_f0234936_20170083.jpeg

そうした庵の一つ、カルチェリの庵(Eremo delle Carceri)が、中心街から4kmほどなだらかな坂道を上った緑の中にあります。庵を囲む森の中には散歩道があり、森を歩くと、修道士たちがかつて祈りを捧げて暮らしていた粗末な庵に出会うことができます。聖フランチェスコの心に触れてみたいと思う方、そして、緑を愛する方は、このカルチェリの庵も訪ねてみてください。

アッシジと聖フランチェスコ、緑満ち心に響くウンブリア 第3回_f0234936_20240805.jpeg

 聖フランチェスコを慕って、その魂に触れようとアッシジを訪ねる方に、わたしが他のどこよりも訪ねてほしいのは、けれども、聖人の死後、ローマ教皇の意向で築かれた聖フランチェスコ大聖堂ではなく、アッシジの中心街からは離れた平地、アッシジの鉄道駅の近くにあるサンタ・マリーア・デッリ・アンジェリ教会(Basilica di Santa Maria degli Angeli)です。というのも、この教会の中にこそ、聖フランチェスコが仲間たちと自らの手で建て、存命中に最も心にかけ、長く修道生活を送り、亡くなった小さな教会、ポルツィウンコラ(Porziuncola)があるからです。


*追記(2026年4月15日)
 この記事は、2015年6月15日発行のイタリア旅行情報サイトのメルマガに寄稿した記事です。この記事を掲載していたJITRAのサイトがインターネットから姿を消しため、バックナンバーをこのブログに掲載しています。その事情について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

 なお、アッシジの聖フランチェスコ没800年記念である今年は、中心街から離れた聖ダミアーノ修道院とカルチェリの庵に、聖フランチェスコ大聖堂近くのバス停から行くことができるバスが特別に運行されているほか、アッシジの鉄道駅と聖フランチェスコ大聖堂、サンタ・マリーア・デッリ・アンジェリ教会などを結ぶバスも、便数が大幅に増えています。詳しくは次の記事をご参照ください。



 また、アッシジの聖フランチェスコ、イタリア語学習に興味がおありの方は、ぜひ次の記事をご覧ください。




↓ 記事がいいなと思ったら、ランキング応援のクリックをいただけると、うれしいです。
↓ Cliccate sulle icone dei 2 Blog Ranking, grazie :-)
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ  

Commented by getteng at 2026-04-15 20:44
naokoさん
我が国では想像できないくらいの素晴らしい眺めですね。
Commented at 2026-04-15 20:59
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by KANAKO at 2026-04-17 02:26
二年前に車でウンブリア地方にいた時にアッシジに立ち寄りました。まぁ、観光客のすごかったこと。そして大城塞まで登ってゆっくり眺めを楽しみました。お天気も良くて眺めは最高にきれいでした。そして街に降りてから甘いものを口にした記憶があります。
Commented by milletti_naoko at 2026-04-17 17:27
gettengさん、日本にもイタリアにも美しい
場所がたくさんありますね。
Commented by milletti_naoko at 2026-04-17 17:32
鍵コメントの方、ご親切にありがとうございます。助かります。
投稿してから自分で読み返して気づいて訂正はしたのですが、
11年も経つと変わってしまうこともありますよね。
以後はもっとていねいに読み返してから投稿しなければと反省しています。
Commented by milletti_naoko at 2026-04-17 17:38
かなこさん、アッシジの大城塞からの眺めも楽しまれたのですね!
お天気に恵まれたようで、本当によかったです。

アッシジの聖フランチェスコ没800年記念である
今年が近づいていた近年は、初のプレゼーペから800年、
聖痕を受けてから800年、Cantico delle Creatureから800年と
記念の年が相次ぎ、そうして、感染下で海外旅行が制限されていたこともあって、
アッシジへの訪問者がかなり増えているようです。
by milletti_naoko | 2026-04-15 20:40 | Umbria | Comments(6)